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011:挨拶(中編)

昨日の夜、日間ランキング、8位になってた。

初めて…。

感謝、感謝ですぅ(☍﹏⁰)。

 



 Side:クラミチ


 俺は今、すごぶる機嫌が悪い。


 ―――空間魔法:置換(魔力→雷魔法)、麻痺。同時展開、亜空間ルーム(牢獄)。


「・・・人格で選べよ」


 聖域内に並ぶきれいな建物に囲まれた一本道を歩きながら俺は実力しか見てない神に怒りを覚えながらそうつぶやいた。

 この聖域は確かに入場制限をしているが、神に認められたものつまりそれはランクSをステータスにもつ加護持ちは誰でも通れることに他ならない。


 ステータスにSを一つ持つ者なら意外といる。


 表沙汰になってるものが少ないだけで、持っている者は定期報告のように神託が(下級神官に)くだってだいたいが国の管理下に置かれる。

 さらに言えばSを持つと成長速度が著しく落ちる。


 Sは特化型の象徴であり、冒険者としてはオールAとかの方が人気だ。


 ・・・まあ、伝説の英雄とかヒカリは例外でSによる成長速度低下を上回る成長速度増加補正を持っている。そのせいでSランクステータスにあこがれる者が多いのだが。


 そして、国に召し抱えられたSランク保有者は特化したステータスに合わせて様々な職業に就く。

 5つのステータスの中で2番目にSランクになり易い素早さのSを手に入れた者はそのほとんどがシーフの上位職、対人特化の暗殺者となる。


 暗殺者と言っても殺しではなく情報操作、密偵、警備、裏イベントの管理など多岐にわたる。

 教国ではその者達を暗黒聖典と呼ぶ。

 今回はクマのようにSを二つ持つ希少な者の監視だろう。

 だが・・・俺が来ていると知りながらこそこそと監視するとはいい度胸だと言える。


「・・・久しぶりに、七聖典にお灸をすえなくてはいけないか?」


 俺は小さくそうつぶやきながら斜め後ろの屋根上から監視する黒服のものを痺れさせ亜空間(既存の空間魔法とは違い、常時膨大な魔力を使う代わりに意識の無い生物を補完できる空間)でとらえておく。


 これで、気配を消して関していたもの―――25名。

 神官に変装して監視していたもの―――13名。

 魔法を使い監視していたもの―――8名。

 双眼鏡や望遠鏡で監視していたもの―――4名を捕縛した。


「まったく・・・、うん?」


 俺は自分の影に気配を感じ、懐のポケットを探る振りをして空間魔法:転送を駆使して手紙を受け取る。


「・・・よくやった」


 俺はそう呟いて言って手紙を自分の影に投げ入れると、手紙は地面に・・・いいや、影に取り込まれた。


「おーい、クラミチ!」


「クラー、早くしなさい。案内人が待ってるわよ」


「・・・おや?どうかなさいましたか?」


 クマとヒカリの催促に駆け足で近づくとシアにそういわれて顔を一度手で覆い、空を仰ぎ、心を落ち着かせる。


 ―――今は、ただのクラミチだ。


 俺はそう心でつぶやき、手をどかし顔をうつむかせながらため息を吐く。


「・・・ごめん。ちょっと疲れててね。きいたでしょ、朝の話?」


 そういうと3人は納得したようで全員が上目づかいで心配の声をかけてくれる。

 俺は3人の上目づかいにドキッとしながらもその光景を脳内に焼き付けると、案内人の神官さんに道案内を頼んだ。

 3人とも、先ほどまで避けていた雰囲気はどこにいたのか、積極的離してくれるように控室につき、謁見の準備が整うまでおしゃべりは続いた。


 ―――その間も俺の盗聴、盗視、監視者の捕縛は続いた。




 ※※※




 七星塔は中央棟と呼ばれる教皇の住む棟を中心に6角形にならんでいる。

 これはこの配置には理由があり、話すと長くなるのでまたの機会にしようとおもう。

 中央棟は教皇が住んでいるというだけでなく、教皇、七聖典が毎朝礼拝する本堂が存在し、緊急時には神が降臨する場所でもあるからだ。


 その中央棟は25階層からなり、今はそのうちの9階層にいた。


 ここは謁見の間。

 教皇と七聖典と客人のみが集まって話をできる完全防音、防犯、対魔法のこめられた部屋である。

 部屋はコロシアムの様になっており、7聖典と教皇のいる場所の方が高くなっている。

 各々に一部屋ずつ与えられ 、その前にはカーテンがかかっている。

 教皇と7聖典全員はすでに座っているようで彼らの後ろから刺す光によってシルエットだけはわかる。


「ようこそ、亜人様。我々は貴方様にきてもらう日を心待ちにしていました」


 そう言ってまずこの場の口火を切ったのは教皇だった。




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