7.初めての人
「さぁ、行こうか。2人ともしっかり捕まっているんだぞ?」
「ん。」
「はイ!」
「あ、あの…ところでこの草はどうやって?」
「それはな?」
華子の視線が空へ向く
「わあああぁっぁぁ!!」
「ひゃぁー。」
「わふゥー!」
「はっはっはっ!」
4人は空を飛んでいた
地面から木へ、木から開いた地へと次々飛んでいく
「みんなー、もう少しだぞー。」
「あのー!母さんー!?」
「どうしたー?アンチャくん。」
アンチャの大声に返事をする
「母さんのその姿、どうするのー?」
「あっ…。」
地面に降りて自分の手足を眺める
「なぁ、確認していなかったが。わたしのような姿の人は居ないのか?」
「うん、獣人だと人の身体に耳が生えてたり、ティニーみたいに動物っぽい人ばかりだね。母さんみたいにその間みたいなのは聞いたことないかな。」
「それだと、このまま村へ行くのは不味いか。どうしたものか。」
「そもそも、ここがどこの村かわからないから、ぼくらの常識がどこまで通用するか…。」
「ふむ…。ん?」
華子の鼻がピクリと動く
「何かが近づいてくるな。フェミニちゃん、ティニー君。少しの間降りてアンチャ君を頼む。」
かがむ華子の背中の後ろでアンチャを支えるように2人はしゃがむ
華子は近づいてくる何かの方から視線を外さず、声をあげる
「何者だっ!」
華子の声に返事をするように目の前の草ががさがさと動き出す
「わふっ!」
チワワが現れた
「わんちゃ。」
「か、かわ!」
突然の子犬にきゅんとする華子
チワワは華子に近づき匂いをふんふんと嗅いだ
「早太郎!どこだぁ!」
チワワに気を取られて近づく気配に反応できなかった
茂みから顔をのぞかせたのは額から角の生えた青年だった
「早太郎、何が…。あ、あ、貴方様は…もしや…。」
青年は華子の姿を見るなりわなわなと震えだす
「もしや、冠位大地狼様であらせられますか!?」
急に片膝をつき平服しだした青年
「いや、は?え、何?怖…。」
華子の姿を見た瞬間に叫びだす青年を冷たい目で見ながらも足元のチワワを撫でる
華子にお腹を撫でられてチワワの尻尾は粗ぶっていた




