なんかまた色々分岐するみたい(100話記念 読者参加型お遊び回)
リョナ子おなじみデスゲームもどきっぽいやつ。
途中で選択する所があるので、その数字に進んでくださいませ。
他に作中、頭脳最狂チートキャラ選択可能数字・・・〇〇〇の三桁。
作中、武力最強チートキャラ選択可能・・・・・・〇〇の二桁。
僕(私)の名前は〇〇。
最近謎のウイルスが世界的に大流行。
そのため外出自粛。
家にいても暇なので、南の島の格安ツアーに申し込むことに。
〇〇は知らなかった。
それがそもそもの間違いだった事に。
〇〇は知るよしもない。
この後、理不尽なデスゲームに巻き込まれてしまう事に。
私(僕、俺、あたい)が目を覚ましたら狭い室内だった。
確か、島についてホテルまでの送迎バスに乗ったはず。
それ以降記憶がない。
机に突っ伏していた身体を起こす。
ここには他にも机があって、俺(私)の他にも数人が座らせていた。
前方には巨大モニター。
気がついたのは私(僕)が最後だったようで。
椅子は地面と固定されており、鎖で足は拘束されている。
「ここは一体・・・・・・」
口にするも束の間。
巨大モニターが光りを帯びる。
[おはようございます。今回は我が社のツアーに参加して頂きありがとうございます。早速ですが、皆様には余興の一環としましてこれからゲームをして頂きます]
え、どういう事? 余興?
「ふざけるなっ!」
誰かが叫んだ。
「そうよ、そんな事するために来たわけじゃないわっ!」
他も同調する。
[別にふざけておりません。これから皆様には96時間、強制的にゲームに参加して頂きます。勿論、報酬はご用意しております。ゲーム時間と同じ9、6億円。これをゲームクリア者全員で山分けして頂きます]
「9、6億っ!?」
「え、嘘でしょ?」
想像を軽く超える賞金に文句を言っていた者達も大人しくなる。
[皆様にはそれぞれ端末を用意しました。これはGPSなどの機能の他に、個別の機能がございます。それを駆使してゲームクリアを目指してください]
机の前に端末があった。
そこにはナンバーが刻まれており。
僕(私、あたい)のナンバーは5。
「最後に第一クリア条件は皆様一人一人異なります。クリア条件の確認は各自端末でご確認ください」
端末に手を伸ばす。
その瞬間、足枷が外れ。
[この部屋のロックも外れました。全員が部屋を出た時点でゲームスタートでございます。それでは皆様の健闘を期待しております]
ざっと周囲を見る。
参加者は自分を含め11人。
若い女の三人組。
若い男の二人組。
老夫婦。
この気温の高い島で黒いコートを羽織る謎の男。
逆にすでに水着の女。
そして、最後。
私(僕、俺)の隣にいたのは・・・・・・。
※ここで、1~4の数字を一つ選んでください。(もしくは隠し数字)
選んだら、その数字の場所へと飛んでくださいませ。
※1を選んだ場合。
残りの参加者は。
国家特級拷問士ドク枝。予想生存率4%
私(僕、俺)の隣にいたのは・・・・・・。
「コホー、コホー」
毒マスクをつけた変な女。
「コホー、コホー、コホー(なんか変な事になったわね。私もね自粛するつもりだったのよ。でも毒マスクしてれば移らないし、移しようがないからここに来たの)」
何を言ってるか分からないけど、この人はヤバそうだ。
この人は無視して外へ出た。
すでに他の参加者は部屋から早々に部屋を出て行っていた。
少し離れてから端末をチェック。
まずマップが表示され。
その横にカテゴリーが。
「ん、これかな、クリア条件」
ナンバー5。クリア条件、48時間以内に参加者全員との遭遇。
これは案外簡単なのかな。
島を適当に回ってればそのうちクリア出来そうな気もする。
そう思い、とりあえず適当に島を歩いてみた。
しかし、予想とは裏腹にマップを見る限り島の面積は広い。
こんな事なら部屋にいた時点で確認していれば良かったと後悔する。
歩きながら端末をさらに弄る。
マップ、クリア条件の欄とは別にもう一つ。
「端末特殊機能・・・・・・」
