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ういうい、カード対決なの、だ。(番外 適当編)

 シャーデンフロイデ編が纏まらなかったので、勢いだけで書いた適当番外編です。。

 ういうい、円、だ。


 今私達は・・・・・・。


「円さんっ! 白頭巾っ! なんかあれです、なの、だ、違法カードゲーム屋で夜な夜な、違法な賭けゲームを違法で違法なのですから、二人でちょっといって何とかしてくださいっだっ!」


 レンレンの真似なの、だ。我ながら似てるの、だ。


「つまりあるカードショップで不定期で違法な賭け事をしてるから見てこいって事だね」


「うみゅ・・・・・・」


「あ、毎回やる蓮華お姉ちゃんの真似はまったく似てないからね」


「・・・・・・そうか。ならさっそく・・・・・・」


「「行ってみようっ!」」



  ◇


 ここは町外れの小さなカードショップ〈アルテマ〉


「ここなの、だ」


「いかにもだね、建物から不気味なオーラが漂っている」


 今は夜中の0時、通常の営業時間はとっくに終了している。


 なのに明らかに中から物々しい雰囲気が漂っておる。


「いる、確かに魑魅魍魎の類い、が」


「でも、どうやって入るの?」


「それはわからぬ」


「わからぬのに来ちゃったのか」


 なんか地下にそういう場所があるらしいが。


「いや、レンレンはとりあえずいけば何とかなると」


「そう、蓮華お姉ちゃんがそういうなら・・・・・・」


 私達は命じられたまま、ここに来たに過ぎない。


 しかしここに私達がいる時点でもう最初から最後まで筋書きはできてるのだ。


「あら、これはこれは奇遇ですわね」


「お、なんやお前ら、こんなとこで」


 暗闇から声が聞こえ、振り向いた先にいたのは。


「ん? なんか見た事ある奴ら、だ」


「確か・・・・・・紅子とたまに一緒にいる・・・・・・多分殺人鬼連合のメンバー」


 一人は気品漂う見るからにお嬢様タイプ。


「殺人鬼連合所属、百目鬼 空音ですわ」


 もう一人はなんか男勝りな活発少女。


「同じく殺人鬼連合所属、大下倉 古論や」


 こいつら確かキラキラの親戚かなんかなの、だ。他のメンバー達とは少し毛色が違う。


「貴方達も地獄のカードゲームを?」


 地獄のカードゲーム、これはまた直球なネーミングなの、だ。


 まぁ、ここは機転を利かせるの、だ。


「そうなの、だ。私達も勿論地獄のカードゲームをしにきたの、だ」


「そうでしたか。なら、中に入りましょう。もう始まってるはずですわ」


 私達はそのままこの二人に付いていった。


中に入るまではとにかく幾つものゲートがあった。


 だが、その全てがすぐさま解き放たれる。


 それもこれもこの二人の姿を見た瞬間、係の者が無条件で通すのだ。


 最後に開かれた扉の先。


 熱気と歓声が一気に飛びだしてくる。


 比較的狭い室内にテーブルがいくつかあって、数十人が所狭しと立って何かをしていた。


「キ、キングダムっ!?」


「キングダムだっ!」


 私達が入ると皆口々にそう叫ぶ。


「空音のことや、空音はここではキングダムと呼ばれとるねん」


 会場の視線を一気に集め。


「だ、大将軍、天下の大将軍だっ!」


「まじかっ! ここでお目にかかれるとは、天下の大将軍にっ」


 ん、また別の二つ名、これは古論のことか。


「空音のことや、空音は天下の大将軍とも呼ばれとんねん」


 もう一個あるのかい。


「あれはアルティメットエンペラーインフェルノじゃないかっ!」


「おお、本当だ、アルティメットエンペラーインフェルノだっ!」


 まさか。


「空音のことや、空音はここではアルティメットエンペラーインフェルノとも呼ばれとんねん」 


何個あるの、だ。後、究極皇帝業火ってなんなの、だ。


「さっそく、地獄のカードゲームをやりましょう。私こと、スリーピングフェアリー空音の相手はどなたかしら?」


「お、いきなり空音がでるで」


 とりあえずここは流れに身を任せるの、だ。


「ならアタイが出ようかしらねぇ」


 お、誰か名乗りを上げたぞ。


 仮面をつけた女が出てきた。


「く、熊殺し」


「熊殺しが出てきやがった」


 ちらり。


「あの女のことや。熊殺し、この界隈ではトッププレイヤーで滅茶苦茶有名や。これはとんでもない勝負になるでっ」


 そうなの、か。もう少しいい呼び名はなかったものか。


