第23話 雷吹荒の塔
トール「...」
クロノス トールどうした？
トール「な、なあクロノス！あそこはやめよう？な？な？」
クロノス ...さっきまであんなに威勢が良かったのに急にどうした？
ラーズ 怖気付いたかい？
トール「こ、こわくなんかねーさ。ただ...」
アレス「雷鳥サンダーバードだな」
トール「あ、ああ。」
クロノス 鳥か？
トール「ま、まぁ鳥っちゃ鳥だが...」
クロノス なんだよトール！うじうじしてないで何かあるなら教えてくれよ！
アレス「クロノス殿、拙者から伝えさせてくれないか？」
トール「...」
クロノス う、うん。
アレス「結論から話せば、サンダーバードはトールの相棒だ」
クロノス 相棒！？だったら全然問題ないじゃんか！
アレス「昔、トールとサンダーバードは毎日一緒だった。しかしある日2人は決別してしまったのだ」
クロノス ど、どうして？
ペルセポネ「...ラグナロクよ」
クロノス ？
アレス「ラグナロクで全ては変わってしまった、あの時サンダーバードを救えていれば...！」
ペルセポネ「でも、それっきりよね全く会っていないわよね？」
トール「一度ちゃんと話さなきゃな。」
クロノス ？
トール「よっしゃクロノス！雷吹荒の塔にいこう！」
アレス「いいのかトール？」
トール「ああ！行かなきゃなにも始まらない、神器もそこにあるってんなら尚更だ」
クロノス ありがとうトール。
ラーズ 決まりだね、でも本当に気をつけて。最近サンダーバードの様子がおかしいという報告が入っていたんだ
クロノス うん、わかった。ありがとうなラーズ！
ラーズ ライアスは僕にまかせて。それと...
クロノス なんだ？
ラーズ ...信じてくれて、ありがとう。
シロマ ふふ、なんだか可愛くなってきちゃった。
ラーズ か、からかわないでよ！
クロノス そうだよシロマ！ラーズ、こっちこそ色々教えてくれてありがとうな。
ラーズ うん。
シロマ さて、それじゃあエマちゃんの様子を見に行こうかしら？
エマ 私なら大丈夫。
一同 ！？ エマっ！
エマ みんなのおかげで私、助かったみたい。
クロノス よかった！本当に良かった！
エマ もっと、強ければ。
クロノス ？
エマ 私、もっと強くなるから！オケアノスと一緒に強くなる！もうみんなの足手纏いにはならないから！
クロノス おいおいなにを言ってるんだよエマ、俺たちのおかげで助かったんじゃない。エマのおかげで俺たちが助かったんだ！だから、そんな事言わないでくれ。
シロマ そうよエマちゃん、あなたお手柄だったわ！
アレス「エマ殿、その節は大変お世話になり申した！この命ありがたく使わせて頂いておりまする」
ペルセポネ「まったく、謙虚なお嬢様ね。」
エマ ありがとう、みんな。
一同 へへへっ。
シロマ さて、今日は遅いわ！そろそろ休みましょう？エマちゃんももう少し休みなさい。
エマ はい、シロマさん...助けてくれてありがとう。
シロマ ううん、いいのよ！
クロノス さて、ねるかー！！
アレス「そうですな！それに、早く休んで早く進まなければな！ユーリ殿も心配だ。」
クロノス ...ユーリ。
シロマ きっと大丈夫よ、アレスがユーリに戻ればきっと大丈夫。
クロノス そうだな、でもすまないなアレス。俺の中に急に来る事になって
アレス「なにをいっておられるか、謝る事など無かろうに」
クロノス 早く、元の身体に戻してやるからな！んじゃあおやすみー！
アレス「うむ、ゆっくりお休みください。」
クロノス ぐーぐーぐー
アレス「は、はやいな。しかし、なんだこの違和感はまるでこの身体の中が初めてではない感覚が...」
かくして一同は束の間の休息に入るのであった。