押してみると、そこには機能の説明が標されていた。
端末特殊機能、ナンバー5。指定したナンバーの端末の位置を知る事ができる。ただし24時間に一度だけ使用可能。
ほう、そんな機能があるのか。
これはクリア条件が参加者全員との遭遇という自分には便利かもしれない。
96時間、ということは四回使用可能という事。
最低でも4人との遭遇はできる。
残り6人とは自力で会うしかないのか。
まぁ、ギリギリまで自分の足で探してみよう。
「そういえばあの毒マスクの人・・・・・・」
一番最後に出たっぽいのでまだ最初の小屋付近にいるかもしれない。
そう思い、僕(私、俺)は来た道を引き返した。
足場は悪い。
気温も高い。
そういえば水も食料もない。
これで96時間持つのか。
ここでふいにどんどん不安が募ってくる。
夜になったらどうするのだろう。
まさか野宿なんて事は。
いや、多分何かのアナウンスがあって一旦ゲームは中断するはず。
そんな楽観的な考えもすぐに吹き飛ぶ事になる。
最初の小屋付近に戻った私(僕、俺)は見てしまう。
「えっ?」
大きな木の根元で。
休んでいるように凭れる女の姿。
「ガ、ガスマスクの人っ!」
一目で分かった。
なんせ、ガスマスクをしているから。
「うっ」
近くにきてその凄惨さを目の当たりにする。
腹は大きく裂かれ、臓物が外へと流れでていた。
明らかに死んでいる。
「こ、これは余興の一環、か?」
今だに信じられない。
目の前の死体に。
考えが纏まる前に。
その声が届いた。
「また一人戻ってきた。はい、さよなら」
喉が熱く。
「え、あ」
血が勢いよく身体から排出されていく。
薄れる視界の中。
最後の力を振り絞り振り返る。
「あ、あ・・・・・・」
そこには。
参加者の一人が。
デッドエンド。ここに辿りついた貴方は落とし物に注意。
※2を選んだ場合。
残りの参加者は・・・・・・。
深緑深層のマーダーマーダー、蓮華。予想生存率100%。
「これは厄介な事態になっちゃいましたねぇ~。あ、私は蓮華と申します」
隣でそう軽やかに話す女性。
エメラルドグリーンの長い髪。目は大きく、物腰も柔らか。
「さて、皆さん動かないでくださ~い」
早速外に出ようとしていた参加者を制止する。
「はぁ、何、あんた、なんでそんな事き・・・・・・」
一人の女が食ってかかる。
それを彼女は微笑みながら。
「うぎゃああああああああああああああああ」
足に向かって銃をぶっ放した。
「え、え、え、え、え、え」
足の甲に穴を開けられ女は地面を転げ回る。
「貴方でしょうか。多分そうですね、まぁそんな事より・・・・・・」
蓮華さんは自分の端末を頭上に掲げる。
「今から私の言うことに従ってください」
最初に銃を撃った事が効果覿面。
皆、素直に指示に従う。
「すぐに皆さんのクリア条件を教えてください」
僕(私、俺)も慌てて端末を操作。
「ふむふむ、なるほど」
全員のクリア条件を見て蓮華さんはうんうん頷く。
「現時点での皆さんのクリア条件は容易です。このまま外にでて一人ずつクリアしていきましょう」
あぁ、そうか、モニターの声は、この部屋から出た時点でスタートと言っていた。
つまり、今はまだ何をしようがゲームとは関係ない。
蓮華さんは元からついていた鎖を使って参加者の自由を奪い、外へと出した。
私(僕、俺)のクリア条件は参加者全員との遭遇だったのでこの時点でクリア。
蓮華さんは他の参加者の条件もクリアしていく。
途中どこかへと消えたが、数時間後戻ってきた。
「これで全員のクリア条件は達成しました」
ここで蓮華さんは木の上を見上げた。
「残念でしたねぇ。誰一人死にませんでした。格安ツアーを謳ってこうして参加者を募ってゲームを楽しんでいたんでしょうが」
誰に言っているのか、蓮華さんは木を見据えたまま。
「今度は貴方達がゲームに参加してください」
微笑んで。
「私から逃げるゲームです」
生存エンド。これに辿り着いた貴方は、謎のウイルスに掛かりにくくなります。
※3を選んだ場合。
