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悪役令嬢だけれど何か文句ある?  作者: 一九三
やっとたどり着いた本編~高等部~
54/76

特技暗躍。一国取るぐらいなら余裕

 「あ、おひさー。どこ行ってたのあんた」

 「あらエリオン。あなたにもわからないことがあるのね」

 「やー、あんたの行動の痕跡、ウィルが消してるからわかんなくてさあ。あんたの家のやつらも口固いし」

 「…そういえば、一応秘密でって言ったわね。エリオンには別にバレてもよかったのに、そこまで厳重にしてくれちゃったのね…」

 「つーか、あれは面白半分のノリだと思う。叱っていいよ」

 「まあどうして?面白いじゃない」

 「そうでした、あんたってそういう人でした」

 「あなたもでしょう?」

 「否定はしない。んで、どこ行ってたの?」

 「ああ、そうそう。それでお土産があるのよ。後であげるわね」

 「へー、なになに?産地直輸送の特産物とか?」

 「自転車よ」

 「………ぱーどぅん?」

 「だから、自転車よ。乗れる?」

 「いや、乗れないし乗ろうと思ったこともないけど…本気でどこ行ったの?」

 「ちょっと飛行機製作に行ってきただけよ。うちの領地でやったから、そこまで遠出したわけでもないわ」

 「………ボクちょっとわかんない。おねーさんの言ってることがわかんないよ」

 「なら、簡単に言うとね」

 「うん」

 「飛行機作るのよ」

 「簡単すぎてわかんない…」

 「気球は成功したわ。自転車で飛ばすのは試作の段階。でも、あとは地獄の試行錯誤でなんとかなるから帰ってきたの。で、お土産は自転車ね。どこかおかしなところがある?」

 「うーん、おかしなところしかないけど、まあ置いといて、―――あんた飛行機、作れるの?」

 「作れるわ」

 「……そのこと、誰に話した?」

 「ヴィオラと、レイヴァンとジオルクね。クラスメイトの数名も聞いてたわ。後はウィルや職人たち協力者ぐらいよ」

 「もっかい訊くけど、マジ?」

 「マジよ。すでに気球での飛行は成功してるわ。―――いつでも他国の頭上から爆弾落とせるわ」

 「………無理承知で言うけど、あんたやっぱ俺と結婚する気ない?」

 「わかってると思うけど、ないわ」

 「あー…くっそ、あの馬鹿兄貴、なんでこいつ捨てたんだよ…。あんた、絶対他国行くなよ。他国案却下。不可決。認めない」

 「今のところ、その気はなくなってるわよ。今は自由に生きたいの。フリーダムよ」

 「フリーダムすぎだよ、あんた。飛行機作りたいなら軍事機密でこっそり作れよ。いや、そんな火種になるもん一般化させるな。つーかそんな技術、いつ仕入れたんだよ」

 「企業秘密よ」

 「……あんた、兄さんのことどう思ってる?」

 「報復対象って思ってるわね。一度ギャフンと言わせてやるわ」

 「じゃ、この国のことは?あんたのお兄さんもいるよ?」

 「坊主にけりゃ袈裟まで憎い、って言葉知ってる?」

 「オーケー、兄さん追い出して王権取るから、兄さん一人の犠牲で許して」

 「まあ嫌だ、そんな私がクーデターでも考えてるみたいな言い方はやめて頂戴」

 「…あんたの場合冗談じゃすまねえから言ってんだよ。マジでやめて」

 「冗談じゃなく、国の一つ二つ乗っ取れるあなたに言われたくないわ」

 「そりゃあんたもでしょーが。冗談抜きでクーデター起こされたら死にそうだからこうやって交渉してんだっつーの。今までは兄さんっていうストッパーがいたからよかったけど、あの馬鹿兄貴、ホント余計なことしかしねえ…」

 「それに関しては同感だけれど、そう言うものでもないわよ。あれでも可愛いとこあるんだから」

 「へー?」

 「一度でも私が婚約者にした男よ?駄目なだけの男なわけがないでしょう。……心配しなくても、国盗りなんてしないわよ。婚約解消なんて言われなければ、あんな子に引っかからなければ、結婚するのも良いかと思ってたんだもの。ちゃんと、好きだもの」

 「………」

 「意外?完全な打算だと思ってた?…将来おじいちゃんおばあちゃんになっても、ぽけぽけなあの子を叱って、厳しすぎるって諌められて、そんな関係になりたかったわよ。夫といえばレイヴァン以外浮かばないぐらい、好きよ」

