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第二話 剣客、森の番人と対峙する

第二話 剣客、森の番人と対峙する



「この森には、ある番人がいるんだけど、そいつは実力主義だから、自分が強さを認めた者しか森の出入りを許さないっていう自己中な奴なんだよね……まあ、私は問答無用でぶっ倒したけど」

「森の番人…。その番人と戦い、強さを認めさせることができれば、晴れて森を出られるということか…」

「でもヨウシン、やめておいた方がいいわ。あなた魔力を持っていないみたいだし…見た感じ、とてもじゃないけどヨウシンは強そうには見えないわ」

「いえ、やってみなければ分かりませんよ。」

「ヨウシン、それはさすがに自殺行為だわ。ひとまず…」

「こうしてはいられない!森の番人と戦ってきます!」


陽心はノルディアの話に耳を貸さずに、番人の居場所も知らぬというのに番人を探しに、森の奥へと駆け抜けていった。


「あ、ちょっと……もう、これだから転生者は…」

(久しぶりに人と会えたから、もう少し話をしたかったんだけど……はあ、まあいいわ。あいつが戻って来たらまた話そっと……)



ーーーーーー



一方その頃、陽心は森を彷徨っていた。内心、ノルディアに番人の居場所を聞いておけばよかったのではと、陽心は一瞬考えたその矢先に、何かが頬を掠めた。


「何者だ?」

「お前こそ一体誰だ?お前みたいな奴をこの森に入れた覚えはないが…」

「拙者は天川陽心。陽心と読んでくれ。拙者と手合わせ願いたい。」

「俺と戦おうって?やめとけ。見た感じ魔力も持っていないようだし、お前、まさか死にに来たのか?」

「死のうなどとは思っていない。拙者は、強者と戦うことを生きがいとしているゆえ、拙者が今考えていることは、ただひとつ。どれほど心躍るような戦いができるのか…それだけだ」

「そんなに戦いたいだったらいいぜ、やってやるよ!そのかわり、死んでも文句言うなよ!!」


そう言って、番人は我先にと陽心に向かって走りだした。

陽心は、まるで、早く俺を使えと唆されたかのように、腰に差した刀に、おもむろに手を伸ばした。実際は、唆されたようにではなく、唆されているのだが……

陽心の持つ刀は、人を斬るほど斬った者の血肉を吸収し、切れ味が増す。そして、その刀を持った者は、闘争を求め、人を斬ることに快感を覚えるようになる。そのこともあり、この刀は、日本では妖刀と呼ばれていた。この人斬りの衝動は陽心でさえも、未だに制御できていない。だが、陽心はまだこの人斬りの衝動を押さえられている部類だ。常人だと、この刀に少しでも触れれば、発狂し、廃人と化す。その様子は、まるで自分の持ち主を選別するかのよう…

刀に手を掛けた陽心の口角が上がる。体が闘争を求め始める。そして、目の前の男を、早く、早く斬りたい、と人斬りの衝動に支配されてゆく。陽心の心が閉じてゆき、妖刀が、陽心の体を支配していく。

そして、ついに陽心と番人の戦いが始まった。


「……風月天朧流…一式〈風斬〉」

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