表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/22

05


なんだ?


リリベルの視線の先を追うと


先程のキメラが現れた空間の、その奥。

キラリと光るものが、微かに揺れている。


「あれ、ドアノブ。」



「…は?」


この距離で見えるのか?

…いや、だとしたら、

なんで揺れてんだ?



キギィッ、

ギャウゥゥ…



あぁそういうことか。


暗闇の奥から聞こえる、怯えた獣の声。


「ちょっと待っとけ」


リリベルを下がらせ、もう一度剣を構える。


……。

出てくる気配がねぇ。


地面を強く蹴る。

暗闇の中、光るドアノブに向かって剣を振り抜いた。


ギィ!


ソレは後ろに身を翻し、剣は空を切る。


チッ、もう一撃…!


瞬間、気配が消えた。


クソッどこだ?!



グヴァヴッ


「ッ…!上か!!」


声と同時に、肩に強い衝撃。

体が後ろに流れ、反射で剣を前に構える。


ガキンッ!


鋭い牙が刃に食い込み、顔に生温い涎が伝う。


犬…か?

だが…。


俺は、力任せに横に投げ飛ばす。

ソレはひらりと体を捻り、また暗闇の中へと消える。


…犬にしては、動きが軽すぎる。


めんどくせぇ。



少し屈み、跳ぶ。

キメラの足元へ一閃。


当たらない。だが、


俺は片手で地面を押し、身を翻す。

視界の端、上へ跳んだ影を捉え、そのまま刃を走らせる。


ギ、ギャウッ!?


空中で無理に避けたキメラは、わずかにバランスを崩す。


来た。


伸ばした手が、細い足を掴む。


「捕まえた」


そのまま、光の方へ叩きつける。



ギャフッ

ソレは地面に勢いよく背中を打ちつけた。


俺は、その黒い塊に向かい刃を振り下ろす。だが、


クソッ避けやがった。


黒い塊は地面を転がり、刃を避け、体勢を整える。



光に晒されたソレは、


猿のような身体が、犬のような後ろ足だけで立っており、

塗り潰されたような黒い体の首元には、掛けられたドアノブがゆらゆらとぶら下がっている。


そして──頭部が、猿と犬、二つに分かれていた。


犬の頭が牙を剥き、低く唸る。

だが、猿の顔は歯を見せて嘲るように笑っていた。


……なるほどな。


「攻撃は犬が、逃げるのは猿が、ってとこか?

ククッ、随分と都合よく作られてんじゃねぇか」


猿の頭が、キィと煽るように鳴き、

犬の頭は、俺を真っ直ぐ睨みつけ喉を鳴らしている。



あぁ、気づいてねぇのか。


   

   「これで、暗闇には逃げれねぇな?」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