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一番 気づかない幸せ

『中学2年』

それは一生の中で一番楽しい時期だと思っていた。

あの日までは…。



4月。春休みが終わり中学2年としての生活がスタートした。

今日から自分も先パイなんだと思うとワクワクして仕方がなかった。

いつもより速く家を出る。

その日は激しい雨が降っていた。

――制服に着替えちゃったけど…。濡れないかなぁ…?

私はセーラー服が雨に濡れないか心配したけど、すぐに

「先パイ」という慣れない言葉に胸を膨らませ、セーラー服の心配を忘れた。


「行ってきまーす☆」


私は勢いよく家を出た。

私の住んでいる所はまぁまぁ田舎。学校は古く、通学方法も徒歩か自転車。

こんな時に限って都会の進学校が羨ましく感じる。

私のワクワクをあざ笑うように雨は私のセーラー服を濡らした。


学校に着くと既に制服はびしょびしょ…。

私は濡れて膝にまとわりつくスカートを手で掴み上げながら廊下を歩いた。


今日は始業式。

私の学校は、始業式が終わったらクラス発表があるという、楽しみは最後に取っておけ手法の学校だ。だから朝は去年と同じクラスメイトと顔を合わせる事になる。


学年だけ変わったクラスに入ると既に登校していた、小学校から仲のいい友達が声をかけてきた。


「ァュミおはよ〜」


「おはよ〜。」


「雨ヤバかったらぁ?」


「ヤバかったぁ。スカートもぅびしょびしょだし…。」


「ぁたしも!!」


そんな何気ない会話をして朝のHRを待った。



ただこの会話が一番幸せなんて気づきもせずに…。


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