間話 新しいゲームの基盤のお話
天上院姫と天上院咲の会話は続く――。
「さてと、『紅』の全体は変わらず。帰って来た3話目も、修復と決着は完了した。最初からの人も最終話から路頭に迷ってた人も。概念世界から回って来た人も、空の王国でウロチョロしてる人も、これで道しるべは出来たはずだ。あとは温泉なり砂漠の墓場なりからスタートすれば、とりあえず冒険の続きは出来る」
「ずっと夜だったから、やっぱり次は昼?」
「そこは確定だろうな。文字だろうと絵だろうと、舞台は昼だ。『少女は異世界ゲームで名を上げる。』も『ドラゴン・スピード』も動画と言う名の時計の反動でボロボロだ、とても絵で描こうって気にはならない。無論『エレメンタルワールド』もじゃ」
「むーん。まさに0からか……、イヤ。この場合は4からスタートって所なんだろうね~」
「じゃな~『最果ての軍勢』は、ま~絵は描けてるから今後も続いていくとは思うが~。何手先を読んでも面白くならない、強すぎてお話にならないのじゃ」
「タダでさえ、力の入れすぎと評価されてるのに。設定まで最強じゃねえ~……」
「よって、パワーは風船の空気を抜くように。して軽くする方が良いと思う。これだけ成果が目に見えてるんだ、日常をやったって罰はあたらんだろう」
「今やろうとしてるのは、MRゲーム機だから。ベイマ〇クスの世界観が一番近いのかな?」
「じゃなあ~、ちょっと夢の中でゲームをしすぎたから。やっぱり舞台は現実世界にシフトしたほうが良いかもな。他の人、軌道修正大変そうだけど」
「そこは、責任取れないからどうしようもないって結論にならなかったっけ?」
「うん」
「じゃ、周りに振り回されずに。面白い舞台配置を考えましょう」
「面白いねえ~……なあ。次の舞台、東京都と神奈川だとどっちがいいと思う?」
東京だと色んな人が真似しやすいが、確認は難しい。せいぜいニュースで知るぐらいだ。逆に神奈川県だと地元だから肉眼で確認できる。
「うーん……他の人は困るかもしれないけど、やっぱり神奈川県かなあ。肉眼で微細に情報チェックできるから」
「そっかー……ま、お前がそっちが良いなら遊ぶ場所は決定じゃな」
あとは何をするか。と言う所である。姉の姫が口火をきる。
「ま、あとはプロット組むから。試行錯誤するよ、自分でああでもないこうでもないって裏側で悩んで悩んで。そして良さそうなゲームを咲にお披露目する。これでいいか?」
すぐには結論は出ないということになった。
「じゃあその間は何をすればいいの?」
「全員自由行動じゃ」
決まったこと。ほぼ確定事項なのは。
1、昼間。
2、神奈川県。
それ以外は何にも決まってない、むしろ想像の余地を残しておくということであえて決めないということになった。
猫箱理論はあまり使いたくないが。この宝箱の中身は昼間と神奈川、というのを外側から姫が咲にヒントをあげた。という形が最も相応しい、実際のふたは。まだ開けていないのだ。箱には天上院姫専用のマスターキーがかかっている。そんな感じ。
「てわけで、しばらくの間。現実世界で自由行動を満喫しててくれと言った感じじゃ」
「ちなみに、しばらくっていつまで?」
「う~ん。プロットやって、冷静にやって、ちゃんとしたのを書こう。ってなると、……小説だと1話1万文字じゃないかな、やっぱり」
「それって何日ぐらい?」
「速くて2日、遅くて7日ぐらい。ボツったら白紙になる、まあそんな感じか。長考はしすぎないようにするよ」
「ふむ」
「では、しばらくの間はインターバル的な休憩。よい休日を」
「あいよー」
そいうことで、咲は部屋の外へ出て。ドアを閉めた。
――カチャリ。