残りの参加者は・・・・・・。
国家特級拷問士リョナ子。生存率50%
「はぁ、なんでこんな事に・・・・・・」
癖毛の白髪、眼鏡をかけている女。
「あぁ、こんにちは、僕はリョナ子って言います。家で寝てたんだけど気付いたらここにいたんだよ、一体どういう事だろうね」
本当、どう言うことだろう。
「とりあえず、僕らも出ようか。他のみんなはとっくに出て行ったみたいだ」
周りには僕達以外いなくなっていた。
外に出た僕(私、俺)はとりあえず端末をチェックする事に。
まずマップが表示され。
その横にカテゴリーが。
「ん、これかな、クリア条件」
ナンバー5。クリア条件、48時間以内に参加者全員との遭遇。
これは案外簡単なのかな。
隣にリョナ子さんがいるからか、カウントが10分の1と表示されている。
「リョナ子さんのクリア条件はなんでした?」
「んっと、僕のは48時間全員の生存、らしい」
生存、そんなの普通じゃないのか、その条件はまるで・・・・・・。
歩きながら俺(私、僕)達は端末をさらに弄る。
マップ、クリア条件の欄とは別にもう一つ。
「端末特殊機能・・・・・・」
押してみると、そこには機能の説明が標されていた。
端末特殊機能、ナンバー5。指定したナンバーの端末の位置を知る事ができる。ただし24時間に一度だけ使用可能。
ほう、そんな機能があるのか。
これはクリア条件は参加者全員との遭遇という自分には便利かもしれない。
96時間、ということは四回使用可能という事。
最低でも4人との遭遇はできる。
リョナ子さんを除く残り5人とは自力で会うしかないのか。
「リョナ子さんの特殊機能は?」
「・・・・・・他の端末の機能をコピー出来る、らしい」
お、結構いい機能かも。
でも、他の参加者の端末機能が分からないと何とも言えないか。
「さて、どうしましょう。僕(私、俺)はこのまま参加者を探せばいいですけど・・・・・・」
一、このままリョナ子さんと行動を共にする。
二、もうリョナ子さんは人数にカウントされたので一人で他の参加者を探す。
一を選んでリョナ子と行動を共にした場合。
「良かったらこのまま一緒に行動しましょう」
「そうだね。僕のクリア条件は特に移動は必要ないけど折角だ、君と同行しようとしようかな。参加者を探すなら目は多い方がいいでしょ」
こうして私(僕、俺)はリョナ子さんと行動と共にすることに。
どれだけ歩いただろう。
深い森の中、足場も悪く、気温も高いので水分が奪われていく。
「はぁ、はぁ、ちょっと待って」
リョナ子さんは運動が苦手なのかとても遅い。
これなら俺(私、僕)一人の方が効率良かったかも。
そんな事を思った矢先。
漸く最初の遭遇者に出会った。
「あれ・・・・・・」
あれは確か女子三人組。
でも、一人浮かんでるような。
近づいてみる。
「ああああああ」
女の人の一人は浮かんでいたのではない。
木の蔓が首に巻き付けられ枝に吊されていたのだ。
「あ、な、ど、どういう」
流石に動揺は隠せない。
吊されていた女性の他の二人も。
「・・・・・・死んでる。鋭利な刃物で一撃だ。多分、二人はすぐに殺したんだろう、で、最後の一人は傷がとても多い、楽しんでじっくり殺したね」
「な・・・・・・」
顔が滅茶苦茶に切り刻まれている。
こんな場面を目の当たりにしてるというのに、リョナ子さんは至って冷静だ。
「これで只の余興じゃないって事が分かったね。これで僕のクリアは不可能になった」
あ、そうだ、リョナ子さんのクリア条件は48時間参加者全員の生存。
「少なくとも一人は殺す事も厭わない危険人物が混ざってるって事だよ」
これは僕(私、俺)のクリア条件も一気に難易度が上がった事になる。
「僕はこれから君を全力でサポートする事にするよ」
足が竦んでいた私(僕、俺)に力強い声がかかる。
「実は僕には危険人物と一般人の区別がなんとなく分かる。まずは君の端末で一人ずつ接触を試みてみよう」
この人、一体何者なんだろう、と今更ながらに思う。
惨殺死体を見ても一切臆さず。
