白に滲む赤は死神の恋
ただの一目惚れだ。冬の日の潔癖な冷気のような純粋で、汚れのない恋――だけど、俺が、彼女に一目惚れをしてしまったのは、十二月の廃ビルの屋上だ。
おかしな話だろ。一目惚れの純愛に廃ビルの屋上は必要ない。冬の日の潔癖すら必要ないのだ。
だが、彼女の正体が<死神>であるのなら、廃ビルの屋上は、最高の恋が始まる場所でもある。
おかしな話だろ。一目惚れの純愛に廃ビルの屋上は必要ない。冬の日の潔癖すら必要ないのだ。
だが、彼女の正体が<死神>であるのなら、廃ビルの屋上は、最高の恋が始まる場所でもある。