来日編Ⅰ
「ふわぁ~。疲れた」
あくびをした彼は流れてくる荷物から自分のものを取った。
彼の荷物は三つで一つは大きな旅行用カバンあとの二つは風呂敷に包まれた魔装だった。
魔装はその消費する魔力から一人の所有者につき一つしか原則持てない。
しかし彼の所有する魔装は二つである。
一つ目の魔装は日本で言うところの神剣というし刀剣ともいうもので魔装名は《天羽々斬 》。
二つ目の魔装は魔除けにならす弓。魔装名《梓弓》
しかし二つとも魔装であり魔装ではない
「お兄ちゃん。なにちんたらしているんですか。それでも高峰家の次期当主ですか」
彼の名前は高峰夕星日本では裏表でも知名度がある高峰家の次期当主。
彼のことをお兄ちゃんと呼んだのは当たり前ながら彼の妹、高峰夜桜。魔力では兄に劣るが一般的にみればトップクラスの魔力の持ち主である。
「いやーだって、飛行機に乗るだけでも疲れるだよ。寝るときも座ったまんまだし」
「当たり前です」
彼らは今、イギリスの空港にいる。
目的地はエスペラル学園。彼等は日本でも有数の有家である。そのためここには強制的に入らされたが二人は別にそれに対してなんの文句もなかったむしろ夕星の場合は感謝していた。
魔法、魔装を勉強科目として追加されているそしてイギリスの周辺では魔獣がいるため実戦訓練も授業の一環になっている。
「とりあえず。タクシーに乗って学園までいくぞ。夜桜」
「はい」
夕星たちは空港を出てタクシーターミナルに向かった。
「タクシー」
夕星は左手を上げ叫んだ。
すぐに一台のタクシーが来た。
ドアが開き始めに彼が入りそのあとに夜桜が続いた。
夕星が英語で目的地を言うとタクシーは走り出した。
「お客さんはどういった用件で子供二人でこんなとこまで来たんですか」
タクシーの運転手の好奇心が働いたのか夕星に聞いてきた。
「僕たち二人はこう見えても魔装使いなんですよ」
その答えで予想がついたのか運転手は一回「そうですか」と返事をするとあとは運転に集中した。
夕星は疲れていたので改めて座席に深く座り体を休めた