17 ─リリベル視点─
………あつい。
「どこ…?」
さっきの場所じゃない。
白い…あ、これ廊下だ。
「生きてる…」
頭重くて、ぼーっとする。
どうして、ここに…?
起きあがろうと、ついた手が濡れる。
冷たい…また、水?
触れた水の先には、さっきまでテオが着てた服が無造作に置かれていた。
「テオ…。」
テオが、私を連れてきたのかな。
なんで…そんなことするんだろう…
ゆっくりと体を起こす。
お腹、熱くて重い…?
あ、腕乗ってる。
どうしよう、これ。
眉根を寄せ、腕を見つめる。
その時、腕がゆっくり動いて──
耳の辺りの髪に、触れる。
そのまま、梳くように…撫でるみたいに触る…
「…テオ?」
え、何?急…に…
…ぇ?
息が止まる。
振り返った先、見えた"黒"。
…ずっと、待ってた。
ずっと、ずっと…!
ずっと…見たかった。
…世界で一番綺麗な、紅い瞳。
緩く細められたその目が、私を捉える。
少し掠れた声で、神様しか呼ばない私の名前を呼ぶ。
「リリ」
か、み…さま……
会いに、きてくれた…。
もう、会えないかもって、ずっと…。
…約束。
ちゃんと覚えてる。
忘れたことなんてない。
「…私は、まだ──。」
あなたに、連れてってほしい。
…その言葉を、口にすることは出来なかった。
目を伏せる。
胸の奥に、暗く重いものがのし掛かる。
私はもう"リリ"じゃない。
…私は、ソフィア。
だから、もう…一緒に行けないんだ…。
──まって。
息が、上手く出来ない。
手が…震える…。
いやだ。
『ソフィア。───。』
私は、これから…。
─── 神さまを、殺すの? ───




