家には……
俺の家には……。
何となく思いついた設定を最後に伝える、ただそれだけの物語。伏線とかオチなどは一切ありません。
辛い学校が今日も終わり家に帰ると何時も通りの日課を始めた。スマホゲームのスタミナを使い、パソコンでネット小説の更新チェックし読む。
何気ない日常だ。
俺が家に帰ってから三十分も経たない内に弟が帰って来た。
中学校から帰って来た弟は部屋に入るなり俺にゲームの準備を頼んで自分は制服を脱ぐ。
溜息を吐きつつもゲームもコンセントを付ける。
これも俺の日常だ。
Web小説を読んでる最中に真後ろでゲームをされると集中できない。
だけど、何度言っても止めてくれない。「うるさいから止めろ」と苦情を言うが「ここでしか出来ないからしょうがない」と返される。
こんな会話も俺の日常である。
晩ご飯を食べてお風呂も入った後、俺は再びパソコンでなろうサイトの小説を読む。
実際の本を読む時もあれば、Webで読む時もあるが基本的に学校では本の小説を、家では漫画、なろうサイト、その他サイトの小説を一日交代でループする。
要するに、今時の男子高校生らしく友達と放課後にゲーセンで遊んだり、部活動に打ち込んだりとせずに本を買う為のバイトだけ。その他は家でゴロゴロ本を読んでいる半ニート状態。うちの学校では俺みたいな奴をバイト勢などと言う。特に長く続けている俺なんかはある意味尊敬されている。主にニート共から。
そんな毎日が俺の日常。
さっきまで読んでいた小説を最新話まで読み終わり、作者のマイページをチェック。この人はこの作品しか書いてないのか、残念だな。
俺は基本的に一度読んだ作品の作者が書いてある別作品は読む、タイトルに惹かれなくても読む。なろうサイトだと書籍と違ってお金がかからないから基本的に何でも読む。
それでも、読んでいる作品が書籍化されるとネット通販で買う。その為、弟には「また知らない本が増えてる」と怒られる。別に、お前のお金じゃなくて自分で働いたお金で買ってるから怒られる意味が分からない。
あ、そろそろ本棚を追加で買わないと溢れるな。
不意に下の階から怒声が聞こえて来た。
ヘッドホンでゲームをしていた弟も俺に一呼吸遅れて気づく。
俺と弟の心情は同じだ。
奴が帰って来た!!
今度は別の声が響く。
下の階は今、戦場だ。俺も弟も死地に自分から進んで降りるバカではない。
だが、自ら死地に向かわなければならなくなった。なぜなら、奴に名前を呼ばれたからだ。
今日は俺ではなく、弟が生贄に捧げられた。
こんな他の家と違うことも俺の日常になっている。
弟に激励を送って死地に送りだす。
心の中ではいつ自分が呼ばれるかビクビクしながら小説を読む始める。
小説を読みながらも俺の耳には怒声が入ってくる。
内容は本当に理不尽な事ばかり、そのことから俺と弟は奴の事をある名前で呼ぶ。
なろうサイトでもよく見かける名前だ。
いい奴だったり、敵だったり、味方だったり、主人公だったり、何人もいたり、一人しかいなかったり、伝説の存在だったり、職業だったり、作品によってまちまちだけどその名前だけは全世界で知らない人はいないと言うくらい有名な名前。
俺と弟はその名前を使いこう言う。
「家には魔王がいる」
これが俺の日常。
分かりにくく訳の分からない作品を最後まで読んでくださりありがとうございました。
また何か書くかも?