19
「ソフィア!
あぁかわいい僕のソフィア!
やっぱり君の戦闘は見たくて、仕事ほっぽり出してきちゃったよ。」
頭に響く。
部屋に入った瞬間テンションの高い声。
部屋の上部、ガラス越しに、勢いよく手を振っている。
薄紫の髪を一つに束ね、横に垂らした男。
白衣着てるから職員だろうが…
「ソフィア!ご褒美あげるからがんばってね!
ご褒美は何がいいかなぁ?りんご?それとも、おいしい干し草?新しいクッションとか?
ふふふ、全部いいなぁ。
よし、決めた!今回は頑張ったから全部にしよう!だから早く終わらせて戻っておいで?」
なんだこいつ。
うるせぇ。
ソフィアは、何だ?…新しいキメラか?
リリベルの前に足を出し、周りを警戒する。
その時。
「…ご、主人様。」
後ろから、そう聞こえた。
振り向くと、リリベルが目を見開いて微かに震えている。
「リリベル…?」
思わず、そう声を掛けた。
瞬間、上から殺気。
───だが、俺にじゃない。
背後。
リリベルに向けられたものだ。
「…ソフィア。
なぜ、ソレがお前をリリベルと呼んでいる?答えろ。」
「そ、れは…」
「お前が、そう名乗ったのか?」
「…もうし、わけ…ございません」
「お前は、何だ?」
「…私は…ご主人様の、うさぎです。」
「……ねぇ、ソフィア。
君をくっつけた時、思い出したって言ってくれたのは嘘だったのかい?
僕は、君がソフィアだったって思い出してくれた時…とても、うれしかったのに…。
君は、違ったの…?」
突然、声色が優しくなる。
リリベルがパッと顔を上げ、凍る。
「──リリベル・ネリネ。
お前のせいで、不愉快だ。早くソレを処理しろ。」
「……ぁ…。かしこまりました…ご主人様。」
「終わり次第、処置室に来い。
はぁ、慣れさせてからと思っていたが。
やめだ。危険だが、ソフィアじゃないなら意味が無い。」
リリベルが、俯いてしゃがむ。
…は?