自分がもうクリア出来ないと知ってなお他者に協力しようとする。
「この三人の端末はあるかな? もしあるなら僕の機能でコピーできるかもしれない」
「あっ」
そうだ、これで有利な機能が備わっていれば。
とはいえ死体を漁るのには躊躇した。
そんな俺(僕、私)の代わりにリョナ子さんが探ってくれた。
「・・・・・・無いね。襲撃者が奪っていったか。それともそれが襲撃者のクリア条件なのかも」
淡い期待は一瞬で消え失せる。
それでもまだ救いだったのは。
「死体でも遭遇数にカウントされてます」
その一点。
「なら、君は充分クリアできる可能性が残っている。僕も頑張るからなんとかやってみよう」
この状況でも僕を励ます。
なんて精神力だ。
その後、俺(私、僕)の端末機能を使って参加者を探す。
運が良かったのは、最初に遭遇したのが若い男の二人組でカウントが2つ増えたこと。
そして、私(僕、俺)の端末機能をコピーしたリョナ子さんの端末で次の参加者を探せた事。それがまた老夫婦でまたも二つカウントされた事。
実は、このどちらにも正確には遭遇していない、限りなく近づいただけ。
若い男達はどちらも木の棒を持っていた。
老夫婦の方は眠っていたため。
距離が設定されているのか、それでもカウントはされた。
「これで残りは二人」
「端末機能が復活したらすぐに行動しよう。多分そのどちらかが危険人物」
クリア条件に時間制限はない。でも早々に行動しなければならない理由もある。
「位置の特定は人物ではなく端末の方だと思う。なら他の参加者が殺された場合は探すのが困難になる」
確かに死体になってしまうと歩いて探すしか無い。
25時間経過。
「残りのナンバーは、4と9。まずは4から行こう」
マップに表示される4の端末の場所。
慎重に近づいていく。
そこには水着の女性。
「・・・・・・あいつ、だ。カウントは?」
「されましたっ」
「そうか、急いでここから離れるよ」
そして、今度は9。
「いました。黒いコートの男」
「・・・・・・カウントは?」
「・・・・・・されました。あっ」
10の表示と共に。
「クリア条件達成ですっ」
「・・・・・・良かった。後は残り二日ほど生き残るだけだね」
できるだけ身を隠せる場所でじっとしていれば。
48時間経過。
なるべく動かずにいた隠れていた僕らの端末が。
光った。
「48時間経過しました。ここでまだクリア条件を達成してない場合、クリア条件は変更になります」
「えっ」
あ、まだクリア条件を満たしてない場合か。
ん、てことは、リョナ子の不可能だった条件も。
「リョナ子さんっ、どんな条件になりました?」
「・・・・・・ん。どっちにしてもこれは無理そうだね」
「え、いや、でもここから二人で頑張れば・・・・・・」
「それはちょっと無理そうだね」
これ以上は、リョナ子さんにクリア条件を聞いても絶対言う事はなかった。
最終日。
「端末の機能かな。僕達の場所がバレたみたい」
もう疲れ果てて横たわっていた僕(私、俺)達。
ここでリョナ子さんが立ち上げる。
「・・・・・・どこ、へ」
所々にチェックポイントがあった。
そこに少量の食料や水が備わっていた。
いくつかは空で、いくつかは残っていた。
多分、このチェックポイントもクリア条件の一つかもしれない。
「最後の力を振り絞って襲撃者をここには近寄らせない。大丈夫、僕は力はないけど、ああいう輩には強いんだ」
身体が言う事をきかない。
うまく立ち上がれない。
リョナ子さんはこうなる事を想定して力を残していたのか。
じょじょに小さくなるリョナ子さんの背を見ながら。
私(僕、俺)の意識は遠のいていく。
気付いたら見知った駅のベンチに座っていた。
隣のは大きなバックが置いてあって。
中身を見た俺(私、僕)は驚愕する。
それは一連の出来事が夢ではない証拠。
一体、リョナ子さんはどうなってしまったのか。
僕(私、俺)はそれだけが気がかりだった。
生存ルート。ここに辿り着いた貴方は、その内いい人に巡り会えるでしょう。
二を選んだ場合。
