おまけSS 可能性の未来『シュークリーム』
登場人物紹介
リリベル
テオドア
キティア(本編、赤マフラーの先輩)←視点
麗らかな昼下がり。
季節は、もうすぐ冬が終わるという頃。
リリベルが組織に加入してから約一年が経つ。
組織のみんなが集まる談話室のその奥。
陽の光が当たる、1人掛けの深緑色のソファ。
そこが、テディの定位置だ。
今日は、片手に本。
もう片手には…
──もしかして、あれは…!
僕は、ソファから飛び起きた。
「やあやあ、テディくん?」
少し大仰に近づく僕に、
テディは、本からチラリと視線を外す。
「もしかして、君が今持っているのってさぁ。
最近、ちょー話題の人気店〖ロゼリエ〗のシュークリームだったり?」
「そうだな。」
「まだあるよね?」
「そうだな。やらねぇよ。」
そう言って、本に視線を戻す。
「なんで!?ちょうだいよ、先輩命令!」
「いやに決まってんだろ!自分で買え!」
うぐぐ、これは絶対くれない流れ…
「…じゃあ、わかった!最終兵器だ。
リリベルー!リリベルちょっと来てー!!」
すぐに廊下の方から、リリベルが顔を出す。
「どうしたの?」
「テディがね?シュ──。」
「リリベル、これ食ってみろ。美味いぞ」
「いいの?ありがとう、テオ。」
いや、え?
「…おかしくない?」
「何が?」
テディが、視線すら向けずに聞く。
「扱い。僕、先輩なんだけど?」
「日頃の行いじゃねぇか?」
「…ねぇ、リリベル。テディひどくない?」
リリベルは、もぐもぐとシュークリームを食べている。
「……ねぇ、リリベル。僕の分もテディに頼んでくれない?」
もぐもぐと、シュークリームを食べている。
「リリベル…君も相当、僕への扱い雑になったよね…。」
もぐもぐもぐもぐ。
「美味いか?」
「おいしい。」
「また買ってくる。」
「ありがとう、テオ。」
「……僕の分は」
無いんだろうな。
「そんなに食べたいの?」
リリベルが、自分のシュークリームを小さく千切ってくれる。
「……ありがとう、嬉しいよリリベル。
生地しかないけど…。」
指先ほどしか無い、シュークリームの欠片。
「よかったな。」
「うぅ…。あ、おいしい。」




