②デフレを誘発する“低賃金政策”
※本稿では、生活必需品を除いたコアコアCPIがマイナスのために未だにデフレ経済は事実上続いているという立場を取っています。
筆者:僕が思うのですが、正直なところ“良い政策”を行うことよりも“悪い政策”を行わないことの方が重要なのかな。という風に感じます。
選挙でなぜ30年間ゼロ成長のほとんどの政権担当をしている自民党が勝ち続けているのか?
といいますと、自民党が良いのではなく野党第一党の政党にあまりにも政権担当能力が無いために“消去法”として自民党が残っているということに過ぎないのです。
これは実態とはかけ離れた“悪い政策”があまりにも野党に多いために、「これは任せられないよね」という感じになっているんだと思います。
積極的に自民党を信任している人というのは本当に僅かなのではないのかなという風に感じます。
ですが、自民党に関しても野党程ではないにしろ“悪い政策”を密かに展開している。
若しくは、“悪い政策に見えない”ようにうまくカムフラージュしているのです。
質問者:なるほど……では、具体的に自民党政治によって経済成長しないことに関して原因を述べてもらいたいのですが、
そもそもの疑問なんですけど、今の日本が政治とか関わらず「成熟国家」になったので経済成長の発展の余地が残されていないのではないでしょうか?
筆者:なるほど。そう言う考え方も確かにあると思います。
資本主義経済社会というものは、GDPが経済発展の指標として使われます。
GDPは個人と企業の消費の積み上げの面が評価されているところがあると思います。
ですので、物が飽和している今の日本で高度経済成長期のような年10%ということは確かに難しいです。
しかし、同じように物が飽和していそうな「先進国」と呼ばれている他の国に関しては年数%単位では成長しており、日本のような30年間横ばいのゼロ成長ということにはなっていません。
日本以外のゼロ成長という国家は中東やアフリカで数十年単位で紛争地帯と呼ばれている国々ばかりなんです。
日本はそれらの国々と同等ということを念頭においてください。
質問者:確かに、その事実を知ると日本が異常に思えてきました……。
ですが、日本人が家計の引き締めを行い続けているからなのでは無いですか?
倹約的な思考を持っている日本人ならではの特性があるのではないかという風に考えます。
以前、可処分所得が下がっているからというお話があったと思うのですが、それが原因の可能性もありますけど……。
筆者:まぁ、つまりデフレ経済だったからということをおっしゃりたいわけですよね?
このデフレ経済というものはですね。一つ前のエッセイ『学校では教えてくれない「会社員」の真実!』
https://ncode.syosetu.com/n8088hs/でも書かせていただいたことなんですが、
国の短期的な戦略ばかりを続けていることから、全く成長する可能性が無い訳なんですね。
お読みでない方もいると思うので、復習がてら改めてここで述べさせていただきますが、
低賃金労働者を増やし、大量生産をする体制を日本国全体で行っています。
なぜなら低賃金で成り立つ商品やサービスは、大量生産される物ですから技術的な優位性と言うものがありません。
すぐに時代遅れになるので、海外に輸出するような成長産業にはならないのです。
だから日本人の会社員がどんなに頑張ろうとも皆で低賃金のままなのです。
質問者:“低賃金政策”としてはどういうものがありましたっけ……?
筆者:まずは外国人労働者の増加への政策です。技能実習生制度や、人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)など企業が外国人を低賃金で雇えるような政策を続々と導入しています。
次に、“株主資本主義”を推進するような政策が続々と登場しており
2021年3月からは大企業の社外取締役設置が義務付けられました。
また、7月に経済産業省では投資家や証券会社の専門家など資本市場の知見を持つ人材を社外取締役として選任することを提言しています。
株価や株主、社外取締役に対して目を向けるということはつまり短期的な収益について考えなければいけないということです。
これは、余程の体力のある大企業でもない限り短期的な戦略と長期的な視野の両方を持つことは難しくなります。
仮に長期的な投資が出来たとしてもそれは内部留保から行われるものであり、社員に投資されるというケースは少ないでしょう。
また、派遣労働者に関しても日本は突出して多くなっています。
OECD(経済協力開発機構、加盟は38か国)のデータによれば、2020年におけるパートタイム労働者とフルタイム労働者の比率は、日本が22.9%、最近平均所得で逆転したお隣韓国が10.5%、OECD平均が14.2%となっています。
そして、大企業がこの有様ですと、それより収益性が低い中小企業にも似たような現象が起きてきます。
こうして、日本全体において低賃金政策が行われ続けているのです。
質問者:改めて見ても酷い内容ですね……。どうして政治家の方はこのような短期的な戦略ばかりを取るのでしょうか?
