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11.華子の願い

「…承知いたしんした。貴方様の願い、お手伝いいたしんす。」

そっと離れた雅は華子ににこりと微笑む

「わっちも妻であり母でありんす。愛する人を大事にしたい気持ちは同じでありんすよ。それが真であろうと偽であろうと関係ありんせん。わっちが愛したものが真でありんす。それは貴方様も一緒。」

雅の視線が3人へ向く

「お子等よ。そんなに不安そうな顔をしなんすな。」

雅の言葉に華子ははっと3人を見る

表情を曇らせている3人に華子は抱き着く

「誤解させてすまない。君たちがわたしの家族であるのは真実だ。ちゃんと話をしていなかったわたしが悪かった。すまない。」

「あなた方はこのお方にとって既に真でありんす。お子等にかけた言葉に嘘はありんせんよ。」

雅はそっと立ち上がりぱんっと手を打ち鳴らす

「さぁ、これからのことを話しんしょうか。辛気臭いのはこれでおしまいでありんす。差しあたっては…。」

雅の両手が華子の肩に乗る

「貴方様について聞くといたしんしょうね。」

雅の表情はすごくねっとりしていた


華子は今までのことを話した夫である龍之介のこと

お腹にいた双子のこと

もともとただの人であり、あの仄暗い空間にいつの間にか居たこと

そこにやってきた3人の子供達

「わたしは家族を失ったショックで生きる意味を失っていた。でも、あの時。ティニーくんが炎の槍に襲われていたとき、身体が勝手に動いたんだ。」

ソファーに座る華子の隣にアンチャが座りティニーとフェミニは2人に寄りかかって寝息を立てている

向かいには雅夫婦がにこにこしながら話を聞いている

「君たちの話を聞いて思った。子供はすくすくと育ち、幸せになる権利があるのにと。生まれだとか力だとか、そんなもので区別される世界であるならせめてわたしは君たちの力になりたいと思ったんだ。それも、わたしの我儘だ。家族を失った穴を塞ぐのにちょうどよかったのかもしれない。」

「母さんは、後悔してる?僕たちに家族になろうって言ったこと。」

アンチャはまっすぐ華子に問う

「そんなわけあるか!君たちが家族になってくれて嬉しいことは嘘じゃない。ただ…。」

「なら大丈夫だよ。」

アンチャは言い切る

「母さんはティニーを助けてくれた。ぼくを抱きしめてくれた。フェミニを笑顔にしてくれた。今日だけでぼくらはいろんなものをもらった。ここに居てもいいって思えたんだ。母さんが母さんになってくれてよかったよ。」

「アンチャ君…。」

「家族愛でありんすなぁ。」

「だな。」

雅と真亜斗が穏やかに呟いた

「なぁ、雅。」

華子は雅に問いかける

「なんでありんしょうか。」

「わたしにこの世界のことを教えてほしい。国の情勢、種族にスキルや魔法のこと。君たちが分かる範囲のすべてをわたしに叩きこんでほしい。少しでも手がかりが欲しいんだ。」

「もちろんでありんす。このセンサ村の持つ知識は全て華子様にお伝えいたしんす。」

「アンチャくん、君にも手伝ってもらっていいかい?」

「もちろん!」

華子はアンチャの頭を優しく撫でる

「みんな、ありがとう。わたしはきっと叶えてみせるよ。」

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