別れた
愛してるよ、「ありがと」
ずっと一緒だよ。「そうだといいねぇ」
浮気しないでね。「しないと思う」
嫌いにならないでね。「分かんないけど。たぶん」
そういうひとだった。私が欲しい言葉はひとつも言ってくれないひとだった。
それでも好きだった。笑顔が可愛いくて柔らかい雰囲気がたまらなく好きだった。
だからこそ他の女の子に目をつけられるのも嫌だった。
その度に私がヤキモチを焼いていたけど、その度に私の嫉妬をするりとかわしてニコニコと ん?どうしたの? と聞いてくるような人だった。
そんな彼と、 今日から他人になる。
友達でもない、他人だ。
こんな切ないことってあるだろうか。こんな残酷なことってあるだろうか。
私を愛おしそうに抱きしめた腕も、離したくなさそうに何度も押し付けてきた唇も、私の髪を遊ぶためにあるような繊細な指も、全てが無かったことになる。
これからは私以外の女に同じような事をしても、私が怒る権利は、ない。
同じことすんのかな。するだろうな。
胸が痛いや。
もし新しい彼女ができたとしたらどんな子かな。
Twitterとかに写真上げるこだったら嫌だな。嫌でも目に入るし、周りの人達はそれをどんな形でもお似合いだとまくし立てる。
それにどんどん調子にのっていき、終いには見てるこっちが痒くなるようなムービーを作って某動画サイトに上げたりするんだろうな。
私が何千回も呼んだであろう名前を キッモチの悪いあだ名で呼んで仲の良さをアピールしたりするんでしょ。
あーーそんな女だったら嫌だ。考えただけで死にたい。なんでこんなに惨めなんだ。
私この失恋から立ち直れるんだろうか。
しばらく彼氏もできなさそうだし。
こんな落ち込んだ日はだいたい雨って決まっている。
こんな落ち込んだ日は彼に会いたい。
もう別れてしまったけれど、
私が史上最高に愛した人。