 二人は中央のテーブルの前に立って向かい合う。


 互いにカードを出し合って。


「「ドラの音は今轟くっ!」」


 なんか叫んだ。多分開始の合図なの、だ。


「「「「ドラの音は今轟くっ!」」」」


「うわっ」


 びっくりしたの、だ。周囲の観客全員もそれに続いた。


 無駄な一体感。


「破滅のコインは!?」


「5枚よっ!」


 ざわり、場内が震える。


 ちらり。


「破滅のコインはチップの事や。一人最大5枚持っとる。てことはやで、この勝負、二人は一気に決める気で、ほんでレートは一枚二〇〇万っ」


 ここで違法っぽい部分がやっと出てきたの、だ。


「ハイエンドターンっ!」


「ブラッシュリターンXっ!」


 よく分からない単語が飛び交う。


「よし、空音の優勢や、あのターンで鉄球大五郎を防いだのが、でかいでっ」


 会場は凄い盛り上がりなの、だ。


「勝負ありっ!」


「よっしゃぁあ、空音が勝ったでっ!」


 お、何だか分からないうちに終わったの、だ。


「いや、まだだっ!」

 

 相手の熊殺しはまだ諦めていない。


「悪あがきやっ! もう破滅のコインはあらへんっ!」


「今、着ている服を賭けるっ!」


「なんやてっ!?」


 ちらり。


「着ている服ってことは、負けたら全裸や。これは羞恥心、つまりプライドを賭けたって事や。これはカードマスターにとって命より重いっ」


「良いですわ、勝負続行といきましょうっ!」


 空音も了承したの、だ。プライド凄いの、だ。


「カットソー、斜め右エルアールっ!」


「パリィ、無効してからの反撃と見せかけてのドローっ」


 二人が何かいう度に観客がワーワー騒ぐ。


「予想通り、凄い戦いだ、しかしこれは・・・・・・」


「そうだね、どっちも凄いよ、でも今回はこっちのお姉ちゃんのほうが分が悪いね」


 おっと、ここで白頭巾も入ってきたの、だ。お前、わかるのか、なの、だ。


 そうこうしているうちに。


「あぁあああ、アルティメットエンペラーインフェルノが負けたぁああああ」


 なんと今度は空音が負けた。


「いいえ、まだですわっ!」


 いや、まだみたいなの、だ。


「私は命を賭けますわっ!」


 急にどうしたのだっ!?


 相手はプライドという服なのに。


「空音は本気やで。これこそ地獄のカードゲームの醍醐味。賭けるものがなくなるともう最後には命までいく」


「ならアタイも命を賭けるよっ!」


 相手も宣言。さっきプライドは命よりも重いとかなんとか言ってたから、実際レートは下がったの、だ。


 実はこの日のゲームは後々まで語り継がれる伝説の勝負になったの、だ。


「エレメンタークラッシュボックスっ! これで攻撃ですわっ」


「なら星々の栄光でガードよっ」


 右をちらり。


「空音がエレメンター(以下略)で攻撃、あのカードは四属性の箱を出してその中から世界を滅ぼせるだけの天使を召喚しつつ一斉攻撃する超レアカードや」


 左をちらり。


「それを熊殺しは、星々の栄光で凌いだ。あのカードの効果は、演算能力を介して全ての物理現象を把握して攻撃自体を他の物質に変換して無害にすることでダメージを限りなく0にする現在超高騰している激レアカード」


「ならこれで追撃ですわっ! 影を乗っ取りし凶兵士の亡霊っ!」


「なんの、悪魔達の狂乱演舞 α版っ!」


 右をちらり。


「影を乗っ取りしは、最強カードの一画、古き良き時代の効果を一時的にリンクする事でイメージを作りだし攻撃、これは宇宙すら破壊するほどの威力でさらに本体独自の能力を付加する事でその一一倍のエネルギーを作りだし問答無用に相手を消滅させるんや」


「それを熊殺しは悪魔達の狂乱乱舞で受け流した。これは悪魔達が集う間は上級的な地場が世の理を曲げる事に成功しており、天界および魔界すらも現世から切り離して、本質である目に見える何かを起点にすることで攻撃をそちらに誘導するの。ちなみにα版は、初期に刷った別メーカーのもので今の価格で二六〇万はする超レアカードだよ」


なるほど。


「これならどうかしらっ! 魔神の息吹、世界からの祝福っ!」


「くっ、なら花園は乙女の涙で反撃するっ!」


「でたっ、空音の魔神の息吹、世界からの祝福。あのカードは全世界で二〇枚しかないカードでこの国では空音しか持ってへん、幻のカードやっ。効果は魔神に認められることにより高次元の存在へと昇華しさらに世界から寵愛を受けることによってどの状況でも一〇〇%攻撃が成功する必中スキル、威力も当たれば世界さえ一瞬で滅ぼせる」