 「……つくづく、あの馬鹿兄貴は馬鹿だと思うよ。あんた捨てるなんて、馬鹿すぎる」

 「あら、ありがとう。だから、自由に振る舞ってはいるしレイヴァンにはギャフンと言わせるつもりだけれど、心配はいらないわ。一度は愛した男の国だもの、奪ったりなんか、しないわ。大事な人もいるし、勿論あなたが泰平を望んでるのもわかってるし、この国に牙を向けたりしないわ」

 「………どーも」

 「疑うのはやめて頂戴。本当よ。好きって言っても家族愛だし、どろどろの恋慕じゃないわ。気分は親元を離れる子供を見る父親の気持ちね。厳しく、二度とうちの敷居をまたぐな、なんて言うけれど、母親に様子見を頼んじゃったりする感じの」

 「あー、そういやウェーバーのに守り任せてたなあ」

 「親ってそういうものだもの。我が子は可愛いわ」

 「じゃあその妻と結婚する気は?」

 「いつ離婚したの?」

 「してただろ」

 「してたわね。じゃあ再婚済みじゃない」

 「再婚してたのか」

 「してたわ。で、話を戻すわよ」

 「自転車の話だっけ?」

 「ええ。今度乗りなさいよ。それで転びなさいよ。高笑いして見てるから」

 「うげー…。このおねーちゃん性格わるーい…」

 「ちなみにウィルは初見で普通に乗れたわ。つまらなかったから、八つ当たりでお菓子抜きにしたわ」

 「ざまぁ」

 「そしてそのお菓子がここに」

 「……これ何?」

 「シュークリーム」

 「しゅーくりーむ?」

 「食べればわかるわ。で、さっきから殺気を飛ばしてくるウィルも押し付けるわね」

 「え!?殺気とか感じられちゃうの!?」

 「じゃれ合いで殺しにくるんだもの。なんか、総毛立つような、高所から下を見下ろすときのぞくっと感を感じると思ったら、大抵ウィルが睨んでるのよ。最近は首筋がちりちりするから、大体の方向がわかるようになってきたわ」

 「あんた本当何目指してんの?ていうかウィルは雇い主に何やっちゃってんの?」

 「一日一回はじゃれあうわね。おかげでめきめき上達して、防げるからって本気で刺し殺しに来るのよ?追撃がないからいいけれど、あったら本気で死んでるわ」

 「初撃を防げるあんたが怖い」

 「まあそれは置いておいて、はい、シュークリームよ」

 「わあ、これ受け取ったら俺死んじゃう!」

 「一人分しかないし、あまーいお菓子だから、あなたたち二人で半分ことか出来ないでしょ」

 「出来ませんねー。あいつと半分ことか言ったら、力づくで全部奪われる。はっきりこれがお前のでこれが俺のって言わないと、本気で無理やり取られる」

 「あら怖い。それはぞっとするわね」

 「や、殴られるとかじゃなくて…、すげー目で睨まれて持ってるの奪われるぐらいだから…」

 「…ご苦労様」

 「うん…。あいつマジで大人げねーよ…。一体いくつ違うと思ってんだよ…」

 「私が三つ下で、あなたと私も三つ離れてるから、六違うことになるわね」

 「六歳下のガキから!おやつを!奪うな!」

 「うっせーンだよ!菓子ぐらい寄越せ!」

 「ウィル、話に入るなら出てきたら?」

 「ご主人と話すなら言葉使いきちっとしろってうっせーから嫌です」

 「だからって出てこずに話すのも、普通に無礼だと思うわよ?」

 「ほらほら!だからウィルになんか遠慮はいらないって!」

 「じゃあ遠慮なくあなたにたった一つのシュークリームをあげるわねっ」

 「死亡フラグ!」

 「じゃ、いらない?」

 「欲しいけど、もう一個作る気とかない?」

 「ないわ」

 「ないかー…。…ウィルー、諦める気あるー?」

 「ねぇよ」

 「こっちもないかー…。…今度美味しいお菓子分けるからー」

 「未来の百より今の十」

 「あ、うん。そーゆーやつだよな。知ってた」

 「ま、私のお菓子が十ですって?むかつくわ。じゃあウィルは市販の砂糖の味しかしない、甘いだけの高いお菓子でも買って食べてればいいんだわ」

 「………」

 「わあい、ウィルからちょー睨まれたー。がくぶるすぎて動けなーい」

 「……ていうか、本当に単純に疑問なんだけれど、素人の私の料理よりプロの料理のほうがいいんじゃない?ネーヴィア商会のお菓子は高価で中々手が出ないっていうウィルはともかく、エリオンは普通に買ったほうがいいんじゃない?」

