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着流し侍無双旅  作者: ねこむ
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ゴブリンの花盛り

冒険者稼業再開です

冒険者稼業を再開して数日経ったある日それが発見されたのはある偶然だった


彼等はギルフィアへの移動中地面を覆いつくさんばかりのゴブリンの大群を発見する


彼等は道を戻ることを選択せずにギルフィアを目指す


理由は彼らがゴブリンでありながら人の言葉を理解し多種族と交流していたからであった


「僕らはゴブだけど人間さんが好きだから一緒に戦う」


彼等のようなゴブリンはこの世界には多く同じゴブリンであっても獣のように欲望に支配された連中を仲間


とは見なさなかった


冒険者ギルドに猫目丸が着いたときギルドの中に小柄な体に武装したゴブリン達が待っていた


「猫目丸お前に偏見がないならこいつらを戦場に連れて行って欲しいんだがまったくほかのやつらは器が小


さくてこいつらを仲間として受け入れられないそうだ」


「負ければすべてあいつらの腹の中だってのにのんきなことだ」


「解ってないんだろこいつらがこの町のために命を張った決死隊だってことが」


猫目丸はその場に居たゴブリン決死隊の面々に声をかけると


彼らをつれて矢面に立つそして彼らに背を預けると抜いた刀を脇に構えると


「風の太刀風神一閃」


横薙ぎに振るわれた猫目丸の刀は幾筋もの竜巻を巻き起こし地を覆うゴブリン達を巻き込みなぎ払う


その技に歓声を上げたゴブリン決死隊は手にしたナイフを振りかざし押し寄せるゴブリン達に襲い掛かる


小柄な体躯を生かしすばやく動いて敵を切りつける敵のゴブリンが彼らに何か言って嗤うが


決死隊のメンバーは気にすることもなく


「お前らと一緒にするな無ければ全て奪えばいいだとそれがゴブたちの世界を狭めたのだろうがゴブたち


は多種族と繋がって世界を広げるんだ、ただ奪い繁殖するだけのお前らと同じなんかじゃない」


彼らは口々にそう叫びただ奪い繁殖するだけの敵を血塗れにして倒していくその目からは次第に涙が流れ


落ち彼らの覚悟を他者に思い知らせた


夕日が迫る頃になって戦場に角笛が響くと


押し寄せていたゴブリンは潮が引くように身を翻し消え去る


ゴブリン決死隊の面々が生き残ったことを喜び合いながらも浮かぬ顔をする


「どうしたんだ何か気になることでもあるのか?」


猫目丸の問いにゴブリン決死隊のリーダーが


「猫目丸さんとカーベックさんに大事な話がある敵の事で」


猫目丸は頷くとギルドへ急いで戻る


途中の酒場では先に戻った冒険者たちが杯を手に喜び合っているがその脇を足早に過ぎてギルドに辿り着


くギルドで決死隊のリーダーはドンと名乗り


「やつら確実に王に率いられているだから王を倒さないと終わらない」


「ゴブリンキングが居るのか心配するなこいつはオークキングとさしで向かい合えるつわものだ」


そう言って猫目丸の肩を叩く


「人間さんの言っているゴブリンキングと僕が言っている王は違う」


説明によると一般的にゴブリンキングと呼ばれているものは言わば勉強中の王子で本当の王は体躯も


遥かに大きく邪悪で知恵に富むのだそうで口伝によれば最後に現れた王はオーガ並みの体躯だったという


そして最大の特徴は先ほど鳴り響いた角笛あれを必ず配下に作らせ合図に使うのだという


「それじゃ何か戦術まで使いこなしかねんゴブリンキング真の王種がこの町を狙っているっていうのか」


背中に汗が流れごくりとつばを飲み込むとカーベックは口を開く


「だとすると初日から見せすぎたかも知れんな奴等に」


「構わんさ俺が斬れば済む話だろ」


猫目丸の言葉に耳を疑ったドン


「猫目丸さん王なら率いている人数は少なく見積もっても1000を超えるんですよ、死んじゃいます


よ」


慌てて止めようとするが猫目丸にこりと笑うと


「死にやせんよせっかくかわいい恋人も立候補してくれたばかりだしお前らみたいな死なせたくない奴等


もできた伊達にEXランクなんて代物じゃないんだ一騎当千の実力お見せしよう」


そう言って立ち上がるなおも止めようとするドンをカーベックが止める


「ドン止めるな今の俺たちにはあいつを送り出すことしかできんのだ、そしてあいつが王に少しでも近づ


けるよう取り巻き共をこっちへできるだけ引き付けるんだできるなお前もあいつらの隊長なら」


そういうカーベックの視線の先で涙を流しながら不恰好な敬礼をして見送る決死隊の面々がいた


「無念なのは俺も同じだだからやつらを釘付けにするぞお前ら」


そして夜が明ける朝日が大地を染める頃再びゴブリン達が押し寄せる昨夜のうちにカーベックから指示が


飛んだ冒険者達は口々にに叫ぶ


「ふざけんじゃねえぞ侍おやじ俺達のヒロインを掻っ攫っておきながら自分には力があり責任があるから


だとそんなの知ったことか無事に帰ってこなかったら承知しねえ悔しかったら一騎当千証明しろや」


そのとき角笛とともに響き渡る異形の咆哮


思わずその声の主に目をやると


見た目こそわずかにゴブリンらしさを残してはいるがその体躯ははるかに大きく先日のオークキングをも


凌駕しその頭に頭蓋で造られたと思しき冠をかぶりその足元には


攫われ陵辱されたものと思しき女性たちが


力なく従えさせられていた

ゴブリンキングを倒すために着流し侍出陣です

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