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世の中には順序と言うのがあるんです。

 現実世界。 西暦2034年11月15日13時00分。

 日本国神奈川県平塚市、天上院家。


 そこで天上院咲てんじょういんさき14歳、中学2年生。は、ため息交じりに自重知らずのお姉ちゃんに呟いた。

「まーたテストプレイは私か、てか。お姉ちゃんて私以外に友達いるの?」

 ゲームでのプレイヤーネームはヤエザキ、漢字では八重咲となる。彼女がため息をつくのも無理はない。これが何度目のテストプレイであろうか。

 わけあって、ゲーム会社、神道社社長をしている天上院姫、プレイヤーネームは農林水サン。しぶしぶながらこう返す。

「じつはカクカクシカジカで、また新しいVRゲームソフトの開発に乗り出したのじゃ」

 言いたいことは解るのだが、これが二度三度目となると流石に飽きる。いくら咲がセミプロの称号を持っているとはいえ飽きるものは飽きる。

「中二のお前にはわからんじゃろうが、運営陣にはこういう【面白くない下積み】が山ほどあるのじゃ。とはいえ危険は無い、私が居るからな。ゲーム内でデータがバグっても無理やり魂を引っ張り上げるから何ら問題ない」

「問題しかねーじゃねーか、このアマ」

「ま、前置きはこの辺にしてさっさと本題に入ろう。今回は本格的王道ハイファンタジーを作ろうと思う」

 あぐらをかきながら話を聞く妹は、長い付き合いなのでちゃんと話は聞く。

「剣と魔法とか、ドラゴンとかエルフとか、7つの剣とか?」

「うむ。んで、それだけだと作品としては埋もれてしまうのでテーマは『言霊ことだま』とする」


 言霊。とは、言葉に内在する霊力の事である。


「本当だったら、ソードでアートだといいな~とは思うが。まだちょっと経験値不足な所もあるからな。ゲーム名は『ワードスピリット・オンライン』本当はARゲームにしたいんじゃが、今VRゲームが主流じゃろ? 今回は人気を取るために動くからフルダイブVRゲームでいく」

 じゃあ今までは、人気を取るためでは無かったということになる。彼女はいったい何と戦って来たのだろうか? そんな疑問は捨てて、咲は話を本筋へ戻す。

「ふーん、ま。いいや、じゃあその『ワードスピリット・オンライン』にログインすれば良いのね」

「うん。まあやっていけば、成るようになるじゃろ。とりあえず入ってみてくれ」

 そう言うことで、VR機を付けて。ベッドに横になり。『ワードスピリット・オンライン』の世界へログインした。


▼『ワードスピリット・オンライン』の世界へようこそ。


▼基本設定をしますか?


「いいえでお願いします」

 まだ本格的にサービスが開始されるかもわからないゲームに、キャラメイクやらが必要なはずもない。問題は【ちゃんと動くか】のほうが重要なのだから。


▼他作品のゲームデータを移植して変換コンバートしますか?