 「えー。俺、あんたの料理好きなのにー」

 「だからなんでよ。美味しいもの食べて舌が肥えてるはずのレイヴァンとジオルクとスカイもそう言うのよ。優しいお兄様や文句も言えなそうなプレシアや何でも良さそうなヴィオラはいいけれど」

 「や、普通に味付けとかが好みなだけじゃね?なんかあんたのは美味しいし」

 「そう?素人料理なのに?」

 「…いっそエリオンのホームシックが極まって家庭料理を求めてンのなら面白えのになァ…」

 「ならお前もお揃いだね、ウィルっ」

 「ふふ、二人とも可愛らしいわね。で、誰が所帯染みた女ですって?」

 「それは言ってない」

 「そうは言ってねぇ」

 「え?そういう話じゃないの?」

 「違う違う。なんか…お菓子とかもあんたが作ったののほうが好きなだけ。ネーヴィアのも食べたことあるけど、美味かったけど、あんたののほうが好き」

 「ふーん、不思議ねえ…。レイヴァンとジオルクは昔から一緒だし、舌が慣れてるからって言われたらわかるけど、スカイもあまり贅沢できないからって言うならわかるけど、好きなものを好きなだけ食べられるあなたが素人料理を好むのはわからないのよね」

 「んー、なんつーか…俺にくれるやつは、ちょっと砂糖多目に、とかしてくれるだろ?だからかな」

 「あなたたちは甘いもの好きだもの。でも、それで?こういうおすそ分けとかは、普通の基本通りの味付けよ?」

 「それはわかってるけど、…なんて言ったらいいのかな、適当なとこが好き。あんたの気分で味加減が変わったりするのが飽きない。食べるやつへの配慮があるとこが、それが俺に向けてじゃなくても、それを食べる誰かを想定して作ってるなあってわかるところが好き」

 「………ウィル、わかる?」

 「なんとなく。言っときますが説明は出来ませんよ。考えるじゃない、感じるんだ、の世界です」

 「私の苦手なところね」

 「だからさー、今日はなんか味荒いけどヤなことあったのかなー、とか、塩多目だしお兄さんにあげたのかなー、とか、料理の奥にあんたが見えるから、なんか好き。どこの誰がどう作ったかわからない完璧な料理じゃなくて、あんたがご機嫌で作ったんだな、とかわかる適当な料理が好き。つーかあんたのことも好き」

 「まあ、ありがとう」

 「いや、マジで。…ウィルとか友達といるのも好きだけど、あんたといるのはまた違って、―――同類、みたいな」

 「ふうん?」

 「友達っつーか利害関係が一番しっくり来るけど、じゃあ一番自分と近いのは誰かって訊かれたらあんたの名前を真っ先にあげるってか…一番似てるのは誰かって言われたら、あんたになる感じ?だからボク、利害抜きで仲良くしたいなー?」

 「ふふふ、面白い冗談ね」

 「あ、駄目だこりゃ。マジなのにー」

 「わかってるわよ。でも政治的理由で、あなたと癒着は出来ないでしょう。……仲良くは出来ないけれど、私もあなたのことが大好きよ」


 「―――おい」


 「あら、ジオルク。どうしたの?」

 「……まさか今の聞いてました?」

 「……聞こえた。セリア、お前、こいつが好きなのか?」

 「ジオルク、こいつ、なんてエリオン殿下に失礼よ」

 「……お前は殿下に惚れているのか?仲は良かったようだし、政治的な理由で諦めているだけなのか?」

 「惚れているのか、という質問にはNo、好きなのか、という質問にはYes。そして私が本当に惚れた相手を諦めるような女なのかという挑発には、勿論乗ってあげるわ」

 「………そうだな、本当に惚れていたら何があっても手に入れようとするやつだな、お前は」

 「ええ。その点はあなたもそうでしょう?いくらお兄様が好きだからって、妹の私と結婚してまで追い求めるなんて、そうできることじゃないわ」

 「フランツが好きだという事実に関しては肯定を、お前に惚れていないという勘違いには否定を返す。だが惚れた相手を何があっても手に入れようとする、という執念に対しての指摘は、ありがたく受け取っておく」

