表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
なぜ日本経済は30年間ゼロ成長なのか?  作者: 中将


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

7/12

⑦問題があった過去の政策

筆者:まず、問題がある政策の一つ目としてはコメの減反政策です。

 コメ余りが問題になり、かと言って自給率を下げないようにするために、他の農業をしてもらうための転作補助金というのを出しました。


 コメの生産調整や減反政策は1970年から始まり2018年に終わったのでおよそ50年行っていました。

 その間、9兆円もの減反政策の補助金が使われ、

 結果的にはコメの生産量は減少費、コメ以外の自給率は壊滅的なモノになりました。



質問者:つまり大失敗だったわけなんですね……どうしてコメの減反政策なんてすることになったんでしょうか?



筆者:簡単に言えば、コメ農家の収入を守りたいということが趣旨としてあったようです。


 コメの需要が減っていっている中コメの価格が下がっていくとそれぞれが作る量が増えるわけでは無いので、コメ農家の収入が大打撃を受けてしまうのではないか? と言うことが懸念されていたようです。


 つまりはコメ農家の共倒れを防ぐための守りの政策だったわけですね。



質問者:なるほど、それだけを聞くと仕方ない事なのかな? と思ってしまいますね。



筆者:一般的にはそうでしょうね。しかし、今の世の中になってみればそれは間違いだったことが浮き彫りになってきています。


 正直なところ、水田を他の農業に転身すると言うことは思ったよりも難しいです。

 実際のところは、ちょっとだけ他の作物を植えてすぐに農業そのものを辞めてしまう

――こういったことから食料自給率の低下に繋がってしまったのです。



質問者:確かに慣れていない他の農業にいきなり移れと言われても困りますものね……。



筆者:それを読み切れなかった政府の失政と言わざるを得ないでしょう。

 それを約50年間、合計9兆円も投じて放置し続けた政策なのです。

 そもそもこの減反政策そのものが、農協の利権を守るなどという話が一部では囁かれていますけどね。


 ともあれ、ロシア・ウクライナの問題以降では食料安全保障について議論されるようになり、

 過去最低の食料自給率を記録している日本は危ないのではないか? と言うことになっています。



質問者:どういう政策だったら良かったのでしょうか?



筆者:どちらかというと“攻めの政策”で行って欲しかったです。

 例えば、小麦の代わりに米粉にするためのコメを製造することに尽力したり、

 家畜の飼料にするためのコメを生産する方向に転換するなど現状からあまり変えずに農家を守ることも可能です。


 令和2年の減反政策廃止後にようやくそう言った政策に移りつつあるようですが、

一度水田を潰してしまったり、耕作放棄地になってしまったり、メガソーラーを配置してしまった後に再び農地に戻すと言ったことは難しいです。


 それでも、まだ軌道修正されつつあるのでマシな政策な部類ではありますけどね。



質問者:なるほど……。



筆者:後はもっとコメに対するイメージ改善を行って欲しいですね


 元々はGHQのプロパガンダで“コメを食べるとバカになる”と言ったCMを流され、

 給食でパンを食べると言ったことが急激に広まっていきました。


 僕は正直パンはあまり好きではなかったので他の人に半分ぐらいあげてました(笑)。



質問者:だからそんなに体が細いんですね……。



筆者:(笑)。それはともかく、給食はほとんどコメにして日本食を愉しむぐらいにした方が良いと思います。

 こういったところも戦後の洗脳教育からの脱却をしていく必要がありますね。



 次に、今終わりかけている政策の問題点について見ていこうと思います。


 質問者さんは今日本が誇るべきものって何があると思いますか?



質問者:うーん、文化的に特色があると思います。

 それこそ先ほどの日本食とか差別化できるし、健康にも良さそうです。



筆者:それもありますね。そのように日本が誇るべき文化を海外に広げようと特別会計から出資しているものとして「海外需要開拓支援機構」(以下、別称のクールジャパンとする)があります。


 この機関は日本の文化を海外に紹介し、マンガ・アニメ、食、ファッションなどの輸出を支援すると官民ファンドの産業革新機構が投資したものです。

 税金としてはこれまでと比べると少なく見えてしまいますが、1000億円が投じられています。



質問者:これまでの流れから推測すると、あまり良いことは無いんでしょうけど、どう言うことが問題になりましたか?



