遭遇
最後まで読んで貰えるとありがたいです。
14回目の春、この世界にも桜がありとても綺麗だ。
俺は、成人を迎えていた。成人式会場に来ていた。
「やっと成人だな!今日からさっそくダンジョンに行きて〜な!やっと自分の実力が試せるってなるとワクワクすんな!」
隣でグリズリーが陽気に、そう言っていた。
確かに、やっとこの世界に来てダンジョンに潜れるとなると凄くワクワクする気持ちはわかる。
だが残念なことに、成人式は2日も続く。
「俺も早く行きて〜よ!何でこんなにも成人式は、長いんだよ!早くダンジョン行かせてくれよな!」
そんな事を言いながらなんとなく成人式が流れているのを見ていたら。
「やっと成人だね」
母さんが泣きながら言ってきた。
「私、ちゃんとあなたを育てられて良かった。」
確かに1人で俺を育ててくれた母さんには、感謝しかない。
「母さん今までありがとう」
やっと、成人式が2日とも終わった。
綺麗な桜道を歩きながら、やっと明日からダンジョンに行ける喜びと、初めて行くダンジョンへの怖さが俺の中で渦巻いていた。
「お〜い、、起きろよ!!早くダンジョン行くぞ!早く準備しないと置いて行くぞ。」
朝早くグリズリーは来た。俺も眠たい目をこすりながら起きて準備を始めた。やっと今日からダンジョンだ!
「まず、ギルドに行かないといけないな。早く登録して行こうぜ!」
そう、グリズリーに言いながらギルドまでの道を2人で走っていた。
まもなくして、ギルドについた。
ギルドの中は、酒気に満ちていた。そして凄く騒がしかった。
「おい!、ここはガキの遊び場じゃねーぞ!」
大柄の男がそう言いながら仲間と思われる人達とゲラゲラ笑っていた。
「冒険者登録かな?」
受付に辿り着くと、綺麗な髪をした女性が尋ねてきた。
「はい!冒険者登録です。ここに書けばいいですよね?」
俺たちは、すぐ登録用紙に記入していった。
ある程度のことは、村にいる冒険者から仕組みは聞いていたのですぐ書いて、登録した証のプレートを貰いその場を去っていった。
プレートには、自分達が討伐したことがあるモンスターや、今自分達がこの街の順位が見れる様になっている。
「やっとついたな!ここから俺らの冒険が始まるだよな、なんかすげ〜緊張して来た。」
「大丈夫だって、俺らなら余裕だってギルドの酒飲みたちを見返して、ぎゃふんと言わせてやろうぜ!あわよくば可愛い女の子と〜」
そんなグリズリーを横目に見ながらダンジョンに入って行った。
ダンジョンは1階と言えどもさっきまでの外とは、雰囲気が段違いだった。何とも飲み込まれそうなそんな雰囲気だった。
ダンジョン一階には、簡単なゴーレムがいた。
一階のゴーレムからは、何も落ちない。ただの腕試しだ。このゴーレムを倒せない様であれば冒険はやめたほうがいいレベルだ。
「簡単だな。こいつらを倒すのは!なんかこ〜手応えがないな。」
グリズリーがそう言いながら目の前の敵を槍で薙ぎ払っていった。ちなみにグリズリーは槍使いで、俺は前世のことがあって日本刀に憧れがあったことから侍みたいなスタイルでやっている。
「確かに、一階ではなんか味気ないな〜」
「じぁさっさと一階のフロアボスたおっしゃうか〜」
2人は走りながら一階のフロアボスがいる場所まで進んで行った。
「ここにフロアボスがいるのか。まぁイースと一緒なら余裕だよな!」
そんな事を言いながら扉を開けて入っていった。
フロアボスはでかいゴーレムだった。
俺はグリズリーに合図を出しいつも練習している作戦で行くぞと伝えた。まずグリズリーが足を切り体勢が崩れたところで俺がトドメを刺す作戦だ。
「よっし!こっちは成功したぞ!やったれ!イース!」
たちまちゴーレムの体勢が崩れた。
チャンスだ!俺は気合いを込めて「居合い斬り」たちまちゴーレムの頭と身体は切り離された。
「やったぜ!これで一階はクリアだぜ!これでギルドの連中にぎゃふんと言わされるぜ!そして〜」
俺はグリズリーの話を遮る様に
「俺ら、一日でクリアするとか、剣帝が出た以来やん。母さんに自慢できるわ」
「あぁそうだな!やったんだな俺ら」
今思えばこの驕っている感情が命取りになるなんて思いもしなかっただろう。
俺達は、フロアボス攻略の素材を回収して、ダンジョンを出た。
ダンジョンの入り口で俺は一目惚れしてをした。白くて長い髪にすらっとした体。まるで天使の様だった。その時その女性と目が合った。まるでその瞳に吸い込まれていった。
「おい!どうしたんだ早くギルドに行くぞ!」
グリズリーの言葉で我に帰った。
「おう、今行く!」
今思えば、これが彼女との出会いでいまから起こる悲劇の始まりだったのかもしれないと思う。
俺たちの冒険はまだここからだ!
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