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ど変態物語ー上京編ー

大人達は単調な毎日が嫌いだ

寝て起きて食って働く

そんな毎日が退屈で窮屈で

色彩を求め感情に起伏を作る


心に色彩が欠けた人々が

貪欲なまでに追い求める幸福、富

富があれば心に色が蘇ると

本気で考える人達は少なくない

彼もまたそんな大人達の1人だった


彼の生活は単調だ

昼は予備校に通い

夕は適当に見つけた近所の居酒屋で働く

はじめこそ彼の中にも目当ての大学にいく目標があり、予備校とバイト、そして家を往復するルーティンも何ら苦ではなかったが、毎日目の前に降りかかるトラブルやストレスを対処していくうちに彼の考えは次第に変わっていった

そしてその感情の変化に彼自身も気付いていなかった


その日も彼はいつもと変わりなく予備校を出ると帰途に着いていたが途中、突然電話がなった

バイト先の店長からで今から急遽来て欲しいとのこと

なんでも1人欠員が出たとか

本来休みである日に呼び出されるのが嫌いだったが、彼は渋々承諾すると、行き先を家から職場に変えた

「こんな道もあるのか」

予定の時間までまだ随分とあるが、予定変更の為歩くことになった普段は歩かないその道に彼の心はゆとりを感じていた

辺りは薄暗く風が涼しい

どうせ帰っても予備校の復習をしなければならないのだからと考えると面倒なバイトに向かう道中も息抜きに感じたのだった



「コツコツコツ…」その音にふと目を前に向けると、先程までは全く気づかなかったが目の前をヒールの女が歩いていた

タイトなスカートを履いていて歩くたびにパンティラインが浮かび上がる

気が付けば彼の目はその尻に釘付けになっていた

周りを見渡すと夕暮れ時でその一本道には彼とその女しかおらず、彼はしめたとばかりに歩調を合わせ前を歩く女の尻を悪びれもせずに見続けた

無論女もそれに気付いていなかった


「こんな尻もあるのか」

今までに、こんなに美しい形の尻を、それも堂々と 直視したことがあっただろうか?いや、ない

今目をそらしたら二度とこれを拝める機会はやってこないかもしれない、見るのは無料だ

そんな下衆な考えが彼の頭を支配していた

しばらくの間彼は、その左右均等なまるでボールのような美尻をしっかりと、目に焼き付け堪能するとアパートに入って行く女を、少し後ろから見送った


(ここに住んでいるのか…)

そう考えて片方の口角を少し上げる彼の顔は、アマチュアの変態そのものであった

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