ういうい、なんだ、こいつはなの、だ。
バトルが続いたので今回は適当なゆるいやつです。
ういうい、円、だ。
今日もレンレンの所に来たのだ。
そしたらだ。
「もう貴方は何回言えば分かるんですかっ! ガミガミガミガミガミガミガミガミっ!」
すでに部屋には白頭巾がいて。
レンレンのお説教を受けておった。
「なんだ、なんなんだ、一体なにがあったの、だ」
「なんだじゃありませんよ、この子、また宿題をほったらかしてゲームしてたんですっ!」
「なんだ、そんな事、か」
この一言がレンレンの怒りに触れたのだ。
「そんな事~? 何言ってるんですっ! そもそも姉代わりの貴方がそんなだからですねっ! あ~貴方の姉代わりもそういえば適当でしたねっ! ちゃんと貴方を教育してればその下にだって、も~ガミガミガミガミガミガミガミっ!」
うお、飛び火したの、だ。
「わ、分かったの、だ。私が悪かったのだ。白頭巾にはちゃんと宿題させるのだ」
このままでは私を飛び越え姉御の評価に響くの、だ。
「宿題は読書感想文です、それも期限は明後日、それまでに一冊読んでさらに感想を書かなければなりませんっ、時間がありませんよっ」
むぅ、他の科目なら私が適当にやってやろうとしたが、それは厄介なのだ。
むしろ一番苦手といってもいい。私達殺人鬼に一般人の感覚は備わっていない。
「ふえぇ、お姉ちゃん」
白頭巾が助けを求めておる。
姉としてなんとかしてやらんと。
読書。
本。
ん。
一人、心当たりがいるの、だ。
◇
三日後。
今日もレンレンの所へ来ていて。
ちゃんリョナさんの所に白頭巾を送り出して二日がたった。
外は小雨が降っていて。
「あいにくの雨模様だが、そろそろ帰ってくる頃なの、だ」
その時ドアは開き。
「それは違うよ。お姉ちゃん」
噂をすればと、それは白頭巾であった。
「お、帰ってきたか。というかなにが違うの、だ」
「今はすでに雨が降ってるから、雨模様とは言わない。雨模様とは雨が降りそうな時にいう言葉だよ」
な、なんだ、急にこいつ。
今思えば眼鏡をしてるのだ。
「お前、目は良かったのだ。なんで眼鏡をしてるの、だ」
「うん、両目とも2.0だよ。だからって眼鏡をしては駄目という決まりはないよね?」
「いや、そうだけど・・・・・・」
何か分からんがちゃんリョナさんの所に行って、白頭巾の奴こじらせてきたぞ。
「ど、読書感想文は書けたの、か? なんの本を読んだのだ?」
とりあえずなるべく触れないようにするの、だ。
「お姉ちゃんの所には本がいっぱいだった。その中で私が選んだのは、ローレンスのスタローンシャボン。読むまでに10回は気を失ったとても難解な書だったよ」
「スタローンシャボンですか。それまた凄い面倒な本を選びましたねぇ。難解すぎて翻訳不可能と言われた本ですね」
「ほう、そんな本があるのか。私には少し敷居が高そうなのだ」
私は普通に言ったつもりだったのだが。
「それは違うよ。お姉ちゃん」
また、物言いが入った。
「敷居が高いというのは、その物事に対してハードルが高いといった意味ではなく、本来相手に不義理を働いて行きにくいといったような意味だよ」
なんだ、こいつ。
「く、白頭巾のくせに斜に構えた態度、私にしては失笑ものなの、だ」
「それは違うよ。お姉ちゃん」
「斜に構えたというのは、ひねくれたような態度ではなく、本来改まった態度、礼儀正しい様をいうんだよ。そして失笑というのは、笑いを堪えきれなかった時に使うのであって、お姉ちゃん笑ってなかったよね? 嘲り笑うとは使い方が違うんだよ」
なんだ、こいつ。
私を見て、にやけてやがる。
「それは違うよ。お姉ちゃん」
「え?」
「にやけるってのは、男が女らしい仕草をすることでにやつくとは別の意味だよ」
こいつ、私の心さえ読んだというのか。
「リョナ子お姉ちゃんの所で習熟し、蓮華お姉ちゃんとの約束を不惜身命七転八起し不言実行、そして初志貫徹、今の私は雲外蒼天。もう今までの私ではない。円お姉ちゃんどころか、蓮華お姉ちゃんさえ越える存在になるはず。円お姉ちゃんには燕雀鴻鵠かもしれないけどね」
な、何を言ってるの、だ。多分最後のは私を馬鹿にしてるの、だ。
「お、お前、いい加減に・・・・・・」
「まぁ、まぁ、白頭巾がやる気になってくれればそれは大変喜ばしい事です。これからもこの調子で精進してくださいね」
レンレンは満足そうではあったが。
「ふ、蓮華お姉ちゃんって慇懃無礼だよね」
「な、なんですってぇー。私にはその意味わかりますよっ!」
そうでもなかったの、だ。
「う~ん、あれ、何だか、頭がクラクラする・・・・・・」
急に白頭巾がふらついた。
「お、なんだ、珍しく勉強しすぎて知恵熱でもでたの、か?」
「そ、それは違うよ、お姉ちゃん。知恵熱というのは、本来そういう使い方じゃなくて赤子が熱出したと・・・・・・」
この言葉半ばで白頭巾は倒れたのだ。
本当に慣れない事をした反動だと思うの、だ。
そのまま白頭巾はここで休ませることにして。
そして次の日の朝。
「う~」
「お、起きたか。具合はどうなの、だ?」
あのまま朝までぐっすりだったの、だ。
「う~ん、頭痛が痛い」
完全に元に戻っていたの、だ。
めでたし、めでたし
自分もかなり誤用してますけどね。