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配神が支配する異世界で【クズカメラ】に転生した俺 ~「お前は配信向いてないからw」と追放された華の無いヒロインをSランク冒険者にプロデュースしようと思います~  作者: タック@コミカライズ2本連載中
第三章 歌う魔術師ディヴァリア・スカルド

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18/20

バブみを感じてオギャる

「あらあら、露出多くない?」


 ディヴァリアの衣装は、いつもの防具職人に作ってもらうことにした。

 資料として普段の野暮ったい、いかにもなローブ魔術師姿を見せたら溜め息と悪態を吐かれてしまった。

 オーダーメイドなのでディヴァリアからの要望+配信者としての要素で俺がリクエストしていく。

 それに防具職人の長年の経験が組み合わさり、最適な装備が作られていく。


「あらあらあら、露出多くない?」


 装備のメインカラーは白となった。

 これは本人が好きな色と、髪の毛が生まれつき白いのでマッチしている感じだろうか。

 もちろん魔術師なので布系の装備なのだが、名前にスカルドと入っているので骸骨モチーフにしてある。怖くしすぎない感じで。

 本来スカルドというのは骸骨とは別の意味で北欧の詩なのだが、わかりやすい外見と名前を関連付けるのは配信者として憶えてもらいやすい。

 猫っぽい名前の配信者がいたら、外見も猫っぽくする、みたいな意味合いだにゃ。


「あらあらあらあら、露出多く――」


 もちろん、性能もそれなりの耐近接防御もあり、後衛が一番重視する耐魔術用の防御に特化されている。

 距離を離して戦える魔術師の天敵は、同じ魔術師だからだ。

 近接攻撃に対しては最初から距離を離しているか、別の盾役が間に挟まってくれるのでどうにでもなる。

 よし、完璧な防具だな。


「あらあらあらあらあらあら」

「それじゃあ、雑談配信を開始しよう!!」


 ディヴァリアが衣装の肌色部分を指差しながら、あらあらBOTをしてくるが全力でスルーした。

 ロリに肌色はマズいが、お姉さんに肌色は合法なのだ。

 それに防具職人的には外見を含めてのプロのお仕事なので、そちらのプライドというものもある。

 あとリスナーが喜ぶ。

 とりあえず一回、この衣装で配信をしてみて本気で嫌がられたら防具職人に土下座をしてリテイクしてもらおう。

 俺の頭を下げるくらいなら安いものだ。

 小さくなったから地面と頭が近いし。


<噂の新人を見に来ました>

<クロの宣伝から>

<こっちはニシカちゃん経由です>


 いつものように俺の家で配信開始したらリスナーが集まってきた。

 事前にクロとニシカが宣伝してくれたので、同接は驚くべきことに10万スタートだ。

 クロの時は5000スタートと考えると、20倍となっていて新人としては信じられない数字だ。

 この同接10万という数字は、それだけこの世界で俺が作った配信という仕組みが受け入れられてきて、期待もされているということだろう。

 ちょっとジ~ンときてしまう。


<あれ? 黙ったままだけど大丈夫?>

<配信開始されたことに気付いていないのかもな>


 いや、ディヴァリアは気付いているが、声を出せないでいるのだ。

 ある程度は集まると思っていたが、さすがに10万人の視線があるとは思わなかった。

 俺はカンペで『まずは挨拶だ。練習した通りにやろう』と出した。


「あ、あらあら……こんディーヴァ。歌う魔術師、ディヴァリア・スカルドです」


<めっちゃ声が震えてる>

<こんな余裕のない『あらあら』初めて聞いた>

<何か珍しい声だな>

<変な声>


「う……変な声ですかね……」


 まずい、また自分の声にコンプレックスを持ってしまっている。

 ここは俺の出番だ。

 オタクの早口を見せてやる……!


