誰かの独白
きっと出来る事を、やろうと思えば出来る事を、しかし結局やらなかった人。
残念賞だ。君にはあと一歩の勇気が足りなかった。
やりたかったかもしれないが、出来ずに泣く泣く諦めた人。
君も残念賞だ。あと一歩力が及ばなかった様だね。
きっと出来るはずなのに、出来ると分からないままやらなかった人。
やはり残念賞だ。君は理解が足りなかった。気付いた時にはもう遅いパターンだ。
誰もが何度となく諦めを経験し、その度に後悔せずにはいられない。
不思議だね。決めたのは自分なのに。
人生選択ばかりで、本当に参ってしまうよ。
偉そうな事を言っているが、かくいう私もそんな迷い人の一人さ。
後悔には、悲しみという感情も全くありがたくないセットとして付いてくる。
この町はそんな、後悔と悲しみを胸の内に溜め込んだ哀れな者達が集まる場所だ。
望まずに背負った者。
自ら背負った者。
無自覚に背負った者。
皆が皆、それぞれの事情を抱えてこの街にやって来る。
そして私は、そんな彼らを観察する事で、自分の中の迷いの答えを見つけようとしている。
…いや、そんなものに答えなど無いと、分かってはいるのだ。
だが、私は見届けたい。
誰にもきっと理解出来ない、自分だけの後悔を抱えた彼らが、その悲しみに終止符を打てるのか。
どの様な形で、終止符を打つのか。
ただ、見届けたいのだ。