我は来世で恨みを晴らす!!
私はライザイド・ケーニッタ・タジマイドリル。
1300年の歴史を持つ、名家タジマイドリル家の正統な継承者だ。
いや、それは昨日までの事。
タジマイドリル家は、新興の政敵、ハヤマイドリル家との国内政治に負け、汚職の濡れ衣を着せられた。
そんな私は今、絞首刑になり、縛られている。
私はその首謀者を睨みながら叫ぶ。
「おのれ、デーンドワンド・ソイル・ハヤマイドリル。我に濡れ衣を。謂れなき冤罪を我が家に。没落した貴様ら一族を救った恩を仇で返しおって。許さぬ、デーンドワンド・ソイル・ハヤマイドリル!!」
目の前のおじゃるな男は扇子を口に当て、こう答えた。
「おお、怖い、怖い。首が取れても同じ事を言えば、考えなくもないでおじゃるよ、ライザイド・ケーニッタ・タジマイドリル。これで目の上のタンコブが取れて清々するでおじゃる。おまけに妾達の罪も身代わりとなり、流してくれるとは。涙が出るほど感謝するでおじゃるよ、ライザイド・ケーニッタ・タジマイドリル」
私は血の涙を流して叫んだ。
「この顔、この声忘れるな。いや忘れさせぬ。来世でこの恨み晴らそうぞ。我が名を忘れるな。デーンドワンド・ソイル・ハヤマイドリル。我はライザイド・ケーニッタ・タジマイドリル。忘れるな、ライザイド・ケーニッタ・タジマイドリルぞ!!」
絞首台の刃物が落ちた。
しかし、いたずら好きの神様はライザイド・ケーニッタ・タジマイドリルの願いを聞き届けられた。
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「葉山さーん、困るんだよねぇ。こんな仕事、こんな報告じゃさあ。聞いてるぅ?」
田島雷蔵は、葉山が持って来た請求書を丸めて葉山の頭をぽんぽんと叩く。
「た、田島様。そうおっしゃいましても、私はそちらに記載のあります仕様通りに、ハイ」
葉山伝三郎は額に玉の汗をかいて釈明する。
「はぁ?葉山さん、ならウチが悪いって、そっちは仰る訳ね。ん・じゃわかりました。お引き取りを」
田島は嫌味ったらしく、椅子を回転させ、デスクに向かった。
葉山は慌てて言い直す。
「いえいえ、申し訳ありません。こちらの落ち度です。ハイ。早速、作り直しを」
田島の椅子がまた戻って回って来た。
「なら、スグやってねぇ、は・や・ま・さ〜ん。納期は明日ね。遅れたら受け取らないから。ま、間に合わなかったら、結局ウチとの最後の仕事ぉ。それじゃ!!ヨロシクゥ〜」
夏の暑い日の出来事。
この葉山は後日、ビルの屋上に立つ事になる。
「田島。この恨み忘れないぞ・・・」
2人はこうやって相見え、ライザイド・ケーニッタ・タジマイドリルの悲願は達成された。
逆もあるよねって思って書きました。
現世の方がえげつないと思います。
なお、本気でこれやったら、下請法とかに引っかかるかもしれないので、真似しないでね。