リョナ子とは別行動を取る。
「あ、ここからは一人で探してみますね」
「そうか、僕のクリア条件が少々気になるし、充分気をつけてね」
こうして、僕は森を彷徨う事に。
98時間もあるし、その内全員と会えるだろう。
正直楽観していた。
そう、あれを見るまでは。
「え・・・・・・」
あれは確か女子三人組。
でも、一人浮かんでるような。
近づいてみる。
「あわああああ」
女の人の一人は浮かんでいたのではない。
木の蔓が首に巻き付けられ枝に吊されていたのだ。
「あ、な、ど、どういう」
流石に動揺は隠せない。
他の二人も血だらけで横たわっていた。
特に酷いのは吊されている女性。
胸に腹にかけて縦引き裂かれ、臓物が地面に伸びる。
顔は滅多切りにされており元の顔が分からない。
「あああ、あああああ」
とにかくその場から離れた。
我武者羅に走る。
途中、木の枝に引っかかり派手に転んだ。
「ああがああああああああああああ」
完全に足を捻った。
立ち上がろうにも力が入らない。
必死に這いずり回る。
惨殺死体を見て気が動転していた。
「あ、だ、誰かに助けを・・・・・・」
こんな事ならリョナ子さんの番号を聞いておけば良かった。
スマホは最初からない。
今、頼れるのはこの端末だけ。
「だ、誰か、近くに・・・・・・」
適当にナンバーをいれて近くだったら声が届くかも。
4の番号を入力。
すぐにその端末の位置がマップに表示される。
「あ・・・・・・れ」
その光は自分の位置と重なっていた。
これはどういう・・・・・・。
俯せ状態だった自分の前に影がかかる。
ゆっくり振り返るも・・・・・・。
デッドエンド。これに到達した方は、自転車に気をつけましょう。
※4を選んだ方。
残りの参加者は・・・・・・。
最年少レベルブレイカー、レッドドット白雪。予想生存確率3%
「なに? お兄ちゃん(お姉ちゃん)」
隣には小さな少女が。
白いレインコートを着ている。
「よくわからないけど行くね」
少女はさっさと出て行ってしまった。
不思議な子だなと思いながらも後を追うように自分も外へ出る。
すでに少女の姿は無く。
私(僕、俺)はとりあえず歩きながら端末をチェックしてみる。
まずマップが表示され。
その横にカテゴリーが。
「ん、これかな、クリア条件」
ナンバー5。クリア条件、48時間以内に参加者全員との遭遇。
これは案外簡単なのかな。
島を適当に回ってればそのうちクリア出来そうな気もする。
そう思い、とりあえず適当に島を歩いてみた。
しかし、予想とは裏腹にマップを見る限り島の面積は広い。
こんな事なら部屋にいた時点で確認していれば良かったと後悔する。
歩きながら端末をさらに弄る。
マップ、クリア条件の欄とは別にもう一つ。
「端末特殊機能・・・・・・」
押してみると、そこには機能の説明が標されていた。
端末特殊機能、ナンバー5。指定したナンバーの端末の位置を知る事ができる。ただし24時間に一度だけ使用可能。
ほう、そんな機能があるのか。
これはクリア条件は参加者全員との遭遇という自分には便利かもしれない。
96時間、ということは四回使用可能という事。
最低でも4人との遭遇はできる。
残り6人とは自力で会うしかないのか。
まぁ、ギリギリまで自分の足で探してみよう
それにしても足場が悪い。
僕(私、俺)は杖代わりに手頃な木の枝を持つことに。
しばらく歩いていると。
森の雰囲気が少し変わった気がした。
なんだろう、嫌な予感がする。
恐る恐る生い茂る木々を押し分けながら進むと。
「ん、あれは」
この緑の中で白い姿はとても目立つ。
確か、隣にいた小さな白いレインコートの少女。
後ろ姿で立っている。
「お~い」
何気なく声をかけた。
振り向いた少女を見て心臓が飛び出しそうになった。
白いレインコートが所々赤い点を造っている。
手には血塗られたナイフ。
少女の前に倒れている人影。
水着の女性。
胸を一突きされ横たわっている。
「あ、あれ、え?」
状況が理解できない。
あの赤い点は血?
