第12話 覚醒
エマ きゃぁーっ!!!
クロノス エマぁあー!
-静寂が流れる-
エマ ...えっ?
(目の前にエマを庇うリードの姿)
エマ お、お父さんっ!
クロノス リードさんっ!
リード うっ。エマ、許してくれ。こんな父親を許してくれ...
エマ ダメ、喋らないで!早く毒が回ってしまうっ!!
リード いいんだ、父さんはどの道長く無い。ガンなんだ。
エマ そ、そんな...今まで元気そうだったじゃない。
リード ああ。少しだけ無理をしていたんだ、母さんが亡くなってからね?すぐに病気が発覚して、それから間も無くして職を追い出されてしまってね...エマには本当に迷惑と苦労かけたね、本当にごめんね。
エマ それじゃあ、盗みを働いて献上していた理由も全部...
リード ああ、生きていくのには仕方がなかったんだ。だが本当にバカな事をしていた!すまない...
エマ そんな、、、でも、父さんが頑張ってくれてなかったら私...私!!
リード でもね、エマ?君のためにしていたわけじゃないよ。だから自分を責めないでほしい、父さんが全てやった事なんだ。
エマ そんな、そんな...!私、父さんにいつも酷い態度を...
リード クロノス君、命を助けてもらった上に君の大事な物を盗んでしまって本当に申し訳無かった。でもこうするしか我々が生きる術がなかった!許されない事と分かってはいるが謝らせてくれ...そして最後のお願いだ、エマを頼む。
クロノス わかったよリードさん...だからもう喋らないで。
リード エマ、聞いてくれるかい?君が3歳の頃に父さんと母さんの所に養子として来てくれた時、とてもとても嬉しかったんだ。この子は絶対に父さんが守るんだってその時誓ったんだ。そんな誓いがこんなバカな父親でも果たせてよかった...エマ?愛している...よ..
エマ 父さん?...パパ??...いやぁぁぁぁああああ!!!!!
バルログ はぁ、興醒め。せっかく俺の手でエマを眠りに就かせてあげようとしたのに...全くコレだから「出来損ないの老害」は嫌いだよ!
クロノス ...てんめぇ!エマ、今すぐ逃げるんだ!お前までリードさんの様にはなってほしくない!
エマ .....
クロノス ...エマ?
(エマから青オーラが溢れ出す)
エマ 許さない。絶対に許さないっ!!バニッシュ!
バルログ くっ!(水砲だと...?ここは氷の城だぞ!なぜ水がっ!)
エマ えっ?なに、私いまなにしたの!?
きこえますか?
エマ え?なに?なにかが私に話しかけてきている!
やっと私の声が届きましたね
エマ う、うん。あなたは誰?
私はオケアノス、「水神オケアノス」です。よろしくね、エマ?
覚醒!水神オケアノス!