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To become distant.

作者: odayaka
掲載日:2018/07/09



 其の場所に僕はいてはいけないんだと、と君はひび割れた笑顔を浮かべた。

 どうして? と、尋ねる私に、俯いて、きっとそうなんだ、と零した。

 そんなことを考えているのはきっと、彼一人きりなのだと見回した。

 喧噪の中で、私と彼だけが取り残されているようだった。


 (ねえ、もしかして。私の為に、あなた、此処からいなくなろうとしているの?)

 (そんなことをしても、何も変わらないのに。あなた、そんなことにもきっと気づいてるのに)



 誰かに可哀相だと思って欲しくて、生きていた頃があった、そんなことばかりを覚えていて。

 振り向いてばかりいても、どうにもならないことに気づいた頃には遅すぎた。

 君はきっとまだ途中で、少し遠回りをしているだけなんだと思う。

 こんな場所にいるのは、きっと、私や君みたいな人ばかりなんだろうから。


 (ねえ、もしかして。私の為に、あなた、此処からいなくなろうとしているの?)

 (そんなことをしても、何も変わらないのに。あなた、そんなことにもきっと気づいてるのに)


 無機質な世界、凍り付くほど冷たい機械音、感情的な人間の見下げ果てた表情。

 見下しているのは私と君、いつかは終わる線、何時かは出て行かなければならない場所。


 何時かは、全てが遠くなる。遠くなる。遠くなる。遠くなる。全てが幻のように遠くなる。


 それでも、今は嘘なんかじゃないから。


 (ねえ、もしかして。私の為に、あなた、此処からいなくなろうとしているの?)

 (そんなことをしても、何も変わらないのに。あなた、そんなことにもきっと気づいてるのに)




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