「そんなの持って、お姉ちゃん(お兄ちゃん)も殺る気?」
いやいや、と声を出そうにもうまく出ない。
そして手にしっかり握った木の枝も離れない。
無意識に目の前の少女に向かって構えていた。
これは脅威に対処するための無意識の防衛本能。
「やっぱりそうなんだね。じゃあ、しょうがないよね」
少女が近づいてくる。
「ち、違う、僕(私、俺)のク、クリア条件は、参加全員との遭遇っ、君と争う理由は・・・・・・」
「条件? ごめん、私そんなの見てないから」
少女の足は止まらない。
最後の最後。
ナイフを振るまでは。
デッドエンド。これに辿り着いた方は、今月無駄な買い物に注意。
※427を選んだ葵好きの方。
残り参加者は・・・・・・。
最悪の殺人鬼、ドールコレクター葵。生存確率0%。
「こんにちは、葵だよ」
「あ、どうもです」
なんとも可愛らしい人形のような少女。
バカンスには似つかない眼帯ゴスロリ姿。
「なんか、端末ごとにクリア条件と特殊機能があるみたいだよぉ。貴方のはどんなのかな?」
「あ、えっと」
言われるがまま端末をチェック。
電源を入れるとまずマップが表示され。
その横にカテゴリーが。
「ん、これかな、クリア条件」
ナンバー5。クリア条件、48時間以内に参加者全員との遭遇。
これは案外簡単なのかも。
外に出て島を適当に回ってればそのうちクリア出来そうな気もする。
マップ、クリア条件の欄とは別にもう一つ。
「端末特殊機能・・・・・・」
押してみると、そこには機能の説明が標されていた。
端末特殊機能、ナンバー5。指定したナンバーの端末の位置を知る事ができる。ただし24時間に一度だけ使用可能。
ほう、そんな機能があるのか。
これはクリア条件が参加者全員との遭遇という自分には便利かもしれない。
96時間、ということは四回使用可能という事。
最低でも4人との遭遇はできる。
残り5人とは自力で会うしかないのか。
まぁ、ギリギリまで自分の足で探してみよう
「なるほど、なるほど、君のは案外簡単そうだね」
「えっと、君のは?」
「私のクリア条件は48時間全員生存が条件みたい。そっちより難しそうだね」
え、そうかな。むしろ何もしなくていいから一番楽そうだけど。
「さっそくだけど、私と一緒に行動しないかなぁ」
少女の提案、人を探す条件の自分には人数は多い方がいいので断る理由もない。
「じゃあそうしようか」
「うふふ、よろしくねぇ」
こうして僕(私、俺)達は行動を共にする事に。
外にでてすぐに葵さんは私(僕、俺)に言葉をかけた。
「いきなりだけど、君の端末の機能使わせてもらえないかな?」
「え、いいですけど」
俺(僕、私)の端末機能は指示した番号の端末位置が分かるというもの。
自分も探すのに使うつもりだったので普通に了承した。
「番号はどうするの?」
「んと、四番を選択してもらえるかな」
「四番と・・・・・・」
「多分近くにいると思う。運営側としては先導者を用意してると思うし、この場合真っ先に端末を隠したあの人が怪しいと思うの」
先導者? 真っ先に端末を隠した? どういう事だ。
「出たよ。あ、本当だ、近くにいるね」
「うふふ、やっぱりね。まずはこの人を行動不能にしないと私のクリア条件が達成されなくなっちゃう」
さっきからこの子はよく分からない事をいうなぁ。
端末のマップを頼りに近づいていく。
「どうも、どうも~」
いたのは水着の女性。
「あ、こんにちは~」
お互いにこやかに挨拶。
「どうもいまいち理解してないから一緒に行動しないかな?」
「あ、そうですね、いきなりあんな事言われてもですよね~」
「うんうん、そうだねぇ~」
葵さんは無防備に水着の女性に近づいていく。
そして、ある間合いに入った瞬間。
僕(私、俺)は目を疑った。
目の前の少女が一瞬真っ黒い闇に覆われた。
それはそれはもう晴天の青空が一気に暗転するような。
「はがあああああああああああああああああああああああああああ」
露わになっていた白い太股から鮮血が流れる。
「貴様、貴様ぁ、なにしやがんだぁあああああああああああああああああああああ」
