神様の依頼一件目
神様からの依頼です
冒険者登録から数日が過ぎたある夜
夢の中に玄孫神様が現れます
「猫目丸順調に役目を果たしてくれていることうれしく思うぞ」
玄孫神様は笑みを浮かべる
「さて今日夢までおぬしを訪ねてきたのは本格的にわしからの依頼を頼みたくての」
玄孫神様は顔を歪ませると
「商業都市ギルフィアで暗躍する人身売買組織を摘発せよこれが今回の依頼じゃそれでは頼んだぞ情報が欲
しければわが神殿を訪ねるがよい神官達にお前の人となりを伝えて協力を命じてある相手は手段種族を問わ
ず他者を売り買いする外道じゃ容赦せず徹底的に叩きのめしてやれ」
そう言葉を残し玄孫神様は夢から消える
翌朝
猫目丸は朝早くから玄孫神様の神殿を訪ねていた
「ようこそいらっしゃられた猫目丸殿わしはこの神殿の神官長でギーンじゃ遠慮なく頼ってくれてかまわん
よ」
猫目丸は遠慮なく情報をもらうまずひとつこの世界には法律で認められた職業奴隷と違法な隷属奴隷があり
職業奴隷は元の世界で言うところの契約社員に近いもので主人が契約に定められた賃金と待遇を保証するか
わりに好条件の職場を見つけても規定の年数が消化されるまでは主人を変えることはできないと言う物で
隷属奴隷は文字通り主人が呪印の力で奴隷に隷属を強いるもので解放は主人次第な上待遇ならびに賃金など
を払わなくても直接罰せられる法律はない
「玄孫神様が摘発を命じられたのは隷属奴隷の闇組織じゃな軽く調べさせただけでも胸糞が悪くなる金を
払った主人の依頼で望みの相手を攫って調達する組織で幼子が拉致され親元に帰っても奴隷にされた先で親
に売られたと信じ込まされているので親子の関係を取り戻すのにかなりの時間がかかる」
ギーンは顔を歪め怒りに体を震わせている
「ギルフィアの商業ギルド内に潜伏しておるから誰か商人の助けが必要じゃな誰か信頼できる知り合いは居
らんか?」
ギーンの問いにすぐに頭に浮かんだのは商人のベルムだった
「一人心当たりがいますね、商人のベルム」
「何じゃベル坊を知っておるのか」
「ベル坊ってもしかして」
「いかにもベルムの新生の洗礼と成人の儀を受け持ったのはわしじゃよやつの祖父がわしの友人だった縁で
なあそこの家族全員の洗礼と成人の儀はわしが責任を持ってやっておるしかしならば話が早いベル坊に頼め
ばいい奴なら100%信頼して大丈夫だ」
この言葉に押されギーンに教えられた自宅を訪ねる
「ベルムいるか、猫目丸なんだが?」
ドアの前で声をかけると
「猫目丸よく俺の自宅がわかったな」
玄関から顔を出したベルムが目を丸くする
まあは入れよと家の中へ招き入れるベルム
「それで俺に何か用か?」
「実は・・・・・・・・」
猫目丸はベルム正直に人身売買組織摘発のため商業ギルド内部の調査に協力してほしいと頼む
それを聞き笑い出すベルム
「お前さ俺が組織のメンバーだったらどうしたんだ」
「いやそれは無いな」
「なぜだ?」
「衛兵のケイトに惚れてるお前が悪人だって誰が信じるよ」
「ちょっお前それで判断するってひどくないか」
「ほかにも神官長のギーンさんのお墨付きがあるしなお前の爺さんの代から3代続けて真正直者だとさ」
この言葉にベルムは恐縮する
「なっ、ギーンの爺さんはまったく」
「いいことじゃないか商人の正直さは信頼につながるしな」
「まったく、任せろ商人の風上にも置けない連中は必ず見つけ出してやる」
そう言って手を出すと猫目丸と握手を交わす
ベルムが商業ギルド内で情報収集