筆者:FNNプライムオンライン 2018年7月13日の

『迷走「クールジャパン」 相次ぐプロジェクト失敗でムダ金に』から引用させてもらいます。

『日本のコンテンツをハリウッドで映画化することを目的につくられた「株式会社All Nippon Entertainment Works(ANEW)」という映画企画会社がありました。

CJ機構が設立される前の2011年10月、経産省所管の官民ファンドである産業革新機構から22億2000万円(100%)の出資を受けて設立された会社です。


ANEWは7本の映画企画を発表したものの、実際には1本も製作されることなく、機構は2017年6月に全株式を京都市のベンチャーキャピタルに、投資額のわずか1.5%にあたる3400万円で売却しました。』


 次に


『マレーシアの首都、クアラルンプール最大の繁華街にある百貨店「ISETAN the Japan Store」。

CJ機構が約9億7000万円(49%)、三越伊勢丹ホールディングスの現地子会社が10億1000万円(51%)を出資して、2016年10月にオープンしました。

しかし、現地の物価からかけ離れた価格設定などで苦戦し、売上は目標を下回り、赤字が拡大。こうしたことから2018年6月末でCJ機構が三越伊勢丹側に全株式を売却、三越伊勢丹側が単独で再建を図ることになりました。』


株式の売却額は非公表ですが、「投資額を大幅に下回る」といいます。


 とこの様に相次いで失敗し、

 2022年6月22日のブルームバーグの『クールジャパン機構は統廃合も念頭に、累積損失309億円-財務省』記事によると

『財務省は、累積損失が拡大する官民ファンド「海外需要開拓支援機構(クールジャパン、CJ)」について、今秋をめどに検討中の抜本的な見直しの成果が上がらない場合、組織統廃合を念頭に置いた道筋を整理すべきだとする提言をまとめた。財政制度等審議会の分科会が20日に了承した。


 CJは2013年の設立以来赤字続きで、21年度の累積損失は309億円に達した。21年5月に策定した21年度の改善目標を達成できなかったため、今秋をめどに抜本的な改善策を求められている。』


 ちなみに政府は1000億円を投資しているようですから3割が吹き飛んだと言うことのようです。



質問者:それにしても酷いですね……これも減反政策同様根本から間違っていたのでしょうか?



筆者:クールジャパンの本来の趣旨としては、パブリック・ディプロマシー(public diplomacy)または公共外交と呼ばれることをやろうとしていたことが分かります。


 これは、自国の文化や教育などを他国へ送り込み、良く言えば自国にとって好意的に、

悪く言えば懐柔しやすくするためのイメージ戦略で、他国も行っていることです。


 また、中国で海賊版アニメやゲームが大量に出回っていることから“本家本元”というのを見せることで海賊版を駆逐することができる可能性もありました。

 

 あとは、海外の寿司は日本の寿司と全く味が違うんですね。

 昔、海外旅行をした時に、コックが寿司を「型」に嵌めて作っているのを見た時は爆笑しました。

 日本の寿司チェーン店を海外に大きく拡大するチャンスでもあったわけです。



質問者:なるほど、文化的な側面から良い印象を相手に与えて外交などで有利に働くというわけですね。

また、偽物を駆除するという役割も本当はあったわけなんですね……。



筆者:そういうことです。ですので、コンセプトとしては間違っていないのですが、

このクールジャパンのやっている内容やお金の使い方が絶望的だったと言うことです。


 残念ながらこの事業は見直され縮小・廃止の方向に動くでしょう。

 民間がやるのには長期的視点が必要なので、国の短期的な政策を推進する株主資本主義的な政策も相まってかなり難しいと思います


 では次から具体的にどのような政策をやっていったらいいのかについて見ていこうと思います。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