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白犬族

「グルルルル」


 前にいるリーダー格のオオカミが殺意を浴びせてくる。だけど魔王と戦った俺からするとちっぽけな物だ。槍を構えている人族らしき者たちはこのオオカミだけで俺の事を倒せるとでも思っているのだろうか。構えているだけでオオカミとの戦闘に介入はしてこなさそうだ。

 ならばどうしようか。取り敢えず殺さないで情報を聞き出す感じにするか。ならばこのオオカミどもを気絶させよう。


「ウインドハンマー」


 ベテランの魔法使いが覚えるぐらいの魔法を多重展開し、俺を囲んでいたオオカミどもを殴り、意識を奪う。かなり手加減をしているので死にはしないはずだ。

 しかし槍を構えていた人族は見えない何かにオオカミたちがやられたのを見て、一歩後ずさった。これぐらい脅しとけば大丈夫だろうか。


「なあ、どうしてまだ槍を下ろさないんだ?和解しようじゃないか」


 そういうがまたもや無視だ。


「だんまりか。ならばしょうがない。こいつらと同じ目にあってもらうか」


 そういって魔力を練ろうとすると、


「ま、待ってくれ。別に俺らは貴方の気を悪くしたい訳じゃ無いんだ!」


 お、話が出来るやつがいたのか。まさかそう思わせてからの奇襲か?勇者の俺がこんなボロボロの鉄の槍ごときで傷などつくはず無いのにな。


「でもあんたらは喋らないじゃないか。というか話せるのなら前へ出てこい」


 そういうと武器を下ろした青年がこちらへ歩いてきた。遠目では分からなかったが、頭に白い犬耳がある。周りを囲んでいる奴らは警戒しているのか、まだこちらへ槍を向けている。


「それで、何で俺を襲ったんだ?」


「それは...」


 訳を聞くと長々と話始めた。

 話を要約すると、元々こいつらはこの森の比較的浅い所で住んでいたらしい。人間と関わらず、バレないように生活していたがあるとき人間にバレてしまったらしい。それでこの白犬族とかいう獣人族は村の戦士たちを囮に森の奥へと逃げてきたらしい。そして何日かたった日、近くに人間がいた。俺のことだ。これは不味いと口封じをしようと殺そうとしていたらしい。


「やっぱり俺を殺そうとしてたんだな?」


「そ、それはすいませんでした。我々も何日も歩き疲れ、おかしくなっていたもので」


 周りを見ると、もう槍を下ろしていた。


「それでなぜ貴方はこんな森の奥にいるのですか?」


「ここら辺で暮らしているからだ」


「「「ええ!?」」」


 驚き過ぎだな。別に特別強い魔物がいるわけでも無いのに。


「ここら辺に住む魔物は危険何ですよ。相手を眠らせ、眠らせた相手を貪り食う羊や、温度を探知して突進してくる牛、異常に吸収や消化するスピードが速いスライムなど、最恐なモンスターたちがたくさんいるんですよ!?」


 もしかして家にいるあいつらじゃないだろうな。いや、まさかな。


「そうだったのか。気をつけよう。ところでこれからどうするんだ?」


「その事なんですが...」


 青年が周りをチラッと見ると、


「どうか貴方が住む所で匿ってくれませんか?」


 そうお願いしてきた。

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