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① 繰り越し20兆円と“妥協の産物”による政策

※予算で計上されている全ての支出が悪いわけではありません。

 また、全ての政治家が国民の利益にならない政策を推進しているとも思いません。

 しかし、現実的に日本に大きく影響を及ぼしている政策は“悪い政策”ばかりだということです。


筆者:今回も僕のエッセイを開いてくださり誠にありがとうございます。 



質問者:今回は日本が国の予算の使い方が下手だということを見ていくようなのですが……。



筆者:これまで僕はですね「PB黒字化目標」についての問題についてはhttps://ncode.syosetu.com/n0683hq/

 で書いたのですが、正直なところこの黒字化目標を削除というのは、財務大臣は内閣に残られましたし、現状の内閣においてはかなり難しいように思います。


 しかし、そもそも今の財政の使い方においても問題があるということを述べていきたいと思います。



質問者:一体どう言う問題があるのでしょうか?



筆者:まずは予算の中では〇〇費と言った費用として今使われているところが注目されていますし、僕も注目してきました。


 しかし、今回注目したいところはこちらです。


 ロイター通信の7月5日の記事で『焦点:政府予算の繰越22兆円、「不用」も過去最大 規模ありきに拍車』

 というものがありましたので、引用させていただきます。


 『[東京 5日 ロイター] - 政府は2021年度決算で、本予算や補正予算で計上した22.4兆円を次年度に繰り越す方針だ。使いきれずに「不用」とする予算も6.3兆円と過去最大となる。コロナ禍で規模ありきの財政運営に拍車がかかる現状が、改めて浮かび上がった。


 財務省が21年度決算をきょう発表する。ロイターが確認した概要によると、歳入の柱となる税収が67.0兆円と、昨年末の補正後見込み額を3.1兆円上回る。所得、法人、消費の「基幹3税」が20年度比でそろって増収となり、前年度に続いて過去最高を更新する。


税収が上振れしたことなどから、国債は21年度発行65.6兆円のうち8兆円を発行未済として処理する。過去に例がない規模の減額処理となる。


 一方、歳出では22兆円余りの予算執行を22年度に繰り越す。政府は21年度当初予算で106.6兆円の歳出を計上。補正予算では35.9兆円の歳出を追加した。


 政府は21年度の補正予算で、感染拡大防止策に加え、事業者向けの復活支援金や資金繰り支援などにも巨費を投じた。21年10月の衆院選で公約化した経済対策との位置付けで緊急性の低い事業も多く含まれ、政府関係者からは「必要なものを積み上げるのが本来あるべき予算の姿」との声が漏れる。』


『一方、20兆円規模のGDPギャップの不足が残る現状に対処するため、与党議員からは「真水50兆円」の追加を求める声が出ている。4―6月期GDPでも内需の柱となる消費回復の足取りが鈍く、企業の投資意欲に力強さを欠けば「対策の上積みを求める声を強めそうだ」(別の政府関係者)との指摘もある。


追加対策の是非判断は「早くて9月になる」(首相周辺)とみられ、首相の諮問機関に近い関係者の1人は「防衛費の増額に加え、環境対応などの予算をどう確保していくかが焦点となる」としている。』


 というように、予算という枠組みを作っても、全ての省庁での合算ではありますが22兆円も使われないまま繰り越されているということです。

 

 ちなみに、この記事の最後にあるような“真水50兆円”というのはGDPギャップと呼ばれるものです。

 簡単に言うともっと支出として使えるのではないか? と思われる金額のことです。

 これは少しハードルが高い事なのでこれ以上は触れておきませんが、そう言う考え方もあります。



質問者:え……今様々な問題があると思うのですが20兆円以上も使われていないのですか……。



筆者:これはですね。補助金などで使おうと思って確保していたものが実際は使われなかったと言ったモノが多いんですね。

 22年度予算については見解が見つからなかったので21年度予算についての政府の見解で恐縮なのですが、『企業の資金繰り支援策や事業再構築補助金などの事業は継続されていますので、繰り越した分も含めて今後着実に予算を執行していく』というのが政府の立場です。



質問者:でも何だか解せない感じがするのですが……。



筆者:通常は財政法では「単年度主義」ということで使い切ることが求められているんです。

 しかし、この様に「不測の事態」などということで使われなかったお金というのがあるんです。

 

 特にこの2年間は感染症対策のための補助金が様々な国際的状況や緊急事態宣言などにより思ったように使えていなかったという点が過去最高規模の繰越金として計上されている原因として挙げられています。