「いいえでお願いします」

 本当はコンバートしたいが、昔のデータでバグが生じるのも面倒だ。本題はそこではないのでこの世界の初期装備で始める。まさに真っ白だ。


▼それでは『ワードスピリット・オンライン』をお楽しみください。


 そう言うことで世界は白く暗転した。



 ヤエザキがゲームの世界にログインしたら、そこには。場所も名前も解らない草原だった。と、そこへステータス画面からゲームマスター姉、農林水サンが話しかけて来た。

『では早速コトダマ、ワードスピリットの【設定を考えよう】なのじゃ』

「はい? もしかして今から考えて作るの?」

『そうなのじゃー、じ~つは何にも考えてなくての~』

「はー。……まあ行き当たりばったりは今に始まった事でもないし。生ライブにも慣れちゃった私だから許すけどさあ」

『姉妹だから許すわけではないのな……』

「ほい、じゃ。早速考えるわよ、クラフトやビルドゲームだと思えばそう苦ではないわよ。頼りになるゲームマスターも居るし」

『責任感なら任せておけなのじゃ~!』

 こうして姉妹によるVRゲーム創世奮闘記が始まったのであった。


「で? WSワードスピリットて何さこれ?」

『言葉の大小で威力が変わるのゲームを考えてるのじゃが』

「なるほど、基本心の文字を大事にする感じのアレね」

『そう、アレじゃ。アレを発展させる。というか、メインにさせる感じかのう』

「じゃあ【剣】」

 すると剣のようなものが出て来た、凄く粗雑な剣で今にも折れそうだ。

『前に似たようなストーリーラインは通ったが、ルールが微妙じゃったからな』

「なるほど、感じとしては。鉛筆と紙に設定を描き込んだら生成できる感じか、でもこれじゃ皆で遊ぶ分には不十分よね」

『まあ、アレは一人用ゲームじゃったしなあ、不十分と言うのは?』

「たぶん、設定を描き込めば描き込むほど。強化されてゆく世界観なんだろうけど。限度がある」

『限度かぁ~。あ、じゃあ限度文字数を決めよう!』

「お! ゲームっぽい発想。後々上限解放とかあるんですね。わかります」

『1、500文字。2、1000文字。3、2000文字……』

「待て待て待て、2000文字は多すぎる。小説サイトに1本投稿出来ちゃうよ……」

『じゃあ、マックス2000文字の設定がちょうどいい感じか。最終上限2000文字とか』

「まあ、それなら理解出来るし。同意出来る」

 こうして、最高レア度5をマックスとして逆算すると。

 WSワードスピリット武器。

 レア度1:125文字

 レア度2:250文字

 レア度3:500文字

 レア度4:1000文字

 レア度5:2000文字

 となった。ヤエザキは前回、前々回のゲームで思っていたこと。不満を口にする。

「てゆーか、前の装備品が多すぎるのよ。1キャラ5個装備可能でさえも、25人とかレイド戦になると発生して。ラグ出過ぎてきつかった、ストレスプンプン丸だったわよ」

『まあ、服装設定は自由にして。このWSは別枠の、勇者専用装備とかにすると良いかもな』

「レア度1、125文字かぁ~……ちょっと書いてみる」

 言ってヤエザキはただの剣に設定を盛り込むためにステータス画面を開く。


 レア度1『ヤエザキの長剣』95/125文字

 ヤエザキ専用の長剣、遥か彼方の島から生成されたこの武器は。強靭・無敵・最強。何者にも臆することなく勇猛果敢にその使命を発揮する。超強い。相手は死ぬ。私つええ。最強で可愛くて美しくて美少女な……。


『ちょっと待てちょっと待てちょっと待てーい! ツッコミ所しかないぞ!』

 わかったこと、100文字でも結構書ける。

「前の漢字4文字・四字熟語とはいかなくても、レア度2で40文字くらいでも良いんじゃないかしら? これなら」

『いや、この感じだと初心者に40文字は酷だ。レア度1で10文字にしよう!』

「ふむ……」

 そして実戦による検証から、軌道修正する。

 WSワードスピリット武器。

 レア度1:10文字

 レア度2:20文字

 レア度3:40文字

 レア度4:80文字

 レア度5:160文字

 ヤエザキは考え込む。

「10文字で良い感じの剣ねぇ~。うーむ」

『その考える時間がこのゲームの醍醐味じゃ』てきとう


 レア度1『ヤエザキの長剣』10/10文字

 強靭・無敵・最強です


「むむむ、難しいわね」

『ふむ、これだったらゲームとして成立するな』

「まあ、四字熟語よりかは自由度があって良いけど。どうせアイテム増えるだろうし。……これって後で文字設定変更可能なの?」

『勇者専用武器で、武器1個だけだったらその方が良いかもな。二個三個だと収集がつかなくなる』

 こうして、二人の試行錯誤は続いていった。

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