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来日編Ⅳ

「ようやくゆっくり休める」

窓の外はもう暗くなり夜といってもよい時間になっていた。

飯も早速、寮の食堂に行った。

飯は想像以上にうまく、これからの楽しみになりそうだった。

夜桜にもようやく今日の長旅の疲れが出てきたのか、食堂にいたときは、寝たり食べたりの繰り返しであった。

そんな訳で今はただ一人寮の自分の部屋にいる。

寮は一人一部屋で広さも一人が住むには十二分すぎるくらいで、小さい台所もある。さらにベットもあるはテレビもある。エアコンもある。これぞ完全装備の部屋といった感じであった。

ルーは今は学習机の上で寝ている。

僕は今、ベットの上で寝転がって疲れを癒してるというかただゴロゴロしているだけだが。

「本当に今日は色々なことがあったな」

本当に今日という一日を振り返るとたくさんのことがありすぎた。

初めての海外、そして初めての使い魔の言葉が分かる仲間、そして最強の魔法、魔装使いの一人リサさんとの出会い。

まあとりあえず今日はもう寝るか。

僕の意識は遠くに飛んでいった。


「ふぁ~」

ただいまの時刻、午前十時くらい、僕は自室の部屋にいた。

もちろん飯はもう済ましている。

夜桜は今日、シャルロットさんに学校の校内を案内をしてもらっている。

無論、僕にもその誘いが来たが丁寧に断った。

どうせ新学期になれば授業のどこかで校内見学があるから、わざわざ今日それに時間を割きたくもない。

僕はこういう休みの時になにもせずにゴロゴロするのが好きだ。

今、現在もベットの上で絶賛ゴロゴロ中だ。

ルーも僕と同じである。

「にしても暇だ」

あくまでゴロゴロするのは好きであってそれが暇を潰すというわけでもない。

「暇だ。暇だ。暇だ」

シャルロットさんの誘いを断った自分を罵りたい。

もし学校の案内の誘いに乗っていたら、僕はもしかしたらの出来事を一人考えていた、学校の空間的なことは事前に資料などを見ていたからだいたいは把握している。

・・・・・・そうだ。

室内訓練場に行こう。

僕はベットから飛び起きた。

僕のモットーは思いついたらすぐに行動である。

もう制服は届いていたのでそれに着替え、寝ているルーを強引に制服の胸ポケットに入れ、キャストウェッポンを二つ手に持ち自室から飛び出した。(鍵はちゃんとかけたよ)


室内訓練室は予想通りというか人っ子一人もいなかった。

まあ今は春休みだし、国に帰っていく人も多いし、むしろ誰もいないというのは僕にとっては好都合だし。

僕が向かった訓練場所は3D訓練場。

この学校の3D訓練場の広さは五百メートル×五百メートルで、3Dにより出現する魔獣を狩る訓練である。

これにはレベル分けがされていて、レベルが低ければ出現数も魔獣も強くない、逆にレベルが高ければ高いほど実戦に近い形になるしかし所詮はコンピューターが魔獣の行動のデータを解析してもっともよくする行動を入力しただけのもの。

パターンさえ分かれば目をつむっても出来る。

だけど暇潰しにはもってこいのおもちゃである。

僕は早速、風呂敷から二つのキャストウェッポンをとりだした。

《天羽々斬》、《梓弓》。

《天羽々斬》を右手に持ち、左手には改良型《梓弓》をはめ、訓練の難易度を無限モードに設定した。

無限モードとはその名の通り無限らしく、コンピュータがプレイヤーが死んだと判断するまで永続的に魔獣が出されるモードらしい。

難しさはどんどんあがっていくとマニュアルに書いてあった。

訓練が始まった。

最初に出てきた魔獣は〈グランドラビー〉その名の通りウサギの姿の魔獣だ。しかし一世紀前の人類はこのウサギすら倒せなかったのだ。

飛び掛ってきた〈グランドラビー〉を《梓弓》で作り出した矢で打ち抜いた。

この矢は僕が作り出した感情である。

僕が持っているキャストウェッポンは通常時はランクFの最弱のものであるが《梓弓》は感情を作り出すことでランクを一気にSランクまであげることができるらしい。《天羽々斬》は感情と理性を喰わすことによってそのランクを上げるけれどそれと代償に喰わした感情と理性と自制心を失ってしまう。とはいってもランクCをまでだったら理性と自制心をはっきり持てるがそれ以上上げようとすると少しずつくしていってしまう。

その後何十体か〈グランドラビー〉を狩ったがその間僕は攻撃する以外は動いていなかった。

次に出てきたのは少しは僕を楽しめさそてくれそうなやつだった。

〈クラシュックウルフ〉だった。この魔獣は〈グランドラビー〉とは大きく違い攻撃的アクティブで僕を少しは楽しませてくれそうなやつだ。

しかも今回は初手から二匹本当に楽しめそうだ。

僕は不敵な笑みを浮かべていた。

二匹が同時に近づいてきた。

一匹は背後、もう一匹は前方から、僕は右手にある刀を後ろに振り向かず突きつけそこから手応えあるのを感じるとそれを一気に上に切り裂き前方から近づく〈クラシュックウルフ〉に叩きつけた。