筆者:単純に今政権にいる人や大臣で存在している人たちが“今この瞬間に実績を残したい”ということです。
短期的に担当した部門で数字で実績として残れば評価されますし、長期戦略では後々で数字が出てきた時に担当者だった人が評価されてしまう傾向にあります。
こういったことから、短期で成果を出すことが、党内での出世や重要ポストなどにも大きく影響することから政治家の政策そのものが短期的戦略になってしまいがちなのです。
質問者:何だか、国民の暮らしを良くするために政治家の方って存在しているのに、国民の生活が長期的には良くならないことをやり続けるというのは何だか本末転倒な気もしますけど……。
筆者:まぁ、簡単に今の状況を例えて言うのなら癌細胞を切除せずに抗癌剤治療だけをやり続けている。
そして抗癌剤治療すらもほとんど成果を挙げていないという感じでしょうね(笑)。
あえて、長期的な戦略として政府が考えているのが“増税”です。
一般的に言われている論理としましては、“将来世代に借金を残さない”ということがお題目として高々と掲げられています。
実際問題として、来年からはインボイス制度が始まりまして事実上の1000万円以下の個人事業主に対する増税が始まります。
2024年からは「森林税」が住民税にプラス1000円追加されることが決定されていますし、
先日、2022年8月15日には「こども保険」のための財源が厚生労働省で議論されました。
今後は防衛費を数年で2倍にするための財源確保についても議論されることになるでしょう。
しかしながら、僕の過去の「増税の元凶!? 日本を蝕むPB黒字化目標」
https://ncode.syosetu.com/n0683hq/ を読んで頂きたいのですが、
本来であれば増税をすることなく、財源を国債で発行することは十分可能です。
国民の国債負担率は1.2%、外国人の割合は10%前後。
敢えて国債に関連する数字の中で注視するとしたら、この2つだけで十分です
この事実を知らせないマスコミの印象操作による誤った国家財政観の刷り込みが行われています。
マスコミにも当然海外からのバイアスがかかっており、日本にとって利益にならない方向性に持って行こうという考え方が浸透していきます。
それに反する発信をするメディアは排除され、又は個人が異端児として追放されてしまうことでしょう。
質問者:何だかこれまでの話って全て繋がっているんですね……。
筆者:そうですね。
一つ一つの要素を見ていくとよくわからないのですが、複数の強く推進している政策を並べていくと、
国が推し進めたい方向というのが見えてくるんですね。
これにしっかり、一つ一つNO! を国民が言っていかないとこの流れを変えることはかなり難しいのかなという風に思いますね。
質問者:ところで、政府はここ20年間で国民の可処分所得を40万円以上も下げたという話も以前ありましたが、一体何を考えているのでしょうか……。
筆者:都市伝説の一説によると、“国際金融資本”が主導し、
日本国民を貧困化さ憲法改正による“緊急事態条項”と“ベーシックインカム”によって日本国民を奴隷化するという話が一番極端なところとしてはあります。
質問者:そんなことがあり得るのでしょうか……。
筆者:さぁ~~未来のことを一つに断言することは出来ません(笑)。
僕が思うに政治家のほとんどは『善意の無能』なのかなと思いますね。
短期的な政策を積み重ねていってこれで本当に国が良くなると思っているのが大多数なのでは無いでしょうか? 後は自分の出世のことしか考えていない人が多いのでしょう。
正しい知識を身に付けて総合的に考えられる人間を増やすことがとにかく大事なのかなと思います。
そのためには国民一人一人が他人事ではなく自分のこととして気づいていく必要があるように思えます。
次の項目では、外国に資金を流出させていることについて語っていきたいと思います。