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白い少女

 5月の上旬、正にゴールデンウイークの真っ只中。

 春の陽気な日と言っても良いほどお天道様は大気を照らし、空は青々としていて雲一つもない。

 こんな日は何処かの家庭が一家総出で遊園地で燥いでいるだろう。

 そんな自身さえ陽気になってしまう日、僕は車に轢かれた。


 車に轢かれたというと生身を想像するが、僕の場合は乗っている自転車、運転している自転車、結構な速度を出している自転車に自動車で衝突されただけだ。

 衝突されているだけと言っても乗っている自転車から弾き飛ばされ街路樹に激突し気を失った。

 次に目を覚ました時は病院のベットの上。

 少しばかりイケている30代くらいのおっさんが顔を覗き込んできた。

 こういう時は両親や美少女であってほしかったが、話を聞くところによると車を運転していたそうで致し方がない。

 息をすると痛みが走った。

 背骨が折れていると説明された。街路樹に憤りを覚えてしまいそうだったが、彼もしくは彼女がいなければ頭をアスファルトにぶつけていた可能性を示唆されて感謝を覚えた。

 次に彼彼女に会った時には花を添えて置こう。

 これからの話を終えると加害者のおっさんは帰って行った。


「それで君は誰だ」


 僕は虚空へと話しかけた。傍から見たら事故の影響で幻覚が見えるようになったと思い、俺の体を検査させようとするだろう。

 しかし白い外套を身に纏った白髪の娘はそこにいた。

 そこに立っていたのだ、最初から。

 むしろ彼女の顔を先に見たかったものだ、おっさんでは無くて。

 しかしながら彼女は今の今まで言葉を発していない。これから発するかどうか分からないが話して欲しいものだ。なぜなら入院生活というものは退屈だからだ。

 暇つぶしの方が先に尽きていく。しかしながら過去の入院生活と違ってスマートフォンが使えると思ったが、かの暇つぶし付き音楽プレーヤー、違った、暇つぶし付き携帯電話は画面が割れ使い物にならなくなっていた。やはりこれは携帯電話付き暇つぶしだったかだろうか。


「貴方私が見えているのですね」


 いやいや見えているから話しかけたのですけれど。

 少女は一度ため息を着いてから再度口を開けた。


「私が見えているという事は近頃貴方死にますよ」


 白い少女はその身なりからして一番しなさそうな宣告をした。

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