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悪役令嬢だけれど何か文句ある?  作者: 一九三
長すぎるプロローグ~幼少期~
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苦労するけど妹だから仕方ないby兄

今回超短いです。

 時を戻して、二年前、私が三歳の時。

 私が祖父と仲良くやり始めた当初の話。


 「セリアばっかりずるいー!」


 兄が駄々をこね始めた。

 兄はこの頃すでに両親に見切りをつけていたわけではないが、祖父には懐いていた。間違いないように断言しておくが、これは『私が好きで遊べないのがつまらない』というのではなく、『私ばっかり祖父と遊んでずるい』という嫉妬だ。子供なんてそんなものだ。


 しかし、どうするか。

 このまま放置して兄が腹黒と化しては面倒だ。

 じゃあ兄も含めて三人で話す?いや、兄がいくら賢いとはいえ、無理だろう。私は前世の知識があるから出来ているのであって、普通の子供はそんな話についていけない。というかついてきていても嫌だ。

 では兄も祖父と個別に話させるか。それも無理だ。祖父はただでさえ忙しいのに、私に構ってくれてもう手一杯だ。無理だろう。

 ならば私が祖父と関わるのを、少なくとも表向きは止めるか。これも無理。私は一人で出歩けないぐらい幼いし、うちの親は祖父が来たことを兄に内緒に出来るほどおつむの出来が良くない。


 どうするか、とうんうん悩んでいたら、


 「フランツ、セリアは私の仕事を手伝ってくれているんだよ。フランツはまだ小さくて出来ないけど、大きくなったら手伝ってくれるかな?」

 「………てつだうけど、セリアはなんでいいの?」

 「セリアは王子様のお嫁さんになるだろう?だから、早めにお勉強してないといけないんだよ」

 「………」

 「今度フランツも一緒に遊びに行こうか。セリア抜きで、遊びに行こう」

 「っうん!」


 祖父があっさり解決させていた。さすがあの将来の腹黒、我が兄フランツの祖父だけあり、思わずじとっとした目で見てしまうような説き伏せ方だ。感謝してるけど。



 そんなわけで祖父と仲良すぎないように気をつけて仲良くして、兄も分別がつくようになったらそっち方面のお勉強もしてもらった。私は早いかもと言ったのだが、祖父がやらせてみようと言ったからだ。

 さすが兄というか、あっという間にものにしてしまった。


 「……さすが、お兄様…」

 「セリアに言われても、嫌味にしかならないよ」


 苦笑して、「でもありがとう」と、にこっと微笑む兄。

 あまりに素敵だったので、「お兄様格好いい!」と抱きついてしまった。うん、将来腹黒になっても許せる。お兄様が望むのなら主人公ぐらい陥れてみせる。お兄様大好き。


 兄も、「セリアは賢いけど馬鹿だからね」と頭を撫でてくれた。どうやら色々やらかしすぎて迷惑をかけていたみたいだ。両親との軋轢とか周囲の子供に対する評判とか、本当に色々お世話になっていたと、後で聞いた。

 その時に礼を言ったら、「いいよ、セリアは昔から仕方ないんだから」と言われしまった。やっぱりお兄様大好き。

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