第56話 ソード対日本警察 幕開け
ヒムカへ向かう浜比嘉青雲だったが、その目的地は極秘のはずだった。
だが、那覇空港までのルートにソードの動きはなく・・
日本警察とソードの闘いは、幕を開ける。
5月28日、午前6時、那覇空港。
浜比嘉青雲は沖縄県警の警護の元、那覇空港に到着していた。前回と違うのはVIP用の通路を使っているということだ。
「うん、これならソードの連中も手出しできねぇな!安心安心!」
浜比嘉は隣を歩く警官にねぎらいの意味も込めて声を掛けた。
「はい、我々も宮崎空港までご一緒しますし、そこからは宮崎県警が引き継ぎますから、どうぞご安心ください」
「うん!ありがとう!」
浜比嘉の声は明るかった。
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同時刻、沖縄県警本部屋上。
「おかしい、ソードの連中、まったく動いてないぞ。浜比嘉邸から那覇空港までソードの追尾ゼロ、空港内の動きも認知ゼロ」
前回ソードが使った周波数を傍受していた田尾がつぶやく。
「おい青山、他の電波はどうだ?怪しいのはないか?」
田尾が部下の青山に声を掛ける。
「いえ!まったくありません。こないだはかなりの通信量でしたから、あれば逃しませんけど」
「ああ、やっぱりおかしいぞ。ここから考えられる状況は・・・みっつか」
「ひとつは、ソードが浜比嘉教授襲撃を諦めた」
青山が田尾に先んじて応える。
「ああ、それがひとつ。だがそれは沖縄以外のソードが動いていることで消去できる。で、もうひとつ」
「もうひとつは?」
「前回、浜比嘉教授を追った連中はほとんど面が割れている。そいつらは今回動けないから、沖縄のソードが弱体化した」
「なるほど。でも面が割れたのは20人くらいでしたよね」
「そうだ。だから動けないという可能性は残るが、全く動かない理由にはならない。そして最後のひとつだ・・」
田尾が言葉に力を込める。
「沖縄のソードが動かないのは、今さら浜比嘉教授を追う必要がないと思っているから。つまりそれが示すのは」
「それは?」
「浜比嘉教授がどこに行くのか、やつらは既に知っている」
青山が言葉を失う。
「よし!本庁繋げ!今押さえてる全国のソードの活動状況と照合、確認する!」
「はい!直ちに!!」
青山の指がコンソールを跳ねた。
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午前7時、東京都某所会議室。情整トップ、本間の声が響く。
「情報収集状況まとめ、相沢君!リポート!!」
指示を受けた相沢は即席のプレゼンテーションを展開し、ぶっつけの報告に臨んだ。
「・・以上のように、東京以南でソード要員の活動が活発化しています。東京は黒主来斗の関連と思われますが、それ以外の地方、名古屋、大阪、福岡など、特に大都市圏のソードの動きに共通点がみられます」
「共通点とは?」
警察庁長官が先を促す。
「収集した情報を元に洗い出したソード要員を追尾した結果、主要メンバーが率いる部隊とみられる集団が、南下しております」
「南下?」
「はい、福岡の動きから、目的地は宮崎と推定しています」
「なんだと!」
警視総監が声を上げる。
「教授たちの目的地が、ヒムカの場所が漏れていると言うのか?」
「はい、沖縄の部隊からの速報で、浜比嘉教授の追尾がゼロであるとご報告しました。これは、ソードが陸路で宮崎に集結しているからではないかと推定しています」
「沖縄だと空路か海路か、どちらにせよ動いた時点で押さえるのは容易い、沖縄のソードに宮崎集結は難しいということか。それが分かっているから、動かない」
「そう推定できます」
すかさず本間が具申する。
「東京はまず黒主来斗のマークを厳とし、すぐに九州各県に機動隊出動の通達を!警視庁には精鋭部隊の宮崎投入を具申いたします!長官、総監!!よろしいですね!」
警察庁長官、警視総監、日本警察のトップが揃ってうなずいた。
「相沢君!関係各係に情報共有!あのふたりの刑事にもだ。黒主来斗に張り付いている安藤刑事と武藤刑事に、特殊任務を発動する!」
「はっ!直ちに!!」
日本警察とソード、闘いの幕が開いた。
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つづく
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