【冬純祭参加作品2】「刹那の劫」/「耐へる」 (共に一部改稿あり)
主催者に確認したところ、先の【冬純祭参加作品】は一作とカウントして、二作目が大丈夫との事でしたので投稿とあいなりました。
これで、僕が今のところ主流としているスタイル四種類は全て紹介できたかなと思っています。
それでは、また。
「刹那の劫」
朝露の輝く
翠陰に 憩う
わたし
微風の薫る
草原に 萌ゆる
この時
瞳にうつる
景色は
今
蒸発のない
刹那は
劫
「耐へる」
耐へる。
のしかかる闇に、
飛騨に、野むぎに、
紡がれるせいしのよに
耐へる。
耐へる。
のしかかる体に、
日々に、三食に、
みちみちる生娘の血に
耐へる。
耐へる。
のしかかる青に、
乳房に、野うみに、
紡がれえぬ産ぶごえに
耐へる。
耐へる。
のしかかる藁葺に
日の目に、団欒に、
けして響かぬなまえに
耐へる。
「耐へる」は「あゝ野麦峠」を参考としています。
なお、「野麦峠」は作中にて「野うみ峠」との別称があります。