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流れ星に願いを込めて

作者: 天泣
掲載日:2022/01/26

 流れ星に願いを込めて

 何を願おうか。

 他人の幸福か?

 それとも自分の不幸か?

 自分を犠牲にし、他人を優先させる。

 その心はいいが


 この世の中では生きていけない



 私が幼いころの話でよく聞いた話。

 流れ星が見れた日はこの話をされました。

 おかげで今年成人を迎える私は人の不幸は蜜の味だと思うようになった「悪い子」に成長しました。


 人々はただこの地球(ほし)に降ってくる星に願いを言っているだけなんですよ。自分たちにはその願いを叶えようとする力がないんです。だから人々は星に縋るんです。病は気から。なんて言いますでしょう?あれと同じですよ。できないと思っているからできないだけで、本当はできるんですよ。それを知らない自分たちは星が叶えてくれたしか思っていないんですよ。なんて滑稽でしょうね。私は星に願いなんて言いませんよ。私は自分の力で叶えるんですから。


 私は何人もの人々を踏み台にし上へ登ってきたのです。人を助けるために立ち止まったり、他の人に手を差し伸べるために下へ降っていったり、そんなことはしません。私が上へ行ければそれでいい。私はそんな自己中心的な人間です。馬鹿にしても構いません。軽蔑しても構いません。しかし、私の人生だけは馬鹿にはしないでください。私の人生は私の生きた証であり、それまで私が生きていた理由ですから。


 私は上へと目指したいんです。私は誰よりも偉い人になって幸せになりたいんです。頭が良くて、運動ができて、色々な人から信頼、信用、尊敬されていて、お金が沢山あって、顔が良くて、社会的地位がある人になりたいんです。それが人間の幸せなんでしょう?そのためには誰よりも1番にならないといけないんです。だから私は他人がどうなろうと関係なく、もしかしたら他人を利用したり、騙したりしてまで上に行こうとするのです。私には人間の幸せなんて分かりません。今まで言っていた人間の幸せは私の両親が言っていたことです。頭が良ければいい会社に入れて、お金も沢山貰えて、お金持ちなら顔がいい、頭がいい、家系がいい人と結婚できると。それが幸せなんだと。私はそれを疑いませんでした。私の両親が絶対で反論は許されないからです。だから私は頑張りました。他人に冷徹になりました。誰も近寄らなくなりました。しかし、私はまだまだ上を目指すのです。


 普通の幸せを得るために。


 いつからか私は人形になってしまったのでしょう?ただ黙々と上だけを目指す人形に。頂点にたった時、そこには孤独な私しかいませんでした。他人に冷徹にしていた私についてくる人はいるはずがなかったのです。どんだけ下を見下ろしても誰一人としていなくて、あぁ、これが幸せなんだと思うようになりました。誰もいない。自分が頂点になれること。それがこの上ない幸せなんだと。しかし、他人を見てみるとどうでしょう。他の人と仲良く上を目指していたのです。おしゃべりをしながら、楽しそうに、上を。私より遥かに遅い速度でした。しかし私はそこに羨ましい感情を抱きました。孤独な自分が虚しく感じたのです。1人で早い速度で登っても何も楽しくはないんだと、幸せではないんだと。頭が良く、お金もあるのに私には婚約者どころか恋人すらいませんでした。物凄い速度で登っていく私について行くことが出来なかったのです。


あぁ、やり直したい。もう一度だけやり直したい。



たった一つ、たった一つ願いが叶うのあらば

私は人並みの幸せを得たい。

今まで知らなかった人並みの幸せを

知りたい。

感じたい。


 流れ星に願いを込めて

 何を願おうか。

 自分の幸福か?

 それとも他人の不幸か?

 他人を犠牲にし、自分を優先させる。

 その心はいいが


 この世の中で幸せに生きていけない


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