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着流し侍無双旅  作者: ねこむ
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朝日に輝く異世界

異世界到着

道が無くなり辺りは野原に変わる昇ってくる朝日が地面に生える草花を染め輝かせる


その美しさに目をやっていると街道脇に馬車を止め炊事をしている男が居たのだが見るからに手際が悪く見てられない


猫目丸は男に声を掛け「近くの町まで連れて行ってくれるなら自分が代わりに炊事を請け負うが」と持ちかけると男は「そんなことでいいなら構わない」と言って「お前の分も含めて二人分作ってくれ」と逆に頼まれるのだった


「使えるのは固焼きのパンとジャガイモ・干し肉・たまねぎ充分旨いのができるぞ」


そう言ってきれいに洗われたジャガイモを手早く皮をむき同じくたまねぎも皮をむく


そして両方を火が通りやすいようにカットして囲炉裏の上に置かれた鍋の中に少量の水と一緒に割いた干し肉を入れ香りがたつまで煮立たせその中へ野菜を投入軽く混ぜた後


水を足し少し煮込む

煮込んでいる間にパンを切って囲炉裏で軽くあぶってさらに敷き上から煮えた具沢山スープを掛ければ


「出来上がりだ」

そう言って男に皿を渡す


男は待ちかねたそれをスプーンでパンと一緒にすくって口に運ぶ

「うめえあれだけの材料こんなにうまいものが外で食えるなんて」

そう言って笑みを浮かべる


「ありがとな正直俺料理が下手で食えればましって感じだからこんな旨い物を作れるあんたを尊敬するぜ、約束は守るこの先の町まで一緒に行こう見たところ日の本の人だろ町に入るのに保証人が居たほうがいい難癖を役人につけられないからな俺が引き受けよう」

そう言って胸を叩く


「俺は商人のベルムだあんたは?」


「天照流の武芸者で猫目丸だ」


「武芸者って日の本の戦士のことだよなコリャ有難い護衛料を出すから何かあったら頼めるか?」


「ああ構わんさ馬車に乗せてもらえるだけでも有難いよ」


そうして意気投合した二人はベルムの馬車で町を目指す


日も高くなり人や馬車が行き交うころ


「よしあそこの丘を越えれば下った先がもう町だ何事も無く着けそうだ」

ほっと胸をなでおろしたベルムだったが逆に猫目丸は何かの気配を感じていた


「ベルム俺はいったんあの丘の手前で降りるがお前はそのまま進んでくれ」

猫目丸の様子に気を引き締めるベルム


「何か気になるのか?」

前を向いたまま尋ねると


「さっきから後をつけてるやつが居るたいした人数じゃないんだが気を抜いたところを狙われても面倒だこっちから出向いてやろう」

猫目丸はにっこり笑う


ベルムは相手に同情する以前雇った冒険者が言っていた

「ばれている襲撃なんて何も怖くない特に武術を修めた人間にとってはまな板の上に載った食材を切るのと大差ない」と


馬車は丘の下に辿り尽き


猫目丸はふわりと地面に降りると馬車はそのまま進む


そして馬車が離れていくのにこらえ切れなくなった男たちが五人猫目丸の前に現れ道をふさぐ邪魔者に襲い掛かるが


「やっぱり雑魚だったか」

そうつぶやくと刀を抜いて瞬く間に失神させる


男たちは自分が何をされたのかさえ解らなかった


そしてベルムが丘の向こうに消えてわずかばかりの後ベルムは町の衛兵と一緒に現れる


男たちを確認した衛兵達の隊長は猫目丸に握手を求め


「見事な手並み感服しましたこいつらは最近流れてきた盗賊で手を焼いてましたあなたのおかげで町に居る共犯者の名前もすぐに割れるでしょう本当にありがとうございます」


そう言って頭を下げる男はザベックと名乗ると男たちを縄で縛り上げ護送車に放り込み


「後でまた」


そう言って町に戻っていった


「いい人じゃないか隊長さん」


迎えに来たベルムに尋ねると


「ザベックさんはな貴族なのに平民にも優しいそれは俺も同意するんだが部下の衛兵に厄介な奴がいるんだ」


ベルムは面倒くさそうに顔を歪ませる

日の本嫌いのお姉さん

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