表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/6

気分転換

 朝目が覚めると握っている彼女の手が真っ黒になっていた。

 これが自身のエネルギーだと思うとゾッとする。

 朝食に付いていたデザートはプリンだった。

 これも彼女は美味しく食べる。正確には美味しそうに食べている。そう見て感じているだけ。

 実際に美味しいかなんて食べている本人にしか分からない。人には好き嫌いがあるのだから。


 担当医の健診があった。健診を終えると彼は、無理をしないように散歩してみるといい、と気分転換を進めてきた。

 退屈さが顔に出ていたのだろうか。それとも看護士さんの誰かが僕が彼女と喋っているのを聞いていたのかもしれない。

 幻覚を見ていると思われていてもいい、彼女の言葉が本当なら僕は彼女達の記憶から消えるのだから。


 ゆっくりと館内を歩く。

 病院といえば白をイメージするが、廊下は薄緑、受付は薄橙と白以外の色で溢れていた。

 それでも普通の人は薄い色を全てまとめて白と称するのだろう。

 売店では彼女が惹かれて凝視していた苺のショートケーキとガトーショコラ、自分用に鮭おにぎりとお茶、パジャマを2着、適当な漫画雑誌を購入した。

 このまま病室に戻るのは癪な気がしたので、売店横のエレベーターを使い屋上に出る。

 エレベーターに入る時、ベットシーツを運ぶおばちゃんと入れ違いになった。


 空は鮮やかな青色に染まっており、轢かれた時も空はこんな青い色だったなと思った。

 屋上にあったベンチに2人腰を掛ける。

 彼女は晴天の事など気にも留めずショートケーキを食べ始めた。

 そんな彼女を横目に僕も鮭のおにぎりを食べる。

 あっという間にケーキ2つを平らげた彼女は暇そうにしていたので、お茶を手渡すと半分だけ飲んで返してきた。

 無言のまま、彼女とひなたぼっこを1時間ほどした後、病室へと戻った。


 何を話していいか分からないまま、昼食、夕食と時間だけが過ぎていった。

 もちろんデザートは彼女が食べた。

 そしてまた目をつむる前に手を繋いで貰った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