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魔術学園の復讐者  作者: ふう
3/3

第2話 入学試験①

俺は今、過去最高に集中している。一分一秒も無駄に出来ない・・・・・・。


「だああああああ!!!!なんで今更勉強なんかしてんだよ!!おれ!!」


そう言いながら、机と向かいながら必死にペンを動かし続ける。目の下には大きなクマができている。辛い。もう2日くらい寝てない。辛い。なんかもう、あれだ、辛い。辛いがゲシュタルト崩壊起こし始めてきた。

何でおれがこんな事をしているというと、話は両親に入学を勧められたときに遡る。



《《《《《《《《《《《《《《《《《《《《《《



「学園に入って欲しいとは言ったが、試験は自力で受かれよ??ちなみに実技試験の他にも筆記試験もあるからな??」


父さんはさも当然のように、呟いた。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」




国立ヘルネス学園。国内有数の魔術名門校であり、教員も一流の魔術師が揃っている。有名人も多数輩出しており、卒業後は魔特に所属する者や、有名企業のお抱え魔術など輝かしい成績を残してる。ヘルネス学園が名門校と呼ばれるのはその教育方針によるものが大きいだろう。この学校は他の魔術学園と比べて、生徒の実力を重視している。まあ、所謂実力至上主義というやつだ。

魔術学園は普通の学校と違い、魔術師ランキングとは別な校内ランキングというものがある。ランキングの基準やルールは学校によって違うが、ヘルネス学園は一年に3回行われる校内ランキング戦によって順位が決まる。この制度によって、例え魔術師ランキングが低くても、戦い方や工夫によって格上の者に勝つことも不可能では無い。

学園を優秀な成績を残して卒業することが出来れば、様々な企業や部隊から引く手あまたで、輝かしい未来が約束されたも同然だ。よって、生徒たちは一つでも順位を上げようと切磋琢磨し合う。

これが、ヘルネス学園が名門校と言われる所以だ。



つまりだ、そんな有名校の入学試験が

『簡単な訳がない』



ヘルネス学園の入学試験は実技試験と筆記試験の二つがある。例え実技試験でいい結果だろうが、筆記試験で碌な成績を残さないと入学は厳しい。

筆記試験は一般教養と魔術の専門的な知識の問題らしいが、俺は昔から訓練と任務しかやってきていない。魔術の知識は嫌というほど教えられてきたが、一般教養なんて両親から最低限のことして学んできていない。



「母さん父さんが提案してきたんだから、学園には試験パスして入れると思ってたわ!どうにかしてくれよ!」


「いやいや、お前だけズルをして入れる訳がないだろう。それは頑張って入学しようとしている者をバカにしていると同義だ」


「悠ちゃんがんばって〜!!母さん応援してるわよ!!!」



・・・・・・・・はぁ。



「正論すぎて何も文句言えん・・・・・・」




《《《《《《《《《《《《《《《《《《《《《


話は冒頭に戻る。



「くそぉ、これでも七賢人の一人なんだけどなぁ。両親には何年経っても勝てないな・・・・」


ペンを動かしながら、そう呟く。


「やってやるぞおおおおおおお!!」


その後、気を失うまでメチャクチャ勉強した。





《《《《《《《《《《《《《《《《《《《《《《

試験当日



とうとうこの日が来てしまった。。。

俺は今ヘルネス学園の目の前にいる。でっかい。さすがは国内有数の名門校だ。

ちなみに、筆記試験に備えてメチャクチャ勉強したが、あんまり自信がない。まあ、ここまで来たらやるしかない。実技試験は満点だろうしな、気楽に行こう。


「うっし!頑張ろう!!」



《《《《《《《《《《《《《《《《《《《《《《


「そこまで!ペンを置きなさい。今から試験官が回答用紙を回収します」



「この後は昼休憩を挟んだのち、実技試験に移ります。それまで各自休憩して下さい」


試験官がそう言うと受験者たちは席を立ち、皆試験会場を出て行く。


「やっと終わった・・・・・一応解けたはず。解けたよな??」


悠人は机に伏してボソボソと独り言をつぶやいていた。


「あの問題は確実に解けたし、いや、どうだったかな・・・・・あああ!!!今さら心配になってきた!!!」


そんなくだらないことを言っていると、隣から笑い声が聞こえてきた。やばい、おれ変な人みたいだ。恥ずかしい・・・死にたい・・・・・・



「ふふふっっ、あ!笑っちゃってごめんね!なんか君を見てたら気が抜けちゃって・・・!」



隣を見ると、セミロングほどの長さの銀髪をした少女がいた。顔を見てみる。クリッとした少しツリ目な大きな瞳。通った鼻筋に桜色のくちびる。

なんだから優しげな雰囲気を持った人だな。

なんというか


「めちゃくちゃ可愛いな・・・」


あれ、おれ口に出ちゃってる????


すると少女の母が茹でたタコのように真っ赤に染まった。



「もぅ、やめてよ・・・・・!田舎出身だからそういうお世辞には慣れてないんだよ・・・・」



「ああ・・・・ごめん。ところで君はご飯食べに行かないの?今日は特別にここの学食使えるらしいぞ???」


赤くなった顔からようやく元に戻った少女は

口を開く。


「私、さっきも言ったけど田舎から試験を受けにきたの!だから知ってる人一人もいなくて・・・・一人でご飯食べるの寂しいでしょ?だから、私と同じような一人の人を誘って行こうと思ったら、隣の人が、ぼそぼそ何か言ってるから気になっちゃって!」


少女はハニカムような笑顔を向けてそう言った。

笑顔が眩しい。寝不足で弱ってる俺はこのまま溶けてしまうかと思った。それもそれでいいな・・

そんな変態的なことを話してると向こうが話しかけてきた。



「ねえねえ!もしよかったら一緒にご飯食べに行かない?良かったらだけど・・・」


少女は上目遣いをして俺に言ってきた。こんな可愛い仕草されたら断れるわけねえだろ!!!

男は女の上目遣いに弱いのだ。



「お、おう!いいぞ!俺も知り合いは特にいないし!俺の名前は周防悠人!よろしくな!」


そう言って握手を求めた。


「私の名前はアイリスティーナ=ホワイト!アイリスって呼んで!!」


手を握り返してくれた。ちょっとドキドキしたのは秘密だ。



「じゃあ、ここで話してるのも勿体無いし、学食とやらに行くか」


「うん!そうだね!」


にへら〜とした笑顔して返事した少女に一瞬見惚れるが、雑念はすぐに振りきり、学食に移動するため試験会場を出た。



ようやくヒロイン登場です。

説明文多くてすみません。できるだけテンポよくいきます。

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