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着流し侍無双旅  作者: ねこむ
9/89

怒れる侍悪を討つ

怒れる侍出陣です

ベルムは暗がりの迫る街を走る


息が切れても構う事無くただひたすらに


神殿の扉を開け神官たちの間をすり抜け


神官長ギーンの部屋に駆け込む救い主がそこに居ることを信じて


「どうしたのじゃベルムそんなに慌てて」


ギーンの問いに答えるその間さえも惜しいと部屋の中を見回し


そしてベルムは見つけ出す猫目丸を


「頼む猫目丸ケイトをあいつを救ってやってくれ」


ベルムの悲痛な叫びに立ち上がる猫目丸


ベルムの話を聞いた猫目丸はベルムをギーンに任せると


一人部屋を出ようとする


「どこへ行かれる?」


「ロムスという外道の元へ」


「お一人でか?」


「いかにもこれがわが勤めなれば」


「ロムスとケイトは今どこに居る?」


どこからとも無く現れた影が答える


「ロムスならびにケイト嬢はロムスが町の西側に所有する倉庫の中に見張りの者を付けてあります」


うなずく猫目丸に息を整えたベルムが従う


「影に命じる二人を最速で送り届けよ、そしてザベック殿に使いを立てよ」


二人が神殿を出ると馬車が待っており二人の乗車を確認すると


矢のように走り出す


程なくして馬車は止まる


「ベルム、惚れた女を守るのはお前の役目だ道は俺が作る辿り着いたら是が非にでも守れいいな」


猫目丸の言葉に頷き馬車から一緒に降りる


月に照らされた倉庫の前に居た男たちを声を上げさせるまもなく無力化する猫目丸


扉に手を掛けると勢いよく開け放つ


視線を自分に集めると怒りを込めて言い放つ


「外道共お前らは今日で終いだ」


倉庫内を振るわせるその声にひるむロムスと配下の悪党たち


「貴様この娘がどうなってもいいのか?」


ロムスはケイトを人質にしようとするが


「馬鹿がお前らがひるんだ隙に惚れた男の腕の中に預けてあるよ」


そう言って舌を出す猫目丸


訳も解らずにその腕で抱いているベルムと抱かれているケイト


二人に微笑むと猫目丸はその顔を怒りに染めて


「惚れあう二人を引き裂く外道には天の裁きが待っている覚悟するだな」


そう言って腰の刀を抜き払う


「こちらは100人、相手でまともに戦えるのは一人だぞお前達逆に始末してやれ」


ロムスは配下を叱咤する


ロムスの指示で猫目丸に向かってくる男達


剣を抜くと襲い掛かる倉庫内に剣同士がぶつかり合う音が響く


ひやひやとケイトを抱きながら見つめるベルム


「すごい」ベルムの腕の中で平静を取り戻したケイトが目を見張り呟く


その言葉驚いてケイトに聞き返すベルム


「すごいって一方的に押されてるじゃないか」


「でもよく考えてあれだけ一方的に押されているのに何であいつらがこっちに来ないの?」


「そう言えばなんでだ?」


「あの人あの数を捌いて相手を押し下げてるまるでまるで伝説の剣聖のように」


その間も猫目丸は剣を捌き続けそして


猫目丸の刀が放つ銀線が相手の剣を切り払う


柄だけにされてしまった自分の得物を力なく見つめる男たちを次々無力化させると


「後はお前だけだロムス」


そう言って刀を向けるとロムスは慌てるどころか笑みを浮かべる


「見事な腕だしかし私に指一本でも触れてみろ貴様は後悔することになるこの私には多くの後ろ盾が居る私


の連絡が取れなくなっただけで兵を動かす方々がな」


「ほうそれは大変だな」


そう言うと刀を鞘に納めると固めた拳をロムスの腹に叩き込む


あまりの痛みと苦しさに身動きも取れなくなるロムス


「きざま解っているのか自分のやっていることを」


必死に言葉を吐くロムスに猫目丸は


「この俺に手を出して後悔するのはお前の後ろ盾のほうだどんなに高貴な身分でも神に喧嘩は売れぬだろ」


ロムスは自分の愚かさを理解してしまった


「まさかお前に依頼を出したのは・・・・」


その顔を白いほど血の気を引かせて尋ねる


「ああこの世界の神つまり天だ」


捕縛に訪れたザベックにロムスは潔く罪を認め捕らえられた


だがその姿は恐怖により年齢よりもはるかに老いていた







惚れあう二人は・・・・

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