「おいおい、リスナー。まだまだ〝浅い〟な」


<お馴染みのヤマダ>

<ヤマダがパートナーだからどんな凄い新人かと思ったら声が変なだけじゃん>

<浅いってなんやねん>


「配信界隈の水準が上がってきて、今やお前たちは舌の肥えた貴族のようになってしまっている。もう普通のダンジョン配信だけだった頃には戻れないくらいにな」


<たしかに>

<ダンジョン配信も悪くないけど、他も面白いもんな>

<配信者も工夫してる奴らが多くなってきた>


「そう! 配信者も増えてきた! そんな中、変な声の配信者がいたら一味違って新鮮じゃないか!?」


<たしかに>

<たしカニ……カニカニ>

<カレーに福神漬けって必要だもんな……>

<うちのシマでは、らっきょうだった>

<お前らどこからコメントしてるんだよ>

<配神が昔に開発した料理の話はもうええやろw>


「配信者には色んなタイプの面白い奴がいて良いと思うんだ。……というわけで、ほい。パスだ。ディヴァリア」

「えっ!? いきなり!?」


 俺は黒子に徹して、すぐにカンペを出した――『忘れるな、心の中に、あらあらだ』

 我ながら何を言っているのかわからないが、言いたいことは伝わったようだ。

 ディヴァリアはすぐに落ち着きを取り戻して喋り始める。


「あらあら、ごめんなさいね。リスナーさんたちが私に会いに来てくれた大切な時間ですもの、頑張って喋らないといけないわね」


<キュンときた>

<この独特な声もいいんじゃないか>

<お姉さんっぽい喋りと不思議と合っている>

<いや、ママだ……ママ……ママァァァアアア!!>

<オンギャアアアア! オギャアアア!!>

<オレ生まれる! 生まれた!>

<バブみを感じてオギャる>

<三倍でコメントが流れ始めた>


「あらあら、みんな疲れているのかしら? あたしはママではないのだけれど……。けど、ママでもお姉さんでも、親しみを込めて言ってくれるのは嬉しいわ」


 あらあらをもう使いこなしている……恐ろしい奴だ……。


「うーん、そうねぇ。まずは初配信だし、私のことを話しておこうかしら」


<ママの話、いくらでも聞くよ! ママァ!!>

<やべぇリスナーが集まってきているな……>

<日々の辛い社会生活に癒やしを求めるのはしょうがない>

<なんかクロも自分の枠で『ママ、いいよね』と言っている……すげぇ包容力だ>


「こら、配信中はちゃんと私だけを見なさい」


<ごめん、ママ>

<すまんて>

<浮気なんてサイテー>

<でも、オレらって浮気が物理的にできないけどな……恋人がいないから>

<現実を突き付けるな悲しくなる>


「そう、現実は悲しくなることがいっぱいある。あたしも小さい頃から、この声のせいで気味悪がられた。なるべく喋らないようにしてたけど、魔術師だからどうしても詠唱でね……」


<ディヴァリアママを気味悪がるだなんてサイテーだな!!>

<ちょっと前のオレらも誤解してたけどな>

<ほんますまんて>


「でも、育ての親がとても良い人……というかハーフエルフで、あんまり喋らなくても生活できていた。歌が好きで、専用のホールが用意されてたからそこで一人で歌えたし」


<ハーフエルフってことはヤマダじゃないな>

<ヤマダがこんなママを育てられるはずがない>

<逆にクズカメラのサイズ的に育てられる方>

<専用のホールが用意されてたってディヴァリアはお嬢様……?>

<お嬢様でママでお姉さん……属性が多いな……>


 ちなみに俺も軽く過去を聞いただけで、詳しくは知らない。


「でも、機会があってもう一度PTを組んで魔術師として頑張ってみたいなって……」


<がんばれる人は素敵>

<でも、それってたぶんあのときの……>


「うーん、その通りであんまり芳しくなかったかな……。バド・バズさんの配信以前にも、配信なしでいくつかPTに参加したけど、そのときも声を笑われて戦闘中に詠唱できなくなって足手まといに……。こんなので戦えなくなって迷惑をかけ続けて、また諦めようかなって……」


<バド・バズが悪い!! と言おうと思ったけど、実際に戦闘が起きたらそうも言ってられないもんな>

<日常生活ならともかく、危険が伴うダンジョンだと大変だ>

<難しいところ>


「そんな中、ヤマダさんに誘われて配信をしてみることになりました。配信で喋って自信が付けば、人前で詠唱もできるようになるかなって……」


<えらい、えらすぎる>

<自分だったら諦めてヒキニートになってる>

<オレたちは特に何かなくてもヒキニートだろ>

<やめろ、その話題はワイに効く>


 そろそろ喋り慣れてないディヴァリアに疲れの兆候が見えてきたのでカンペを『リスナーネームを決めて、今日は終了しよう』と出した。


「あらあら、ヤマダさんからの指示が出たわ。リスナーネームを決めて、今日は終了の流れみたい」


<ヤマダァァァァア!!>

<初配信だししゃーない>

<そういえば、クロもニシカも初配信は大体が時間決まってたな>


 初配信は決まった時間で終わらせる。

 古事記にもそう書いてある。

 それが配信者たちが積み上げてきたメソッドなのだ。

 理由としては色々とあるが省略する。


「じゃあ、リスナーネームを決めちゃおうかしら。ディヴァリア……ディヴァリア・スカルド……うーん、何がいいのかしら?」


<何か特徴的なリスナーネームにしたいな>

<クロがクロ巣ファミリー、ニシカがニシ風の黄金龍団だっけ>

<ディヴァママの特徴か……ディヴァリアキッズたちとか?>


「あらあら、却下で」


<おっとりのようで一刀両断>

<魔術師で、モチーフはドクロ。カラーリングは白かぁ>

<特徴的には結構あるんだよな、巨乳で長身で露出度高いし>

<それは特徴と言うのか……?>


「布が少ないのはちょっと心もとないというか、恥ずかしいというか……」


<ま、ママァァァァアアア!!>

<何に反応してるんだコイツ>

<そういえば、歌うことが好きって言ってたな>

<歌かぁ>

<スカル……つまりそれに魅了されてるオレたちはスケルトンか?>

<むしろ母性に骨抜きになっている>

<ディーヴァに骨抜き>

<ママァァァアア!! ……ママ友の集いにしよう>

<スッと冷静になるな怖い>

<でも、シンプルでいいかもな>


「え? え? なんかクロさんや、ニシカさんみたいに格好良い感じは……」


<心がママを求める>

<ママという言葉にすべてが集約されている>


「あらあら。私、結婚していないし、恋人すらいないのだけれど」


<ママはママと認識されただけでママになれる>

<そう、我らはママ友……いや、志を共にするママ共である! でもちょっと表記的に配慮して『ディヴァママともの集い』でどうだ!!>

<ママとも!! ママとも!!>

<ディヴァママ万歳!!>


「あらあら……決定の流れなのね……」


 何か一番やべーリスナーたちが集まってきちまったな……。

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