再び目を疑う。
先ほどまで穏やかな雰囲気だった水着の女性の気性が急変した。
「うふふ、やっぱり貴方だ。大丈夫、今は殺さないから大人しくしててね」
理解できないまま、僕(俺、私)は葵さんの指示通りに水着の女性を拘束していく。
「さて、これで一先ずは安心かな。後は、この子の端末の機能をコピーして・・・・・・」
葵さんが色々やり出した。
「うん、思った通り。先導者ならこれ位の特殊機能はないとねぇ」
その後、私(俺、僕)と葵さんはチェックポイントを巡って備わっていた水や食料を回収していった。
24時間たって端末の機能で老夫婦の位置を特定。
「はい、お水と食料だよぉ」
「あ、ありがとうっ」
なんて優しい子なんだ。
最初の行動こそ驚いたけど本来見た目通り。
体力的に衰えている老夫婦を一番に心配して代わりに食料や水を提供する。
葵さんは全員のナンバーを最初に把握していたみたい。隠した参加者は一人で消去方で割り出したのか。
「次は女性三人組かな、時間になったら食料と水を持っていってあげよう」
「うん、そうだね」
俺(私、僕)的にも葵さんと行動を共にすればクリア条件は満たせるはず。
こうして何もかも順調のように思えた。
48時間が過ぎるまでは。
端末が突然光を放つ。
「あれ・・・・・・」
端末の表示。
そこには。
48時間が過ぎました。クリア条件が変更になります。
との文字。
「えっ」
急いで確認。
当初参加者全員に遭遇だった条件は。
参加者全員の端末の収集、に変更されていた。
「変更されてるっ。葵さんは?」
僕(私、俺)が変わっているって事は当然葵さんも。
「別に驚く事じゃないよぉ。最初にモニターでも言ってたよ、第一クリア条件って。てことはどこかで第二が加わるか変更になるのは予想できてた」
「えっ、そんな事言ってたかな」
「私の条件はそんなに変わってないね。全員生存から参加者の八割が無傷で生存になっただけ」
良かった。葵さんは最初の参加者こそ危害を加えたけど他はまだ元気なはず。
「とりあえず当初の予定通り、今度は男性二人組に水と食料を届けようか」
「うん」
「あぁ、その前に・・・・・・」
その声が耳に届いた前か後か。
「ん?」
俺(私、僕)の胸に深々とナイフが突き刺さる。
「変更になってとても条件が簡単になったよぉ」
自然と身体が傾いていく。
「さっきのは嘘。本当のクリア条件は参加者全員の死亡だって」
完全に地に伏せる。
「よ~し、まずは男二人組、その後女子三人、いや老夫婦かな~」
視界は夜空。
月は大きく。
その顔の微笑みは。
とても綺麗に見えた。
デッドエンド。ここに辿り着いた貴方は今月何もかも上手くいきます。
※15を選んだ蛇苺好きの方。生存率???%
残り参加者は・・・・・・。
作中最強、殺し屋蛇苺。
なんか隣は変な兎の仮面をかぶった多分女性。
「よく分からないけど面倒くさいから帰ろうかな」
「え?」
そういい彼女は外へ出て行った。
「いやいや、ゲームに参加しないんですかっ!?」
追いかける。
と思ったらすでにすごい遠くまで行ってる。
「早っ」
もう豆粒くらいになってる。
あ、いや、止まった。
前になんか水着の女性が立ち塞がったっぽい。
あ、そう思ったら、水着女がすごい吹っ飛んだ。
なんだったんだ。
なんだかとても気になって後を必死に追いかける。
崖にきた。
兎のお面をかぶった女性はそこから躊躇なく飛び込む。
「ええええええええ」
ここは浅瀬でもサメがうようよいるって場所だよ。
それに対岸まで何キロあることやら。
あ、でも、どんどん小さくなっていく。
ついには地平線の彼方へ消えた。
ここで端末をチェック。
クリア条件、参加者全員との遭遇。
良かった。カウントされてた。
その後、他の参加者と協力してなんとかゲームはクリアできました。
賞金はクリアしたみんなで山分けしたよ。
生存ルート。これに辿り着いた貴方は金運最強です。
生存されたでしょうか。これが100話目です。ここまで続けてくれたのも読んでくださる皆様のおかげでございます。いつも本当にありがとうございます。