ギルフィア襲撃
ギルフィア襲撃の日
ある日の昼下がりそれは始まった
町のあちこちで火が放たれ逃げ惑う人々に凶刃が振るわれる
数人の冒険者たちと共に襲撃者達を撃退する猫目丸の前に一組の男女が現れる
「こんにちは冒険者の諸君、特に猫目丸君には家の者が世話になったようだねなので君にはお礼を渡したく
てね君の知人の三人も招待してある遠慮なく来てくれ給え」
男は笑みを浮かべながらそう言いながら歩き去り
「早く来ないとあなたの知人が私達のもてなしで大変なことになっちゃうかもね」
女もそう言って笑いながら歩き去る
そこに現れたカーベックは
「折角の招待だ行って来な猫目丸、お前が居ないのはきついがだが無理って訳じゃない」
そう言って振り向きざまに手にしたハルバードで後ろから迫っていた敵をなぎ払うと笑みを浮かべ
「さあ行って来いそしてあいつ等を頼むぞ」
そう言って自ら押され始めている場所へ乱入し押し返し叩き潰す
猫目丸は頭を下げ二人の後を追う
途中顔をあわせたザベックはただ一言
「カーベックから聞いた馬鹿な奴等だ俺達さえ抑えれば自分達の思い通りになるなんて考えているとは後悔
させてやれお前の知人に手を出したことを、こっちは任せておけこの町を預かる領主として奴等の好きには
させん」
そう言って拳を上げるカーベックは
「さあ野郎共俺達衛兵の大舞台だ、後で役立たずなどと陰口を叩かれたくなかったら冒険者に負けずに働き
やがれお前らにはそれをできるだけの力は叩き込んであるはずだぞ」
明かされた領主であり隊長でもあるザベックの言葉に奮い立つ衛兵達
声を上げ自ら先陣を切るザベックに従い襲撃者達を次々に打ち倒す
猫目丸はその声を背に受けて凶賊の待ち受ける廃屋へひた走る
「遅いじゃないか待ちくたびれるところだったよ猫目丸」
男はそう言って肩をすくめる彼の足元には殴られながらも自分の体で恋人を守ったベルムと今まさにその身
に危険が及ばんとする衣服を引き裂かれたケイトとマルードが居た
「今はまだ手を出したらだめよ彼に絶望を味わって貰わないといけないのだから」
女の命令に渋々手を止める男達
「まずは名乗らないとだねこの僕が血濡れの髑髏のリーダースカルだ」
「そして私がサブリーダーのブラッドよ」
二人は名乗るとスカルが
「ではルールを説明しよう君が彼らを助けるのに抵抗は認めるが回避や捌くのは認めないつまり自らの体で
受け止めてもらうなに僕も武器を使うなんて野暮じゃないこちらも使うのは手足のみだ、君はその条件で僕
のメンバーを全員倒せばいいそれだけだそれを成し遂げたらこちらもおとなしく投降しようなかなかいい趣
向だろう」
スカルはそう言って笑みを浮かべる
「猫目丸私達のことはいいから気にせず全員ぶちのめして」
「そうだおっさんこんなやつらが約束を守るもんか覚悟はできてるんだやっちまえ」
敵に捕らわれたままのケイトとマルードが叫ぶと
「それは心外だね、ミスマルード僕の言葉に偽りはない彼がここまでこれたら君達は解放するし僕と彼女も
投降する」
スカルがそう言うとブラッドも
「ええそうよだってルールのないただの殺戮には飽きたのよこれはゲームだからルールは守るわ、勝者の総
取り敗者には口を挟む余地はないぞくぞくするたまらない」
ブラッドは顔を赤く染め身をよじる
「狂ってるわよあんた達」
ケイトの叫びにスカルは
「ああ僕達も自覚してるよでもやめられないんだこのスリルと興奮はね今まで99人とこのゲームをやって全
て僕らの勝ちだ100人目の彼はどうかな僕等の所まで来られるかそれとも途中で力尽きるのか楽しみだ」
そう言って子供のような笑みを浮かべる
猫目丸は周りを見回すと
「あの二人を含めてざっと100人か」
そう言うと目の前の男が
「ここに居るのがうちの上位100人だ外に居る連中のほうが数は多いが強さは倍じゃきかないぜ」
その言葉に猫目丸は
「ご丁寧にどうも」
そう言いながら先手必勝固めた拳で目の前の男を殴りつける
男は一撃で白目を向き地面に沈む
ステータスに任せた力任せな攻撃ではあったが男を沈めるには十分だった
猫目丸は凶暴な笑みを浮かべると獲物を見つめるかのような目で
向かってくる敵を殴る
向かってくる敵を蹴る
向かってくる敵を掴んで投げ飛ばす
1対100の戦いが終わったのは一時間も経たない時だった
100人には勝ったのだが・・・・