質問者:そこを柔軟に使うことは出来ないのでしょうか……。



筆者:そうなんです。ここがまず一つ目のポイントです。

 補助金の期間を延長するなどして使われないまま終わった予算が謎の枠組みを残している

――その分の20兆円規模のお金を減税に使ってくれれば即座に日本国民はどんなに楽になるか分かりません。


 ちなみに20兆円ともなると、消費税10%で70兆円の税収のようなので2%は最低でも減税できそうです。通常8%、軽減5%にするぐらいのことはなんと国債を1円も追加発行せずとも出来てしまうわけなんです。


 まずは、このことをもっと皆さんに知って欲しいなと思って今回筆をとりました。



質問者:ましてや今は物価高ですからね……。色々柔軟に政策を実行して欲しいです……。



筆者:実際問題として8月15日の政府の発表ではGDPが年率で+2.2%増えたとありました。


 GDPとは国内で生み出された付加価値の実質的な総額を示す国内総生産です。


 しかし、日本国民の実質的な所得を示す実質GDIで見ると、逆に年率-1.2%。となっています。

 これは、国内で生み出された実質的な付加価値は増えたのに、輸入物価の上昇により所得が海外に流出したことから、実質的な所得は逆に減っていることを意味します。


 この一件は中々報道されないことですが、物価指数の上昇と共に世間一般的には景気回復しているように見せかけて、スタグフレーションが進行しています。


こういう政府は、「GDPがコロナ前に戻って来た」とか「物価上昇を許容している」という謎の理由、実情と乖離し続けている誤ったロジックをもって増税に邁進することでしょう。

“見た目のGDP”のために消費税は上がって行っていますが国民の可処分所得は下がっています。


印象操作によって国民は騙されてきましたし、今後も騙されていくのです。



質問者:どうして政治家の方々はこうした明後日の方向を向いた政策ばかりをしてしまうのでしょうか。



筆者:一つは以前「なぜ政治家は国民のために働かないのか?」https://ncode.syosetu.com/n4530ho/

でお話ししたような利権があり、


「マスコミは全てがプロパガンダ!」https://ncode.syosetu.com/n8344hq/の③や④でお話ししたような外圧の問題もあります。

 

 ここではこれまで語ったもの以外で、3つ目の要素として指摘しておきたいのは現代の民主主義の政治というのは妥協や駆け引きの産物で成り立っています。



質問者:妥協とはどう言うことでしょうか?



筆者:かつての君主制国家においては一部の国家元首や独裁者とその周りの人々の極少数の者の意見がほぼ100%通っていました。

 しかし、一部の権力を握っている者が自分の私欲や私情を満たそうとしたことから、君主制国家は打倒され、民主主義国家というものが誕生しました。


 現在の民主主義国家は、君主制国家と比べて国民の声が届きやすくなったと共に、逆に各政治家のバックにいる利害同士がぶつかり合い、

 結果的に“ここを通すからここは諦めてくれ”みたいな「話し合い」が行われるようになりました。

まぁ、派閥以外の政治家同士の会合というのは大体コレだと思ってもらって構いません。


 その結果、名前だけの骨抜き状態の残骸のような政策になったり、

 お題目だけ素晴らしいけど中身は中途半端で悪い成果しか上げないものが出来たりと

 国民にとっては害にしか無いような政策や法案が次々と誕生するのです。



質問者:なるほど……。



筆者:ちなみに、僕が政治エッセイを書くと何作品かに1回のコメント欄では、『あなたは政治家にならないんですか?』という質問を頂くんですけど、

 僕が政治家になりたくない一番の理由もここにあります(笑)。

 

 絶対に自分の信念を曲げないと上には上がれない構造だし、そして上に上がっても結局周りとの“妥協の産物”にしかならないです。

 そしたら、支持してくれた人は失望するし自分も納得できない――ということで今ネットの片隅で自分の言いたいことを言いたいだけ書いているということです(笑)。


 恐らくは理念が素晴らしく結果として売国政策を行っている政治家の方もこういう“妥協の産物”みたいな出来事起きてしまっているんだと思いますね。



質問者:なるほど、色々な人の意見を聞いた結果逆に国民にとって悪い結果になってしまっているわけなんですね……。



筆者:ということで、今回は“各地の意見を聞いた妥協の産物”で出来た日本で起きている“悪い経済政策”を次の項目から見ていこうと思います。

 最後には理想とするべき政治はどうあるべきか? についても述べていこうと思います。


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