その後は〈クラシュックウルフ〉が次々と出てきた。

一匹出てきたら間髪入れずに次が出てくる全てを一撃で終わらせなければどんどん溜まっていく。

おもしろい。

やっぱりおもしろいよ。

暇つぶし以上だ。

その後僕は一時間静かな訓練室で楽しんだ。

一時間それはあくまで僕が一人で楽しめた時間である。

「あ、夕星。こんにちわ」

僕はその声で集中力の全てが解けてしまった。

そのすぐにただいま3Dで出てきた〈クラシュックウルフ〉の攻撃を受けた。

そのあとは袋叩きだ次々とでてくる〈クラシュックウルフ〉に僕はなすすべもなくおわった。

なにが起きたのか分からずに座りながら呆然とする僕。

「やっほー。夕星」

そこにはリサさんがいた。

彼女はすぐに僕の前の方をみていた。

僕もそれにつられてそちらに目を向けたそこには3Dで表示されたスコアボードがでていた。

そこにLv100という数字があった。

数字からして結構高いのが分かる。

「わぁーお。初めてでこれはすごいはね」

「アリガトウゴザイマス」

「どうしたの。夕星、変な喋り方して」

そうリサさんに教えられ。

僕は慌てて《天羽々斬》を手放した。

その瞬間、僕の中の感情などが戻っていく。いや溜まっていくのを感じた。

どうやら僕は訓練に夢中になるあまり《天羽々斬》に感情を喰わせすぎてしまったらしい。

「いえ、なんでもありませんよ」

僕の喋り方話声、全てが感情があるときに戻った。

「でも、今」

リサさんが追撃しようとしたきのを僕は声のトーン、大きさを変えずに声に力を入れていった。

「なんでもありません」

「そ、そう」

それに驚いたのかそれ以上リサさんは追撃をしなかった。

「へぇ~。その二つが夕星君のキャストウェッポンなんだ。しかもそれを同時に使うのが君の戦闘スタイルなんだね

 風の噂で聞いていたけど高峰家次期頭首は少し変わっているて本当だったんだね」

その噂に明確といえるものではない。なぜなら僕はあまり当家の裏の方仕事はしていない、裏というのは主にキャストウェッポンと魔法のことに関することである。

そのかわりか表の仕事は僕がほとんど引き受けたそのせいか地元ではもう僕が高峰神社の神主として扱われていた。

夏祭りの企画やその出店などもほとんど僕が決めている、あと朝、夜ご飯も僕が作っているし・・・・・・これはもう母さんの仕事じゃないか。

そういえば母さん僕が朝ごはんとか作り出したあたり僕のことを睨んでいたような・・・・・・。

これが原因だったのか。

すげーよ新しい学園生活。長年解けなかった家族のなぞが今ここに一つ解けたよ。

母さん今度帰省したときは一緒にご飯作ろうね。

僕は心の中で今は久しぶりに自分の台所を楽しんでいるであろう母さんに向けて約束した。

「ふっふっふ」

「なに笑っているんですか」

リサさんの不敵な笑いに僕は思わずその理由を聞いてしまった。

「だってたった一つの話題を投下しただけであんなに表情がコロコロ変わる人初めてみたもの。

 日本ではそういう人を百面相ていうんでしょう」

そんなに僕の表情てコロコロ変わっていたのか。

今後は気をつけないとなと僕の今後の改善点が一つ見つかったな。

「私はその百面相って面白いと思うけどね」

「なんで、僕が考えていることが分かるんですか」

「さっきも言ったでしょ顔に出てるのよそういうところが」

「むぅ。それはそうとリサさんの家族はどんな感じなんですか。リサさんほどの実力者のかたのご家族さんなんですから僕の家なんかより面白い話があるんじゃないんですか」

僕は少しでも自分のことから話をそらそうとした。

「私の家族か・・・・・・そんなのもういないんだけどね」

「えっ」

僕はあまりにもことの大きさに間抜けな声を上げてしまったと同時にしまったと後悔する。

「私の家族はね。魔獣に殺されたんだ。

 あれはたしか私が五歳のときだった。お父さん、お母さんはね前線に召集されたのよ。

 国からの指令だったから、二人とも仕方なしにそれに従ったわ。五歳の私を家に置いていて。

 お父さんとお母さんの戦死の知らせが届いたのはその一週間後のことだったわ。原因はね、奇襲にあったのよ魔獣のお父さんたちは兵士を逃がすためにたった二人だけで何千という魔獣の群れに立ち向かったの。不幸中の幸いにも私にはまだ叔父さんがいたことだと思うわ。叔父さんは私をすごく大切に育ててくれたまるでお父さんとお母さんのように。

 そして十三歳の誕生日のときこれをもらった」

リサさんはそういうと制服の懐から一つのバトンを取り出した。

「お父さんたちが私に遺してくれたものそれがこの古代ファーストキャストウェッポン《ヴァルハンス》。

 私は何があっても魔獣をこの地球から狩りつくす。

 私の復讐ふくしゅうもあるけど。これ以上私みたいな子を増やしたくないから」

それには確かな決意があった。

そんな彼女に僕は見惚れていた。

「なに、私に見惚れて。もしかしてほれちゃた。ほれちゃったのね」

まるでさっきのことをなしにするように明るい声をあげるリサさんがいら。

「惚れてませんから。でもすこし惚れそうになりましたげど」

それを紛らわすために僕は五十パーセントの嘘と本当に交えてそんなことを言った。

「よし素直な後輩にはサービスしちゃうよ」

リサさんは僕の手を引きながら走り出した。

「ちょ、どこいくんですか」

「学校案内よ」

僕は一人心の中で叫んだ。

結局、今日学校見学するのか




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