 世界から寵愛を受けたのに世界を一瞬で滅ぼせるカードなの、だ。


「あっちもここで花園の乙女の涙を出すか。あれは最強の防御カード、魔神よりも強く、世界により愛された乙女が涙を流す事で、どの状況でも100%攻撃を回避できるスキル。乙女自体の存在は無限で例え攻撃が命中する事があってもその代わりは無限に存在しておりその数秒後にはそれされも復元されるので現実的にこの乙女を倒すことは不可能」


100%と100%がぶつかったの、だ。


「追加カード発動っ! 乙女が恋する大天使エリアーウツエルっ! これでそちらの乙女カードの効果無効ですわっ!」


「なっ!」


「あんなカード見た事ないでっ!」


「発売未定の新作っ、ここで出してきたね。これまで最強の防御カードだった花園の乙女の涙が効かない。これはいづれカードの相場が大きく変動する」


「おあいにく様だっ! それを出す事は予想していたっ! なので、このカード、乙女が恋する大天使エリアーウツエルが場に出た時だけ出せる究極カード、乙女が恋する大天使エリアーウツエルが愛する大悪魔ダイタフェルっ!」


「なんやてっ!」


「あれも発売未定の新作カードだよっ! 一体どこから手に入れたっていうのっ」


「理やっ! あのカードは大悪魔ダイタフェルの黒き翼の羽根、その一枚一枚が理になっており、それが統合する時、あるいは拡散するとき、全能神が降臨するんや、つまり、大天使エリアーウツエルじゃ絶対勝てへんのや」


 わからん、わからんが、ノリ的に空音の負け濃厚かもなの、だ。


 いや。


 まだ空音の瞳に光が宿っておる。


「そ、空音は諦めてへんでっ!」


「これはまさかお姉ちゃん、神を捨てるというの? ・・・・・・始まる。世界に光が広がるよ」


 わからん、けどなんか熱い展開ぽいの、だ。


「創世、今までの神に感謝、そして私こそが神。顕現せよ。無限最強要塞ガンガザムっ!」


「うがあ、これはぁあああ」


「ま、まさかあれを出すなんて」


 なんか空音が出したの、だ。


 ちらり。


「とんでもない事が起こったで。あの無限最強要塞ガンハザムはあまりの強さで禁止カードになった化け物カードや」


 ん。


「全宇宙を覆うほどの全長、むしろ宇宙そのもの、どの次元、どの時代、どの世界にも存在しており、その攻撃は同じ次元、同じ時代、同じ世界の者にしか届かず、しかし存在時代は無限なので基本的に消滅することは決してない。永遠を生き、思い通りに世界を作ったり、書き換えたり、かき消す事も可能、この世の全てに干渉できるのでプレイヤーのその場の気分で勝手にルールを変更できる特殊能力を持つ」


「あれが場に出た瞬間、相手の負けは確定する」


 え?


「これより私の攻撃は全てクリティカルヒット確定、攻撃力は毎ターン2乗、防御も同様、つねに全回復、あと、あと、ずっと私のターンですわっ!」


「がぁああああああああああああああああああああああああ」


 決まった。


「空音が勝ったでっ!」


「あのお姉ちゃん、やりよったよ」


「お、おう?」


 会場のボルテージは最高潮。


 歓声で壁や地面が揺れたの、だ。


「完敗よ。流石、キングダム天下の大将軍、アルティメットエンペラーインフェルノスリーピングフェアリー空音だわ。この命好きにすればいいわ」


「貴方も凄かったですわ。命より重いプライドを捨てて禁止カードを惜しみなく出さなければ負けていたのは私の方でした。だから今回はそれに免じて許しましょう。今度はお互いレアカードをもっと揃えてまた戦いましょう」


「キングダム天下の大将軍アルティメットエンペラーインフェルノスリーピングフェアリー空音・・・・・・」


 二人は硬く握手を交わしたのだった。


 うんうん、感動的なの、だ。


「お姉ちゃん、終わった事だし・・・・・・」


「あ、そうだったの、だ」


 そういえばここに潜入捜査で来たのだった。


「全員その場を動くななの、だっ!」


 大声で会場の者達を威嚇。


「なんか違法な賭け事的なやつで全員逮捕なの、だっ!」


 外には手配した警察とかもいるだろう。


 こうして私達の任務を終えたのであった。


 ちなみに空音と古論は謎の力によって数時間後には釈放されたの、だ。


 

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― 新着の感想 ―
[一言] 中々時間がとれず読み、感想を送るのが遅くなってしまいました……… 毎度円ちゃんのやる蓮華さんのマネは低評価(by白雪ちゃん)なのですね。いつか高評価をもらえる時がくるのでしょうか? まさ…
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