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自重を知らない忘却の姫  作者: てじ
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5

アレンとユリウスが居なくなった瞬間、消えたミリーが戻ってきた。


「相変わらずの人見知りね」


「はぅ〜苦手なものは苦手なのですぅ・・・」


顔を真っ赤にしながら落ち着かない様子で席に着く。


「それにしても、ずいぶん簡単に明かされましたが些か信用しすぎでは?」


ミリーのために新たに紅茶を入れ直しながらダイアナが問う。


「同感だ」


先ほどまで一言も喋らなかったスイも口を開く。


「た、確かに、いくら公爵ご夫妻が姫様の味方でも、ご子息までそうである保証はありませんし、一度会っただけで王族だと明かすのは危険すぎだと、私も思いますです。グウェンもヴィヴィも反対でしたし・・・」


この場にはいないがアリシアに使える他の2名も今日の事には反対していた。

確かに今後を考えれば、自分の主人に味方が増えるのは好ましい。

しかし、その相手がこの前少しだけ会話を交わしただけの男であれば話は別だ。

確かにアルセーヌ公爵はこちら側の人間ではあるが、彼らは初めからこちら側の人間だあっただけで、息子に関してはどちらでもない状態であった。

勿論彼がどんな人物なのかは調べ済みであり、敵側の人間でないことや実力も申し分ない事も把握済みである。

しかしまだあって2回目の者に全てを明かすのはいくら何でも時期尚早ではないか、というのがこの者達の総意であった。


「みんなが心配してくれているのは分かるけど、彼なら大丈夫よ」


皆の思いとは裏腹にアリシアはにこりと笑って見せた。


「彼なら大丈夫、だってあなた達と出会った時と同じ感じがするもの。私の勘が外れない事はあなたちが一番知っているでしょ?」


そう尋ねるとそれぞれが仕方ないと言いたげな表情で目を合わせた。


「・・・はぁ・・・分かりました、貴方がそうおっしゃるのでしたらそうなのでしょう」


完全な納得ではないがこれ以上話をしても認識が変わる事がないのは主人の性格柄把握している。


「しかし、事情を知る者が増えたからと言ってあまり目立つ行動はなさらない様にお願いします」


「それは・・・・・」


「それは?」


ダイアナの眼が光る。


「無理ね」


満面の笑みで断言する。


「ひーーーめーーーさーーーまーーー!!」


「無理なものは無理よ私の性格はよく知ってるじゃない」


「知っているからこそ何度も申し上げているのです!年々あの女の影響力は増す一方ですし、特に最近は国外の動きも活発です」


「それに他にも怪しい動きをしている者達がこの国周辺をうろついているわ」


「ヴィヴィ!」


妖艶な格好のヴィヴィが数枚の不鮮明な写真を持って現れた。


「隠れるのが得意みたいで今はこれが限界だったわ〜」


「これまた随分珍しい面子ね」


「ふふ、やっぱり姫様ならわかると思ったわ」


「彼らは特徴的な魔力をしているもの簡単よ、森の守護者であり太古の種族の一つよ」


「あらあら、エルフだったのね〜」


頬に手を当てながら珍しげに写真を眺める。


「人と関わりを持たないエルフが何故・・・」


写真を覗きながらミリーが呟く。


「確かに妙よね〜かれこれ300年は姿を現さなかったのに、何故今更現れたのかしら?それに明らかに人目を避けているわねぇ」


色香漂う仕草で物思いにふける。


「警戒するに越した事はない」


ずっと黙っていたスイが単調な声で呟く。


「そうね〜敵か味方か判別するまでもう少しかかると思うからそれまでは現状維持でお願いね。それよりも、は〜い、頼まれた物よ」


‘ぱちん’


乾いた空気に指を弾く音が響く。

その瞬間、アリシアの目の前にラッピングされた箱が現れた。

リボンを解き箱を開けるとそこには黒い布の塊が入っていた。


「きちんと付与魔法付きよ〜」


「見たら分かるわ、ありがとう」


布を広げながら感触を確かめる。


「できれば少し可愛く作りたかったのだけれど〜」


「これはこれでいいのよ」


「姫様、また何かするおつもりですか」


広げた布を見てダイアナは頭を抱えた。

目の前にはフードの付いたローブが広げられていた。

大きさ的にアリシアをすっぽり覆うほどで、会話を聞く限りでもただのローブ出ない事は伺える。

どう考えても使う用途が怪しい。


「別に悪いことをする訳ではないわよ?私もそろそろ国のために動こうと思って用意してもらったのよ」


言葉の代わりに深いため息が出る。


「ダイアナ・・・諦めた方が楽ですぅ・・・」


困った顔を浮かべるリリーを見て、さらにため息が溢れる。

そんなダイアナを尻目にアリシアは広げたローブを試着し始める。

回ったりしながら具合を確かめ、今後のことを考える。


「これなら大丈夫ね」


小さく呟いた言葉はみんなの元に届く前に消えた。



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