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5 あの後のこと

 最初の出会いはあれだったけど、あのあと何度か顔を合わせる機会ができれば、ルナリア王女も慣れてくれてお話をするようになった。基本は遊び相手なのだけど、ルナリア王女と一緒に学んでいる。


 いや、なんのこっちゃと言いたいのよ、私も。でも王妃様はルナリア王女の人見知りを気にかけていて将来護衛に就く私をそばにおいて、今から慣れさせようとしているのもわかりますけど……。


 だけど、なぜに王家のマナーを学ばなければならんのさ。護衛にそこまでの知識はいるの?


 でも母から騎士になるための条件にそれが入っているから、やるけどさ。

 でも、私は五歳、王女様は四歳よ。まだ早いと思うの!


 ついでに言うとやる気を漲らせた父が、いままで体力づくりのたの字も始めてない私に、摸擬剣を振らせようとして母にしこたま怒られた。そしてなぜか私にどういう風にしたいのか聞いてきたのよね。


 う~ん。体力づくりは何が正解なんだろう? 体を作る……まずは健全な成長が第一よね。持久力は欲しいから、少しづつ走り込みの距離を増やしていきたいかな。ストレッチ……いやいっそ前世の夏休みの朝に集まってやっていた体操なんかいいんじゃないのか?


 あとは遊具……フィールドアスレチック……あの森林公園の中に作られたあれみたいな、丸太を渡ったり、ロープにつかまってのあれとか、網のそれとか。

 いや、そこまでしなくても丸太渡りだけでも体幹は鍛えられそうよね。


 その時の私はそんなことをぶつぶつ呟いていたらしいのよ。


 その言葉をもとに木を使った遊具ができました。足場(?)の台に固定された丸太に、ある程度の間隔で置かれた大きな石とか、太い綱に吊り下げられた棒がいくつも並んでいるものとか、綱が斜めに張られたものとか……。

 あれ~? なんかあれらに近いものができてないか~??


 それを我が家の騎士、いや兵士? 「うわっ」とか「おわっ!」とか言いながら遊んでいるのは解せぬ。

 そして一通り試した後「お嬢様、これはとてもいい訓練になります!」なんて目をキラキラさせて言ってきましたね。


 あ~れ~? 私のためのものじゃなかったの?

 腑に落ちなかったけど父が「やつらが試して大丈夫ならアリストリアが使って大丈夫だろう」と言っていた。

 うん。あれは私のための安全確認だったと思うことにしよう。


 そのあと噂を聞きつけたどっかの騎士団が試しに来たり、これをもとにどっかの練兵場にもっと過酷なものが用意されたとか噂に聞いたけど、私には関係ないもん。知らないったらし~らない!


 あっと、そうそう母からの条件のことでした。騎士になる訓練をするのはちゃんと許可がでました。が、それと共にきちんと貴族としてのマナーや淑女教育も受けるようにと言われたのよ。なんといっても私は伯爵令嬢。マナー違反はいけませんということです。


 かの麗人もかの方と一度だけ踊られましたね。つまりなんやかやあってもあの方も淑女としてのマナーが完璧だったのですよ。でなければ皆さんが見惚れるダンスなんて無理ですわ。


 というわけで、家でも王宮でもマナーの習得に励みましたよ、はい。


 そういえば王宮に行くのに年齢が上がるにつれて、騎士団の訓練に参加させてもらうことになった。


 ……いや、その前にこちらの話があったね。

 あのあと、国王陛下は議題に女性騎士の件を上げたそうです。そうしたら団の上層部に女性に騎士は務まらないなどという輩がいたとか。

 う~ん、言葉を濁しても仕方がないのでぶっちゃけると、近衛騎士団が腐ってました。近衛騎士団長……キラキラした一応美麗といえる男……。この団長と副団長(各騎士団には団長と副団長がいるそうです)がね、鼻で嘲笑ってくれたんだそうです。

 王妃様が青筋立てて怒っていたとか(隣室で聞いていたそうです)で、すぐさま布告したそうですよ。女性騎士募集を。


 で、何を思ったのか近衛騎士団が応募してきた人の試験を担当したそうです。最初は素人に毛が生えた程度の剣をかろうじて握れるかなという感じの女性を打ち負かして、悦に入っていたそうです。

 けど、応募者三十名のうち二十名が近衛騎士に勝っちゃいました。しまいには近衛騎士団長と副騎士団長も試験官になったそうだけど、負けたそうですわ。

 ええ。その方々はお察しの通り辺境伯のお身内の方々でした。国を他国や魔物から守るためには男も女もないそうです。子供のころから自衛のために戦いを覚えるそうですよ。


 お飾りだと露呈した近衛の方々は二択を突き付けられました。一つは一からやり直す。つまり貴族の子弟ということを取っ払って一兵卒からやり直す。もう一つは辞める。


 ……ふっ。

 辞めた場合自家の騎士団に入るつもりでいた者が多かったそうですが、各家共に「王国騎士を辞めた場合、家の騎士団に入れると思うな!」と声を揃えて言ったそうです。当主からそう告げられたので辞めるに辞められなかったとか。

 それでも一部の者は辞めてしまい、家から追い出されて路頭に迷うところを、辺境伯家に引取られたそうです。


 えっ? 戦力になるの?


 そうしたら、しばらくして使えない元近衛騎士の噂が流れてきて、三か月ほどしたら大怪我を負ったとか命拾いをしたとかで、半年後には心を入れ替えて真摯に訓練や魔物討伐に励んでいるになり、一年後にはお荷物ではなくなったらしいです。


Q 近衛騎士たちの末路は?

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― 新着の感想 ―
異世界SAS〇KEが始まる…?(笑)
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