第15話 side神々
「はぁ~疲れたぁ~」
一柱の神がエリア別休憩所へと入ってきた。
ここは神々が休憩や情報交換、はてはダラける場所である。
「はいおつかれ~」「おつかれ~」「おつっす」
すでに休憩所には多くの神々が集っていた。純粋に休みにきた神もいれば暇を持て余してダラけているだけの神もいる。
「私の担当ダンジョンすっごい忙しくて困るわ」
たった今入ってきた背の低いロリ巨乳女神が勢いよくソファーに座り愚痴を言う。
「アンタの所難易度低いもんね。人気あっていいじゃない。私なんてたまにしか人類来ないから暇で仕方ないわよ」
「変なのたくさんくるから大変よ。なんか戦闘での疲れで息切れしてるんじゃなくて興奮して息切れしてる感じなのが多いのよね」
「変なの」
「しかも何回も来るのよ! 勘弁してほしいわ。ていうかいい加減難易度が低いダンジョンの担当は持ち回りにして欲しいわ」
「それ結構進んでるはずよ。そうですよね~?」
「ん~?」
ロリ巨乳女神の愚痴を聞いていた女神が一柱の女神に話をふった。このエリアで最高位にあたる女神だ。
「何?」
「だから低ランクダンジョンの担当持ち回り。あれまだ決まらないんですか?」
「あ~…あったわね……………あ~もうすぐ施行されるみたいよ~」
透明の画面を出して何かを確認する女神。検討中の案を確認した。
「本当!? やった!」
ロリ巨乳女神はソファーで飛び跳ねて喜ぶが答えた女神はつまらなさそうにダラけきっている。
「いいわねー。忙しくて」
「最高神様のダンジョンが難易度高すぎるんですよ」
「確かに。前回の難易度調整で上げすぎですって。世界最難関って言われてますよ~」
「あのくらいのがないと人類のモチベーション上がらないでしょ! 今だって必死に皆レベル上げてるじゃない!」
「今だに5階層までしか攻略されてないのはやりすぎでしょ~」
「うんうん」「言えてる」「やりすぎ」
同席していた他の神々も賛同してきた。全員思うところはあるようだ。
「他のエリアも似たようなものだから良いのよ」
「どれだけ前回の難易度調整が失敗だったかがわかる」
「それ以前が順調すぎたのよ! あいつら順応性高すぎるのよ!」
前回の難易度調整が約10年前。それまではここまで難易度を上げる気はなかった。だが人類の異常なまでの順応性の高さによってどんどん攻略されていった。だからこそ難易度を跳ね上げたのだが上げすぎてここ10年は何もしていない。しなくて良い状態になってしまったのだ。
さすがに各エリアの最高神の会議では「上げすぎたんじゃね?」と全員顔に出ていた。10年経ちやっと良い感じになってきたのだが、まだ人類の成長が追いついていないのだった。
「はぁ~あ。何か面白いこと起きないかしらね……」
「私たちのエリアって平和よね~」
「他のエリアは結構スタンピード起きてるのにね」
「ここ15年うちのエリアは起きてないわよ」
「他の所見に行こうにもこっちのダンジョン放っていくわけにもいかないもんなぁ~」
神々にとってダンジョンは娯楽。ダンジョンで起きるイレギュラー等は神々にとって最大の娯楽だった。人類がダンジョンでどれだけ死のうが知ったことではない。ただ自分達を楽しませてくれればそれで良い。神々にとってはそういう認識だ。
人類がどうダンジョンに挑むかを楽しんでいたりしたが最近では停滞しているのでマンネリ気味なのだ。
「この国でスタンピード起きると絶対面白いと思うんだよね~」
「わかる」「激しく同意」「起きないかなぁ」
「最高神様の所で起きると絶対面白い」
「やろうと思えば出来るけど、この国が滅ぶわよ。ほんの少しの娯楽のために先々の娯楽がなくなるわよ」
「そっかぁ~……」
最高神の言葉にガックリする神たち。それほどまでこのエリアは楽しみにしているダンジョン娯楽がなかった。そのためか人類の娯楽を取り入れて暇つぶししていたりする。
そこへ、この休憩所に奇声を上げて入ってくる神がいた。
「皆~~~ぁぁぁあああああ! 大変だ皆みんなああああああ! 大変だみん゛ん゛ん゛ん゛~~~~ぬ゛ぅぅぅぅううううあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁあああああ~~~!」
背の低いショタ神が凄まじい奇声を上げて入ってきたため休憩所は騒然とした。何事かと思い入口を見るが皆ため息をついた。何故なら以前にもこうやって皆を驚かせるイタズラをしてきたからだ。
「帰れ帰れ」「もうネタ切れ?」「バリエーションが少ないわ」「1パターン」「前と同じとか舐めてる?」「せめて顔芸しろや」「2点」
「ひどい!」
まだ2度目なのに神々による罵倒をくらってしまうショタ神。それほど娯楽というものに厳しいのである。特にお笑いには厳しかった。最高神が両手を前に出して上下させて皆に落ち着くようにジェスチャーしていた。
「それで今度は何のイタズラよ?」
「イタズラじゃないよ! 大変なんだ!」
「だからなにが大変なのか言いなさい」
「僕のところのダンジョンがスタンピード起こしそうなんだよ!」
「はあ?」
ショタ神の言葉に場が騒然とした。期待半分呆れ半分に分かれている。だが、全員どこか期待したような眼差しをしている。
「え? 何本当なの? 嘘だったら私とベッドイン五日間の刑よ」
最高神はショタコンだった。
「本当だって! そんな地獄のためにこんなこと言わないよ! 僕はロリ巨乳のメスガキが好きなんだ!」
「ひどい!」
自分を地獄と称され落ち込む最高神。ショタ神はある意味普通だった。
「疑うんだったら確認してよ! 本当だから!」
「はいはい。じゃあ真面目に見るわ。えーっとあなたのところはーっと…………………あら?」
「どうなの~?」「早く言ってくれ~」「拷問の準備しとく」
他の神々は結果が楽しみで最高神を急かしている。休憩所にいる神々にとってはどちらにしろ面白いことにはなるが結果が気になる。
「これ………………確実にスタンピード起きるわね」
「「「「「YEAAAAAAAAAAAH!!」」」」」
「きたああああああ!」「待ってたぜぇ! この時をよぉ!」「祭りよ祭りー!」
かつてないほどの最高の盛り上がりを見せる休憩所。
「はーい皆落ち着きなさーい! まだいつ起きるかは調べてないわよー。その辺りはもちろん調べてきてるんでしょうね?」
「もちろん調べてあるよ! 人類の時間でいうと11月2日! 明日の10時くらいだと思うんだよね!」
「皆ー! 予想以上に早いから楽しく眺めるために役割分担するわよー。男神の半分はお酒を下界からいっぱい買ってきて。もう半分はここにソファーとか持ってきて色々と設営! 女神は全員で下界行って食べ物の買い出し! いろいろ買ってくるのよ!」
明日のスタンピードを楽しみにする神々は湧いていた。
エリアは日本。成田空港近くにあるBランクに指定されているダンジョンだった。




