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配神が支配する異世界で【クズカメラ】に転生した俺 ~「お前は配信向いてないからw」と追放された華の無いヒロインをSランク冒険者にプロデュースしようと思います~  作者: タック@コミカライズ2本連載中
第二章 聖なるガンハンマーの担い手ニシカ

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9/12

新たなスカウト対象

 配信アーカイブが始まると、野外が映し出された。

 森の中でダンジョンの入り口が見える。


『よぉ! 今日もバド・バズ様の配信が始まったぜー! こんばどー!!』


<こんばどって……あれだけバカにしてたクロの挨拶方式をパクったのかよ>

<だっさ……>


『私、オッツ・ボネールもいるわよぉー!』

『この僕、エロガ・パーも忘れずにね……ぐへへ……』


<お前ら名前あったのかよ>

<性格悪い(ねー)ちゃんがオッツ・ボネール、エロいことを言う微笑みデブがエロガ・パーか。わかりやす>

<バド・バズの左右オプションという認識だった>


 コメントで色々と言われているが、そもそもバド・バズたちは見ていないのでノーダメだ。

 ある意味、最強かもしれない。

 コメントとのやり取りもないので進歩もしないが。


『え? なんでお主たちが先に挨拶をしておるのだ?』


 そこへ見知らぬ幼女が現れた。

 金髪で巨大なアホ毛を付けているが、何か言葉から圧を感じる。

 結構高そうなドレスを着ているので、冒険者というよりは貴族令嬢か何かに見える。


『ほう、これが配信カメラというやつか。コメントというのは愚民たちの声か? 画面の前のゴミカス共に余の尊き御名を教えてやろう。余の名はニシカ・ド・ラクロワだ。ふふん。至高の姿を拝謁できる光栄にむせび泣き、漏らし、ショック死するが()い!!』


<なんだコイツ>

<やべぇ>


 うん、やばいな。コンプラ的にも人間的にも。


<ぅゎょぅじょっょぃ>

<ちょっといいかも……もっとお姉さんをなじって……ハァハァ……>


 ……こ、こういうのが好きな奴がいるのか……。いや、前前世にもいたな、そういえばこういう癖の奴ら……。


<待て、ニシカ・ド・ラクロワってうちの国の第五王女の名前じゃねーか>


『ほう、余がラクロワ王国の第五王女だとようやく気が付いたか。遅い、万死に値する。だが、不敬を許そう。愚民共は均しくゴミカスだからな!』

『えーっと、今日はこの自称第五王女様の新人を連れてダンジョンに入りたいと思うぜー』

『は? バド・バズ。余のことを自称とほざいたか? 何度も言うが本当に余は――』

『はいはい、出発するぜー』

『ま、待て!! この愚民が!!』


<第五王女だからあんまりメジャーじゃないけど、あれは本物だ>

<オレも一度だけ見たことがあるな……可愛い幼女だと思ってたのに喋るとやばいのか>

<こりゃ王家もあんま表に出せないわけだ>


 ダンジョンの中へ入っていく一行。

 このダンジョンは初心者用なので四人なら問題はなさそうなのだが、配信タイトルが『新人に危ないドッキリを仕掛けてみた』なので、ろくなことにはならない予感がする。

 予想通りにスライムの集団が現れた。


『うわ~、スライムの集団が現れるなんて予想外だ~。しかもコイツらは服だけを溶かす特殊なスライムだぜ~』


<なんて白々しいバド・バズ>

<事前に準備をしていたんだろうな……>


『おらっ! 自称女王様、初バトルだぜ!! 前に行け!!』


<幼女をスライムに差し出す図>

<通報しますた>

<配信運営は対処しても法的に牢屋にはぶち込めないだろうなぁ>

<色々と法がガバガバな世界>

<そんなことより服だけを溶かすならオッツ・ボネールの方を見たい>

<ワイはバド・バズとエロガ・パーが濡れ濡れになっているところを期待する上級者>

<ストレートにニシカちゃんわからせで>

<何か急にコメントの流れが早くなってないか?w>


 きっとここから、このニシカという幼女はスライムに負けて動画の最後のようになるのだろう。

 口は悪いが、さすがに可哀想に思えてしまう。

 ミミルに直接通報しておいた方がいいかもな……。


『ほう、よかろう。この王家の象徴であるガンハンマーの威力を愚民共に見せるときだな!』


 ニシカは小さな身体に不釣り合いな、巨大なハンマーを持ち出した。

 そのハンマーはギミックが付いているらしく、この世界に似合わない機械的なフォルムをしている。

 どこかで見たことがあるような……。


『粉みじんになれィァェーッ!!』


<チビにデカい武器はロマン>

<叫びが迫真すぎるw>

<いくら武器がデカくても幼女がどうにかするのはきついだろ>


 ところが予想を裏切り、叩き付けられたハンマーは黄金色の大爆発を起こして周囲を吹き飛ばした。


「うぎゃー!?」

「ひえっ!?」

「なにこれぇー!?」

「死にたくないー!?」


 スライムだけではなく、幼女とバド・バズたちを含めた全員が吹き飛んでいた。

 しかも、ダンジョンの中で大爆発をしたので天井も崩れ落ち、岩で潰されそうになってギリギリで回避しているようだ。

 爆心地に近かったニシカは一番ダメージを受けており、服がボロボロになってフラついていた。

 怒り心頭のバド・バズが叫ぶ。


「お前はもうPTにいらねぇ! 追放だ!!」


<これはバド・バズが正論>

<さすがに味方を巻き込む自爆技はちょっと……>

<第五王女本人ですらボロボロで草>


「ひどい……。そっちから誘ってきたのに……」


 そこで配信アーカイブが途切れてしまった。


 ***


 俺は思わず黙り込んでしまう。

 バド・バズを通報するのも止めておいた。

 珍しくバド・バズ側が正論で、たしかにニシカはPT追放されても仕方がない。

 しかし――だが、それがいい。もとい、配信者としては可能性がある。


「面白い、俺がニシカ・ド・ラクロワ第五王女を立派な配信者にしてやる!」


 時間的にまださっきの配信が終わった付近にいそうなので、急いでスカウトに向かった。




 初心者向けのダンジョン近くの森を探していると、偶然にもニシカを見つけることができた。

 ……ごめん、実は偶然じゃなくてミミルにちょっと手伝ってもらって位置を割り出した。

 プライド? 目の前の才能の前には捨ててやるさ、そんなもの!

 さぁ、あの配信者の才能がありそうなニシカに話しかけよう――としたのだが、どうやらまだこちらに気付いていないらしい。


「うぅ……ぐすっ……また思ってもないことを言っちゃったよぉ……」


 あれ、なんか思ってたんとちゃう?

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