 「それじゃ私に惚れてるみたいに聞こえるわよ」

 「惚れてるからな。で、殿下とは何もないんだな?」

 「両思いの利害関係よ。うっとうしいからそれ以上口突っ込まないでね。それで?何の用?」

 「………あの馬鹿から、お前がいなかった間に伝言を預かっている」

 「ヴィオラから?」

 「どうでもいいですが、あのヴィオラ・シュペルマンの三人称は本当に『あの馬鹿』なんですね…」

 「だって、馬鹿でしょう?」

 「他に言い表せないほど馬鹿ですから。…で、あの馬鹿をお前の友人と勘違いした男子生徒が、お前と話したいから時間を作って欲しいと言って、手紙を寄越したそうだ。追い払うために言付かったが、もし面倒な話であるなら、一応持ってきた俺にも責任がないわけでもないし、同行するがどうする?」

 「要約すると、仕方なく伝言を預かったがセリア様に男性を紹介する羽目になるのは不本意で、そもそも他の男性を近づけたくないから追い払わせろ、ということですね」

 「………」

 「ジオルク、否定しないと肯定と取られるわよ。ていうかこれ、スカイからじゃない」

 「……なんだ、あのカマ野郎か」

 「じゃあヴィオラ・シュペルマンに託したのは嫌がらせなんでしょうかね」

 「たぶんね。これを持ってきた人を好きにいじめていいって書いてあるわ。そういえば、そんな昔話があったわね」

 「…さすがお前の友人だな、性格が悪い」

 「それで、内容は?もしかして機密ですか?」

 「探りいれてんじゃないわよエリオン。普通に、いい加減頭は冷えたか、プレシアが板挟みになって困ってるし私がいないとつまらないから仲直りしよう、この手紙持ってきた人でもいじめて憂さでも晴らしたら?ってことが書いてあったわ」

 「へえ。じゃあ仲直りするんですか?」

 「え?なんで?」

 「…真顔で言うな。…まあ、お前はそういうやつだとわかっていたが…」

 「さすがね、ハニー。じゃ、返事しておいて頂戴」

 「断る。俺はそんな恨みを買いたくないし、どうして俺が返事をするのかの説明が面倒くさい」

 「ならエリオンでもいいわ。よろしく」

 「…自分でやってくださいよ…。僕も余計な恨みは買いたくないですし、そもそもその方とまともな面識がありません」

 「……仕方ないわね、じゃあ自分でやるわ。面倒だけれど、お兄様に会うついでに向こうまで行って来ましょう。……ちょっと手紙を目の前で破り捨てるだけなのに…」

 「そういうところ、つくづく性格悪いよな」

 「それが読めるウェーバーも相当ですよ」

 「それ、盛大なブーメランよ。あ、あとエリオン、シュームリームね」

 「わあ、ありがとうございます。僕が倒れていたらあなたのせいですから」

 「は?なんだ?」

 「一つしかないからって喧嘩になってるのよ。馬鹿らしいでしょう?」

 「………殿下が誰と喧嘩なさっているかは知らないが、…ならお前が食べればいいんじゃないか?」

 「折角作ったのに?嫌よ。むなしいじゃない。それなら無理やりあなたに食べさせるわ」

 「……やめてくれ。お前の作った菓子が食べれないというのではなく、殿下の好みに合わせた甘ったるい菓子は一口で十分だから、遠慮する。おやつなら、あれが食いたい。裂きイカ」

 「あなたって、つくづく好みが渋いわよねえ…」

 「……さきいか?」

 「イカって知ってる?海産物なんだけれど、それを干したり食べやすく柔らかくしたりしたものよ。お酒のおつまみに持って来いよ」

 「えっ、あんなの食べるんですか!?」

 「あと、あれも美味かった。たこ焼き。スルメも好きだ。ほやもいいよなー」

 「たこやき?するめ?ほや?」

 「今度あなたのために日本酒作ってあげるわ、ジオルク。私は梅酒が好きなんだけれど…」

 「梅酒といえば、梅干しは美味かった。レイヴァンは珍しく嫌いだと言っていたが…」

 「あの子はわさびも嫌がったわよね。綺麗な水で育ててあげたのに。お兄様は喜んでくれたのに」

 「フランツの辛いもの好きは異常なレベルだろう…。すごいよな、あれは。いっそ尊敬する」

 「まったくね…」

 「……そこまでなんですか…」

 「まあいいわ、じゃあ言ってくるから。またね、エリオン。ジオルクはしっかりレイヴァンの監視しなさいよ」

 「ちゃんと見ている。心配するな。……じゃあ俺も教室に戻るか。失礼します、殿下」

 「はい。お二人とも、ご達者で」



 「……さて」

 「―――死にたくなきゃシュークリーム寄越せ」

 「っやっぱこうなると思った!」

会話文楽ー

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