表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/22

07



………長い。



さっきからどんくらい歩いた?


ずっと景色が変わらねぇ。


白くてツルッとした壁に、少しザラついた床。

等間隔に並んだ蛍光灯は、時々チカチカと点滅している。


白すぎて目が痛ぇ。


いったい、いつまで歩かされるんだ?



…ト…タタッ…トン…



後ろから、不規則な足音が微かに響く。

振り返ると、リリベルが歩きにくそうに足を運んでいた。


「あ、悪い。速かったか?」

やべ、気をつけねぇと。


「お詫びにどれか好きなのやるよ」

歩幅を合わせながらポケットの中にあるお菓子を取り出す。


クッキー、マシュマロ、ラムネ

ドーナツに…飴、あとマドレーヌと…


お菓子を取り出すたびに、どんどん目が丸くなるリリベルに、緩く笑みが溢れる。


こいつ、結構表情豊かだな。


「……お菓子、たくさん…です。どうして?」


「ん?あー… 昔、初めて甘いもん食った時に救われた気がしてな。

そっから、持ってねぇと落ち着かなくなっちまった。

まァ、あとは単に好きなだけだな。」


ポケットの中のチョコを手で転がしながら昔を思い出す。…これは、食べないんだったな。


「……そっか。」

そう言って、お菓子に目を落とすリリベル。

その目は、食い入るように飴に向いていた。


「これか?」


俺は、いちご味の飴をそっと差し出す。


リリベルはびっくりしたようにパッと顔を上げ、不思議そうに目を瞬かせる。


「違ったか?」


パチパチと目を瞬かせ、小さく首を振るが、なかなか受け取ろうとしない。


「…別に後で食えばいいカら、とりあえず持っとけ。」


リリベルの手に、ポンと飴を乗せて握らせる。



「………あ、りがとう。…テオ。」

リリベルは手に乗せた飴を見つめ、大事そうに握り込んだ。


「いいんだよ、詫びだし。無理やり渡したようなもんだからな。

でも、欲しくなったらいつでも言えよ。」


不意にリリベルが立ち止まった。


振り返ると、さっき渡した飴玉をギュッと握り締めたリリベルと目が合った。


「どうした?大丈夫か?」

少し屈んで、覗き込むように声を掛ける。


するとリリベルは、パチっと瞬きをして弾かれたように俯いた。


「……なんでもない…です。」


「そうか?」


何かあるのか?


さりげなく周囲に視線を巡らす。


特に何も変わらない廊下……。

いや、待て。


視界の端に、何か黒いものが映った。


よく見ると、床の端の方に薄らと黒い線がある。


…さっきこんなのあったか?


その次の瞬間、こもった音が聞こえ───。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