表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/4

中編2



「これは、ローラ(私の名前)が家を捨てても仕方がないわ」


と、皆々様が納得してました。


でもね、別に家を捨てた訳では無いのですが……。

もしかして、長期休暇でも実家に帰らずに寮生活を送っていたせいでしょうか?

要らぬ誤解を与えてしまいましたが、訂正するもの面倒です。もうそれでいいのかも?とも思ってもいるのです。私は空気が読める人間なので。


女子生徒の情報網というのはバカに出来ません。

あっという間に、学年、クラスを問わずにローズマリーの所業は知れ渡ったのです。

まあ、あれだけの事をして問題にならないはずありませんしね。


そして何気に憐れまれ、同情される私。




あれ(義妹)と一緒に暮らしていた時は、さぞかし大変だった事でしょう」


何故か、Aクラスの侯爵令嬢から言われました。

相手は高位貴族。

幾ら同じクラスといえども、おいそれと話す事など出来ない雲の上のお人でした。

あまりにも目に余るローズマリーの態度に対して、私へ同情が寄せられた模様。



「少し話す機会がありましたけど、あれは酷かったですわ。数分でも耐えられません。なんですか?あの子。何でも自分、自分と主張なさって。自己中心的というか、自己愛が高いと言いますか……おかしな人と家族になってしまったローラ嬢に同情いたしますわ。もし、親と縁切りを考えていらっしゃるようなら、私、協力致しますわよ」


今度は伯爵令嬢から同情と共感と理解を得ました。というか話す機会とは?クラスも学年も違いますし、身分違いもいいところ。クラスメイトの私ですら伯爵令嬢と会話するのはこれが初めてなのですが……。

不思議に思っているのが顔にも出ていたのでしょう。

伯爵令嬢は丁寧に教えてくれました。


なんでも、伯爵令嬢にはBクラスに婚約者がいるらしく、その婚約者がお茶会にローズマリーを勝手に連れて来たというのです。招待もしていない女子生徒が、何故か自分の婚約者と親密な間柄のようで。不審に思った伯爵令嬢が探りを入れてみたら、まあ、酷い事といったら。生粋の御令嬢には理解しがたい存在だったようです。


「何故、彼女を私たちが気遣わなくてはならないのかしら?招待客でもありませんのに。それを婚約者にも伝えましたが……理解してくださらなかったわ。婚約者も貴族の子息だといいますのに……いつの間にか愚かな考え方をするようになってしまわれて。

ローズマリー嬢は終始、御自分の事ばかり話されて、会話らしい会話が成立しませんでした。

優先順位がまず御自分、といった態度を崩す事がありませんでした。最後には訳の分からない主張をなさって出て行かれましたわ。彼女、『お茶会』の意味を理解なさっていないのではないかしら?ローズマリー嬢の場合、男爵令嬢でもあるのでしょう?淑女教育はどうなさっているのかしら?とてもではありませんが、まともな教育を施されているようには感じられませんでしたわ。貴族令嬢として当たり前の事を何一つ知らないなど考えられません。下位貴族といえども感情のコントロールが全く出来ていませんでしたわ。平民出身でもあそこまで素を出しているなど珍しいのではないかしら?ローズマリー嬢の性分では我慢が出来ないようでしたし……もしかして気狂いの(やまい)なのではありませんか?」


……行動力が家にいた頃よりもパワーアップしているようです。

まあ、あの両親と一緒にいたのでは無理ないかもしれません。

本物の淑女から見ても、やはり義妹は狂っているように見えるのかと、悩んでしまいました。

私の気のせいではないようです。

一度、精神鑑定にかけるべきでしょうか?


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 精神鑑定してもジャイアン症候群(お前のものは俺のもの、俺のものは俺のもの)としか判定されないかも!Σ( ̄□ ̄;)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